アイテム番号: SCP-4265
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-4265はフィルム映写機と付属スクリーンを含むように改装された標準的な爬虫類飼育区画に収容されます。SCP-4265には隔週で新しい映画を鑑賞させます。映画に関心を示し続けているかを確認するため、上映中のSCP-4265は監視されます。冒頭の12分間でSCP-4265が映画に興味を示さなかった場合、その映画を取り除いて別の作品と交換します。
全てのSCP-4265-1実例はSCP-4265の収容サイトに文書記録としてアーカイブされます。SCP-4265-1に収録された如何なる映画も、SCP-4265向けの上映には不適当な作品と見做されます。

“摂食トランス”状態のSCP-4265
説明: SCP-4265は回収時点で生後16ヶ月と推定されているPantherophis guttatus(コーンスネーク)の一個体です。SCP-4265は全長4.4mと異常に長大です。SCP-4265は生存するうえで栄養を必要としませんが、劇場上映用映画を見ずに約10~15日経過すると空腹の兆候を示します。摂食行動として劇場映画を鑑賞している時、SCP-4265は完全に映画に没入します。この集中を途切れさせる唯一の手段はSCP-4265への物理的干渉です。

脱皮直後のSCP-4265-1
SCP-4265の異常性は脱皮する度に活性化します。以下でSCP-4265-1と指定されるこの抜け殻は、35mmフィルムストリップに似た形状をしており、同規格のフィルムで動作するように設計された全てのシステムと互換性を持ちます。全てのSCP-4265-1実例は無音かつ英語字幕付きであり、これは恐らく音源が付属していないためだと考えられています。SCP-4265は約30日に1回、SCP-4265-1実例を脱皮します。しかしながら、強いストレスに曝されている時のSCP-4265は週1回の頻度で脱皮することが知られています。
SCP-4265-1に収録された映画は常に劇場映画であり、恐らくSCP-4265が既に鑑賞した作品です。SCP-4265は過去数回、これらの映画を無制限に改変する能力を示しています。SCP-4265-1実例に収録された映画と内容変化の不完全版リストは、補遺4265-Bを参照してください。
補遺-4265-A: 収容から32日後、SCP-4265は深刻な栄養失調と鬱病の兆候を見せ始めました。この時点以降、SCP-4265-1に収録される映画は暴力性と俗悪な雰囲気を増し始めました。この類の変化が最初に示されたのは“俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-” (2008)を収録した実例でした — ストーリー本編は全く編集されていないものの、最後の場面で主人公2人は、SCP-4265の初期回収を担当した財団エージェント エリソンによって速やかに逮捕されます。その後のSCP-4265-1実例群は、財団職員に対する/財団職員による暴力の増加を描写しています。
更に3回の脱皮サイクルを経た後、SCP-4265-1に収録された“夢のチョコレート工場” (1971)はオリジナル版とほぼ似つかない内容になりました。唯一変化しなかった場面は第二幕冒頭の“ボートライド”の部分です。
この事案は財団職員の注意を喚起し、SCP-4265が生きるために定期的な新作映画の鑑賞を必要としていることが明らかになりました。2018/06/21、キルガロン研究員はSCP-4265のガラス飼育槽の外に置いた私用携帯電話で、映画“穴/HOLES” (2003)をSCP-4265に見せました。SCP-4265の気分は速やかに回復し、監督スタッフはその後間もなく、給餌と従順さの維持のために、スクリーンとプロジェクターをSCP-4265の収容区画に設置するよう要請しました。それ以来、SCP-4265-1に収録される映画は遥かにポジティブな雰囲気の内容となり、SCP-4265の全般的健康状態もまた改善しています。
補遺-4265-B: 以下は、SCP-4265の回収以来、SCP-4265-1実例に収録された映画の不完全なリストです。
0. ブラックパンサー (2018)
改変: 称号“ブラックパンサー”への言及は全て“ブラックマンバ”に置換され、視覚表現もそれに応じて改変されています。
注記: この実例はSCP-4265が収容下で直接脱皮したのではなく、カリフォルニア州ロサンゼルスの█████ ███████映画館からSCP-4265と共に回収されたものです。当該実例は劇場スタッフにオリジナル版映画のフィルムと誤解され、上映されました。関与した全ての民間人にクラスA記憶処理が施され、追加14点のSCP-4265-1実例が現場から回収されました。回収された実例群の分析は進行中です。1. マトリックス リローデッド (2003)
改変: 無し。2. グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち (1997)
改変: 無し。3. 俺たちステップ・ブラザース -義兄弟- (2008)
改変: 映画の最後の場面で、主人公2人は拳銃を装備したエージェント エリソンに頭部を銃撃されます。
注記: これは財団によるSCP-4265の回収後、オリジナルの劇場公開版から改変された内容の映画が収録された最初のSCP-4265-1実例です。4. ラマになった王様 (2000)
改変: 主人公はオリジナル版のラマではなく、カートゥーン調のヘビに変身します。オリジナル版の結末と異なり、主人公は人間の姿に戻りません。5. エイリアン (1979)
改変: 表題の基になったエイリアンはSCP-████に似た姿です。この変化はあくまでも表面的であり、生物の挙動や能力は全てオリジナル版のエイリアンと同一のままです。作中に登場する7人の人間は全てSCP-4265割当の財団研究者に置換されています。SCP-4265版の映画では、人間7人は全員エイリアンに殺害されます。
注記: SCP-████はこの脱皮サイクルが始まる直前の2018/05/31に収容違反しました。SCP-4265-1では財団職員の暴力的な死が描写されたにも拘らず、映画に登場した職員は誰一人としてSCP-████の収容違反で負傷していません。これがSCP-████に対するSCP-4265の恐怖心の表れか、描写された人間たちに危害を及ぼしたいという欲求か、その2つの複合かは不明です。6. 夢のチョコレート工場 (1971)
改変: 主要登場人物のウィリー・ウォンカはキルガロン研究員に、全ての子供たちは人間の服を着たヘビに置換されています。オリジナル版の子供たちが不品行な振舞いの報いとして罰を受けるのに代わり、ウィリー・ウォンカ役のキルガロン研究員は子供たちを終了します。これらの終了はいずれもオリジナル映画の展開と全く接点の無い残忍な手法で実行されます。補遺4265-Aで既に述べたように、この映画の唯一編集されていない場面は第二幕の“ボートライド”の部分です。7. 穴/Holes (2003)
改変: 無し。
注記: これは財団職員によるSCP-4265への“給餌”後に生成された最初のSCP-4265-1実例です。8. スネーク・フライト (2006)
改変: 無し。9. レイダース/失われたアーク《聖櫃》 (1981)
改変: 主人公のインディアナ・ジョーンズは、ヘビではなくマングースを怖れています。これは映画の筋書きに如何なる影響も及ぼしていません。作中に登場する聖櫃はSCP-4265収容チャンバーの縮小モデルに置換されています。10. ズートピア (2016)
改変: 全ての登場人物は、財団職員か、サイト-42に収容されている生物SCPオブジェクトの擬人化版に置換されています。映画は依然として草食動物と肉食動物の派閥抗争を中心に展開しますが、それぞれ“人間”と“怪物”に改称されています。主人公2名(擬人化された雌のアナウサギと雄のアカギツネ)は、キルガロン研究員とSCP-4265に置換されています。
注記: どのようにしてSCP-4265が作中に登場するSCPオブジェクト群の外見を知ったかは未だ不明です。現在までにSCP-4265が目撃した他のSCPオブジェクトは、2018/05/31に収容違反していたSCP-████のみです。