SCP-4249
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特別収容プロトコル: SCP-4249-αは標準的なオブジェクト保管ロッカーに収容されます。暫定研究サイト-4249は最低10名の研究者によって維持され、機動部隊デルタ-8 “カウチ・サーファーズ”の待機地点の役割を果たします。SCP-4249-A個体が暫定研究サイト-4249に侵入した場合、施設は封鎖され、機動部隊デルタ-6にはSCP-4249-A個体を鎮圧するために致死的武力を行使する権限が付与されます。

説明: SCP-4249は製造元とモデルが不明な2脚1組のカウチ(SCP-4249-α及びSCP-4249-βと指定)であり、完全な自己収容状態にある異次元空間(SCP-4249-1と指定)の入口として機能します。SCP-4249-1への正確なアクセスポイントは、双方のSCP-4249実例のシートクッションの間にあるポータルです。SCP-4249実例の隙間に押し込むことが可能な物体は全てSCP-4249-1に転送できます。

SCP-4249-1は面積4,400 km2の熱帯の島と、それを取り巻く狭い水域で構成されます。GPS技術でSCP-4249-1を発見する全ての試みは失敗し、信号発信者がSCP-4249から動いていない結果になります。SCP-4249-1の唯一の出口はSCP-4249-βです。SCP-4249-βは不動であり、またSCP-4249を介して研究標本を回収するのが困難であるため、暫定研究サイト-4249がSCP-4249-βを取り囲む形でSCP-4249-1内部に建造されました。島の海岸から1km以上離れようとすると、不可視の力によって押し戻されます。

SCP-4249-1には数種類のSCP-4249-A亜種が生息しています。SCP-4249-AはSCP-4249の土着である全ての実体の総称です。現在9種類の亜種1が知られており、より多くを発見するための調査が進行中です。全てのSCP-4249-A亜種は共通して様々な家具の外見ですが、完全に有機的な解剖学構造を内包しています。

補遺: 現時点で既知の全SCP-4249-A亜種のリスト。青字の指定は従順な実体を、赤字の指定は敵対的で危険な実体を指します。

SCP-4249-A亜種 外見 自然界での役割
SCP-4249-A1 分子レベルでポリウレタンフォームと同一。 コケや地衣類と同様に、光合成生産者の役割を果たす。
SCP-4249-A2 外見はキャスター付きの事務椅子に似ている。 一次消費者。SCP-4249-A1のみを摂食する。
SCP-4249-A3 外見はビーンバッグチェアに似ている。 一次消費者。SCP-4249-A1のみを摂食する。
SCP-4249-A4 外見はオットマンや足置き台に似ている。 二次消費者。SCP-4249-A2とSCP-4249-A3を捕食する。
SCP-4249-A5 外見は1人掛け用のリクライニングシートに似ている。 二次消費者。SCP-4249-A3とSCP-4249-A4を捕食する。
SCP-4249-A6 外見は2人掛け用の小型ソファに似ている。 三次消費者。SCP-4249-A5とSCP-4249-A4を捕食する。SCP-4249-A7に対して極めて攻撃的。
SCP-4249-A7 外見は長椅子に似ている。 三次消費者。SCP-4249-A5とSCP-4249-A4を捕食する。SCP-4249-A6に対して極めて攻撃的。
SCP-4249-A8 外見は組立式カウチに似ている。 四次消費者。SCP-4249-A7とSCP-4249-A5を捕食する。SCP-4249-A9との激しい縄張り争いあり。
SCP-4249-A9 外見はキングサイズのマットレスに似ている。 四次消費者。SCP-4249-A6とSCP-4249-A5を捕食する。SCP-4249-A8との激しい縄張り争いあり。
SCP-4249-A9-β 外見はSCP-4249-A9に似ているが、顕著に大きい。生地の一部が体表から大きく失われており、正面には弾痕と一致する多数の穴が開いているように見える。 四次消費者。SCP-4249-A6とSCP-4249-A5を捕食する。この亜種の唯一既知の個体。しばしばSCP-4249-A9の群れや社会活動に加わろうとして失敗し、排斥されている。また、この個体は身体不自由らしく、移動する際には身体を引きずり、狩りは待ち伏せ戦法に依存している。生計の手段としてのみ狩りを行い、人間に対して非常に暴力的かつ攻撃的に振る舞う。

事案4249.1: SCP-4249-1への遠征中、職員はSCP-4249-β近辺の浜辺に部分的に埋まっていた損傷の激しい人間の死体を、SCP-4249-1内の物品を詰めた背負い袋と共に発見しました。環境条件による損傷のため、死体の正確な年代は不明ですが、文書4249.1の情報を基に、この人物は1857/11/10頃に死亡したと推定されています。分析の結果、対象の死因は恐らく窒息と、鈍器が繰り返し衝突したことによる頭部外傷の複合であると判明しました。背負い袋の中の物品には以下が含まれます。

  • 大型の水筒、半分空。
  • 猟銃の弾丸、バラで4発。
  • SCP-4249-A実体から破り取られた1m2の繊維片。
  • 小さな日誌、文書4249.1と指定。
  • 2人の男性を写した小さな写真。
  • 19世紀に一般的だったレイピア。

文書4249.1: 日誌の筆者はポルトガル人の探検家、ホセ・デ・サントスとされています。環境条件による損傷のため、修復・翻訳が可能だったのは僅か数ページでした。

10月31日、主の年1857年

これは精霊の領域への二度目の旅となるだろう。我が親友セニョール・オリベイラは、この領域へ至る入口が、小型のクッション付きベンチの中に巧妙に秘匿されているのを発見した。主なる神が如何なる心積もりでこれらの領域をお創りになったか、我々は想像するより他無い。いずれにせよ、我々は少なからぬ資金を投じて座席を確保し、ヴェールの奥を軽く覗き込んだ。太平洋の沖合に点在するそれと似た、手付かずの島といった趣である。少々確認した限りでは、原住民はいないようだ。しかし、遠征しなければ実情は分からない。オリベイラと私は、誰かが生き残って我々の物語を語るためにも、私一人が行くという案で合意した。明日出発する。

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文書4249.1に添付されていた写真。恐らくホセ・デ・サントスとセニョール・オリベイラ。

11月1日、主の年1857年

精霊の領域に踏み込んだ。もう既に、私は不思議に囲まれている。人間の原住民こそいないようだが、私は数匹の驚くべき生物を目撃した。私は入口を這い進み、浜辺の目立たない場所に立つ同一のベンチから飛び出した。二匹の生物が浜辺で戯れており、どちらもある種のパッド入りの椅子に似ていた。生物たちは私を一目見ると(どちらも目が無いようだったのであくまで推測だが)、短い木製の脚が許す限りの速さで森に駆け込んだ。今夜は浜辺で野宿し、夜明けと共に密林へ入る予定。





11月3日、主の年1857年

昨日は日誌を更新しなかった。あれ以来多くの事が起きた。私は足早に密林を通り抜ける中で、木々の上を這い、岩の上を横切って広がる黄色の苔に気が付いた。苔の小片を試料として採取したので、帰還した時に提示するつもりだ。それまでは先に進み続けよう。今日はまた別種の生物と接触した。この生物は単純な布地の寄せ集めに似通っており、前日に出会った二匹とは違う種であろうと思われた。何より特筆すべき点として、その生物は私に近付いてきた。賢さの程は定かでないが、どうも私を何処かへ導こうとしているようだった。私は後を追うことを選び、世にも奇妙な光景を目の当たりにした。この塊のような生物の、少なくとも十数匹は下らない群れが小さな空き地で草を食んでいたのだ。彼らは黄色の苔を食べているらしいので、一定の栄養価はあるのだろう。しかし私は、本来己が属してすらいない世界に生えた未知の植物を食べる危険を冒したくはない。塊様の生物たちは殊の外友好的で、此処の環境が我々の世界よりも寛容であることがそれとなく分かる。私は2日間彼らと共に過ごし、食事と社会的習慣を観察していた。昨夜と同じように、今夜もまた彼らの間で眠る。共寝の相手としては類を見ないほど心地良い。

11月4日、主の年1857年

今日もまた生物たちの間で過ごした。彼らの社会構造は全く部族集団の典型であるように思われ、知的社会とは程遠い。しかし、彼らは仲間の一員として私を受け入れ、上辺だけでも知性らしきものを示した。私は彼らを軽視しているのかもしれない。彼らは小さな共有寝台の構築に成功した。彼らが物を動かすには身体で包み込むしかないのだから、驚嘆すべき偉業と言えるだろう。またこの群れでは二、三匹の塊から成る小班が苔を集め、共有の小山にする役を務めているらしい。彼らだけでは遅いので、私も援助した。彼らも喜んだらしく、私の脚をくるみ込んで彼らなりの感謝を示した。実に奇妙な感覚だが、悪い気はしない。この生物たちはどうやら撫でられるのを好んでいるようだ。ある意味では、犬にかなり似ている。

11月5日、主の年1857年

私は間違っていた。この領域の環境は全く以て寛容ではない。今日、私は何か巨大な物が下草にぶつかる音で目を覚ました。球形の友たちは私ほど幸運ではなかった。マットレスに似た巨大な生物が森の中から飛び出し、空き地に体当たりしてきた。それは… この隠れ地で私を歓迎してくれた、小さな塊様の生物たちを食べ始めた。私が剣を鞘から抜き放ち、悍ましき獣に斬りかかる前に、三匹が殺された。獣は苦痛に吼えると、口に含んだ塊を吐き出し、私が引き裂いた柔らかな皮膚を残して逃げ去った。私は本来理知的に振る舞うべきなのだと痛いほど自覚している。しかし、あの獣は無辜の共同体を虐殺したのだ、それを罰さずにおくべきか。明日、私は獣が残した破壊の跡を頼りに奴を追う。

1857年11月6日

今日は大半を獣の追跡に費やした。怪物の咆哮が聞こえる距離から決して離れず、猟銃を固く握りしめている。今夜は下草の上に生えた木の上で眠る。一日通して無闇矢鱈に気を高ぶらせていた。狩りでこのような気分になったのは初めてだ。生還できることを祈る。しかし、今夜は眠らねばならない。獲物にこれ以上有利な立場をくれてやる必要はない。

1857年11月7日

今日、マットレス様の生物の大集団を目撃した。私がマットレスの動いた形跡を辿って密林を進んでいると、何やら音が聞こえた。私は身を隠し、最も大柄な個体が - 私が皮を剥いでやった獣だ - 群れに近付くのを見た。だが、群れは獣を受け入れなかった。獣は集団に再度加わろうと試みたが、毎回拒絶された。奴は遂に森の中へと押し戻され、私はその後を追った。結局、奴は小さな空き地で眠りに就いたようだ。何故あの獣が群れに拒絶されたかは判然としない。群れに無監督制度があり、私の獲物はその掟を破ったのか? それとも手負いの個体が群れに戻るのは許されないのか? 確かに分かるのは、群れの中の一頭を仕留めるよりも、孤立した標的を殺す方が遥かに容易であるということだ。あの怪物の息の根を止めたならば、その時こそ真の世界に帰還しようと思う。


発見ログ: SCP-4249はマーシャル・カーター&ダーク社のオークションに“ポケット私有島”として出品され、財団職員によって購入されました。取得に際して、1枚のアルミニウム板がシートクッションの間に配置され、SCP-4249-1との往来を遮断していたことが判明しました。マーシャル・カーター&ダーク社の職員たちは、SCP-4249をカルロス・オリビエという名のポルトガル人貴族から買い取った時、金属板は既に挿入されていたと主張しています。

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