SCP-424-JP
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SCP-424-JPの一個体。写真の3本のうち、SCP-424-JPは右の1本(青)のみであることに注意。

アイテム番号: SCP-424-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-424-JPは研究用に3体のみを1体ずつ15cm×15cm×80cmの高マンガン鋼製容器に入れ、サイト-8168の収容ロッカーに保管します。各容器にはセンサーを取り付け、活性化の兆候がないか常に監視します。新たに発見された個体はSCP-424-JPの下部から風速30m以上の風を当てて無力化し、全ての骨組みを折った後焼却処分してください。保管しているSCP-424-JPには月に一度、5kg程度の獣肉が餌として与えられます。給餌はロボットを用いて遠隔操作で行い、職員は開いた状態のSCP-424-JPの下に入らないよう注意してください。

説明: SCP-424-JPは一般的なビニール傘に擬態した肉食生物です。SCP-424-JPの骨組みの部分はチタン、カーボンファイバー、スチールなど、一般的な傘に使用されている素材と同じもので構成されていますが、傘布に当たる部分は主にキチン質1で構成されており、厚みは一般的な傘よりも厚く、0.██~0.██mmです。この部分に消化器官や感覚器官があるものと考えられていますが、現在においてその構造は判明していません。

SCP-424-JPの活動サイクルは休眠期と活動期に分けられます。

<休眠期> SCP-424-JPは、人間が傘を置き忘れそうな場所(これまでに発見されたものではコンビニエンスストア████の傘置き、██線の電車内などがあります)に、他の傘と混ざって身を潜めます。この時のSCP-424-JPと通常のビニール傘を判別することは非常に困難です。

<活動期> SCP-424-JPが人間(以下、SCP-424-JP-1と表記)によって持ち去られると、活動期に入ります。SCP-424-JPは通常のビニール傘と同じように機能しますが、SCP-424-JPを差したSCP-424-JP-1が人気のない場所に移動したとき、SCP-424-JPは骨組みをしなやかに曲げ、その先端で首を噛みちぎるようにして、SCP-424-JP-1の頭部を捕食します。切断された頭部はSCP-424-JPの内側で粉砕され、およそ0.█秒で完全に傘布の内部へ取り込まれます。この時、SCP-424-JPが発揮する力は約██kNと推定されています。同時にSCP-424-JPの柄となる部分がSCP-424-JP-1の手に巻き付き、そこから触手を差し込んで脊椎に接続し、SCP-424-JPはSCP-424-JP-1を乗っ取ります。SCP-424-JP-1が捕食される前にSCP-424-JPを置いた場合は再び休眠期に入ります。

捕食し、SCP-424-JP-1を乗っ取ったSCP-424-JPは、傘の色を赤く不透明に変え、首から上を隠すようにして歩きます。この赤い色はSCP-424-JP-1の血液だと推察されます。SCP-424-JP-1は捕食される前と同じように歩きますが、呼びかけなどには反応しません。その後、SCP-424-JP自身を傘立てなどに置かせ、触手を収めて休眠期に入ります。この時、色も透明あるいは半透明に戻ります。捕食されたSCP-424-JP-1はその場から数歩歩いた後に倒れます。

SCP-424-JPは、20██/██/██ごろから連続して発生していた首なし殺人事件を財団が調査した際に発見されました。これまで██体が発見されています。

実験記録424-JP-01 - 日付 20██/██/██

被験者: D-424-01

実施方法: SCP-424-JPを被験者に差させ、反応を観察する。

結果: 観測から2時間経過しても、捕食する様子は見られなかった。

分析: 誰かに見られているうちは捕食しないようである。

実験記録424-JP-02 - 日付 20██/██/██

被験者: D-424-01

実施方法: SCP-424-JPを被験者に差させ、反応を観察する。目視での観察は行わず、カメラのみを用いて観察を行う。

結果: 観測から2時間経過しても、捕食する様子は見られなかった。

分析: カメラによる目視も見られているうちに入ると考えられる。

実験記録424-JP-03 - 日付 20██/██/██

被験者: D-424-01

実施方法: SCP-424-JPを被験者に差させ、反応を観察する。目視での観察は行わず、カメラのみを用いて観察を行う。さらに人工雨を降らせる。

結果: 観測から21分後、SCP-424-JPはD-424-01を捕食。周りを見回すような反応をとった後、元々SCP-424-JPが立てられていた傘立てに自ら戻った。D-424-01は死亡。

分析: 原因は観察方法ではなく雨の有無にあったと判断。以降の実験では目視での観察に戻すこととする。

実験記録424-JP-04 - 日付 20██/██/██

被験物: 牛肉5kg

実施方法: 牛肉の上に開いた状態のSCP-424-JPを設置し、反応を観察する。さらに人工雨を降らせる。

結果: 観測から56分後、SCP-424-JPは牛肉を捕食。触手を巻き付ける部分がなかったため、直後に休眠期に入りその場に倒れた。

分析: 人間の場合より時間はかかるが、獣肉でも給餌は可能と判断。特別収容プロトコルを改定する。

収容違反記録 - 日付 20██/██/██
捕食させないまま一ヶ月が経過していたSCP-424-JPの一個体が、休眠期にもかかわらず活性化。強化アクリル容器を破壊してロッカーを脱出しました。SCP-424-JPは自発的に傘を開き、事態の収束にあたった機動部隊員の一人を補食しました。この時、機動部隊は███kNの圧力に耐えるヘルメットを装備していたのにもかかわらず、ヘルメットを粉砕して捕食されたことがわかっています。この直後、SCP-424-JPは偶然にも傘が「裏返った」状態となったため、無力化しました。この事件を受け、特別収容プロトコルが現在のものに改定されました。

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