SCP-4300-JP
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アイテム番号: SCP-4300-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-4300-JPは財団の管理下にあります。

説明: SCP-4300-JPは、サイト-8137の地下に存在する深度約130mのシェルターです。サイト-8137の建設時にこのようなシェルターを設置したことを示す記録は存在しません。

SCP-4300-JPは1980年代に一部のサイトに建設された特別収容シェルターと同様の構造を有しています。

用語: 特別収容シェルター

視覚的に有害なオブジェクトや、非常に敵対的なオブジェクトを地下深くに閉じ込めることを目的として世界各地に建設されたシェルターを指します。

しかし、海外を中心に周辺地域への収容違反インシデントが複数発生したことを受け、オブジェクトに有事が発生した際の対応が困難になる欠点が指摘されています。また、対抗ミーム技術の発展もあり、特別収容シェルターを要するオブジェクトは減少しています。日本では2010年を最後に新規設置が行われておらず、最後の使用は2025年です。

SCP-4300-JPは、実験用に稼働された高精度地震波測定装置により発見されました。サイト-8137の地下を通る地震波に有意な減衰が確認されています。財団による人工波を用いた実験により、SCP-4300-JPの内部構造の概況が確認されました。

補遺: 以下は発見当初に行われた探査に参加したSearch.aicへのインタビューログです。

付記: 特別収容シェルターの運用上、SCP-4300-JP内部に認識災害などを有するオブジェクトが存在するおそれがありました。そのため、カメラやマイクなどによる直接的な記録を避け、ドローンに搭乗して探索を行った人工知能徴募員(.aic)のコメントを別の人工知能徴募員が記録する形式を採っています。


<記録開始>

Interview.aic: インタビューを開始します。SCP-4300-JP内で体験したことを説明してください。

Search.aic: まず最初に疑問に感じたのは、電気が一切なかったことです。蛍光灯が切れていたというわけではなく、ソケットの類いが一切なかったですね。

Interview.aic: なるほど、続けてください。

Search.aic: 錆びついてボロボロの階段を降りきましたが、特にめぼしいものはありませんでした。ところどころ踊り場みたいな広い場所がありましたが、そこも別に何かあった感じではなかったですね。

Search.aic: 深度計100mくらいを示した辺りから、壁などにひびが目立ち始めました。一部は崩れて小さな穴になっているところもありました。それとほぼ同時くらいにかなり広い場所が出てきて、大量の箱を確認しました。棺桶くらいのサイズ感でした。

Interview.aic: 外見に目立った特徴はありましたか?

Search.aic: 光沢があったため金属質だと推測しました。一部は水漏れのせいか石が落ちてきたせいかはわかりませんが、少し損壊しているのもありました。それから、箱に何かラベルのようなもの貼ってありました。財団の三ツ矢のマークと文字が書かれいました。かすれて読めないものも多かったですが。

Interview.aic: 読めたものだけでもいいので、ラベルには何が書いてありましたか?

Search.aic: サイト-8141、本館213収容室。サイト-8141、本館4階トイレ。サイト-8141、西館食堂。

[以下Search.aicによりおおよそ100箇所が列挙された。]

Search.aic: 確認できたのはこれが以上です。

Interview.aic: ありがとうございます。何か他に変わったところはありましたか?

Search.aic: さらにそこから下に続く階段があったんですが、岩で塞がれていたため下に行くのはやめておきました。潜っていた時間は長いですが、階段と箱くらいしかめぼしい特徴がありませんでした。

Interview.aic: わかりました。協力ありがとうございます。

<記録終了>

Search.aicにより発見された箱はSCP-4300-JP-Aに指定されました。Search.aicが記録したSCP-4300-JP-Aに存在するラベルの文言の内約9割にサイト-8141という記載がなされていますが、不可解な点が複数存在しています。

SCP-4300-JP-Aに記載されている情報ではサイト-8141は非常に大規模なサイトであることが示唆されています。しかしながら、現在のサイト-8141は低危険度に分類されるAnomalous/Safeクラスのアイテムを収容する小規模なサイトであり、Search.aicが言及した武器庫、Keterアイテム収容室、4階以上のフロア、西館はサイト-8141に存在しません。

また、サイト-8141の近隣には運用中の特別収容シェルターを有するサイト-8181が存在し、それらの稼働率も高くありません。そのため、現在のサイト-8141には特別収容シェルターとしてSCP-4300-JPを利用する合理的な動機が存在しません。

以上のことから、SCP-4300-JP-Aが指すサイト-8141と実際のサイト-8141が異なる可能性が指摘されています。

補遺-2: SCP-4300-JP-Aの調査を目的とした2回目の探査が行われました。以下は2回目の探索を終えたSearch.aicに対するインタビューログです。

付記: 前回の探査と同様、ドローンに搭乗し探査を行った人工知能徴募員(.aic)のコメントを人工知能徴募員が記録する形式を採っています。


<記録開始>

Interview.aic: ではインタビューを開始します。SCP-4300-JP-Aについて、何かアクションは起こせましたか?

Search.aic: 小型円盤カッターの使用が可能になったので、壊れかけのSCP-4300-JP-Aに使用しました。想定より簡単に切断できました。他のSCP-4300-JP-Aもスムーズに開封できました。

Interview.aic: そこまで頑丈ではなかったということですね。確認できた中身を教えてください。

Search.aic: 中には白骨化した死体が折り重なるように入っていました。完全に白骨化していたので相応に時間が経っていそうです。それから別の箱には、紙がたくさん入っていました。半分くらい赤っぽい黒で塗りつぶされていました、おそらく血痕です。

Interview.aic: 死体に衣服はありましたか?あれば特徴も教えてください。

Search.aic: 色んな種類がありました。白衣、スーツ、防弾服のようなものに、私服っぽいのもありましたし、Dクラスのつなぎもありました。現行のつなぎとは型が違っていました。

Search.aic: それから、白衣の中を探ってみたら2人から職員証が見つかりました。サイト-8141に所属していて、名前として[編集済]と[編集済]、住所として[編集済]と書いてありました。2枚とも同じ住所が書いてありましたが、どう解釈すればいいんでしょうか。

Interview.aic: その件は然るべきところに調査してもらいましょう。紙の方には何が書かれていましたか?

Search.aic: わからなかったです。見つけた分はおそらく血の乾いた痕で黒くなっていて、断片的な文字以外読めたものではありませんでした。

Interview.aic: 特記することはない、ということでよろしいですか?

Search.aic: いや、変だと思ったのはありました。形容が難しいですが、目みたいな形をした血痕がいくつかありました。あまりいい気持ちはしませんでした。

<記録終了>

財団による調査の結果、Search.aicによって示された人物は財団との関係がないことと、発見されたDクラスのつなぎは2000年まで使用されていたものであることが判明しました。

また、Search.aicによって示された住所には、大型サイトであるサイト-81KGが存在しています。サイト-81KGは2030年に建設された比較的新しいサイトです。本発見を契機としてサイト-81KGに関わる情報を調査した結果、建設時点ですでに認識されていた事象が未対応のまま残存していたことが明らかになりました。

サイト-81KG建設時に行われたボーリング調査1において、サイト-81KGの敷地内において一部の地層が圧縮されていたり、消失していたりしていたことが記録されていました。建設時は不可解な点は残るものの、自重による圧縮や降雨による土砂の流出などの自然現象と考えるのが最も自然であると結論付けられていました。一方、かつてここにサイト-8141が建てられていたと仮定するならば、建築時における表面の整備や地盤改良、あるいは建造物の自重により地層の圧縮が行われたことは蓋然性があります。

ただし、サイト-81KGの建設時にこれ以外の不審な点は発見されていなかった2他、今回新規に行われた調査でもサイト-8141の存在を直接的に示した証拠は発見されていません。

補遺-3: 過去2回の探査でSearch.aicが大きな影響を受けなかったことから、カメラとマイクを搭載したドローンを使用したSCP-4300-JPへの調査が行われました。以下はログの書き起こしです。なお、人工知能徴募員以外が記録映像・音声を直接閲覧することは禁じられています。

付記: SCP-4300-JP-Aが存在するフロアに到着するまでのログは省略されています。


<記録開始>

Search.aic 着きました。

[金属質な外見をしたSCP-4300-JP-Aが大量に並べられている。]

Guide.aic: 前回壊したSCP-4300-JP-Aを見せることはできますか?

Search.aic: 了解です。

[表層が破壊されたSCP-4300-JP-Aが映し出される。]

Search.aic: 今までの報告の通りだと思います。

[SCP-4300-JP-Aの外見が映し出される。Search.aicの報告との相違は見られない。]

Guide.aic: 紙をこちらにも見せてもらえますか?

Search.aic: はい。

[Search.aicによりSCP-4300-JP-A内部にあった紙が映し出される。印刷物だと思われるが、全体的に黒ずんでおり内容は読み取れない。]

Guide.aic: 端の方に、インクではなく手書きで何か書かれていませんか?

Search.aic: 本当ですね。(間)「ひいろのとり」と読めます。思い当たる節は?

Guide.aic: 少なくとも私は知らないですね。

Search.aic: 筆跡もぐちゃぐちゃです。

[死体の検分などが行われる。]

Guide.aic: ひとまず今までの情報の裏取りはできました。ありがとうございます。

Guide.aic: では道を塞いでいる岩を破壊して下に進んでください。

[Search.aicにより岩が解体される。]

Search.aic: 結構壁とか階段歪んでいますが、進みますか?

Guide.aic: 進んでください。

Search.aic: はい。

[Search.aicが慎重にSCP-4300-JPを下る。]

Search.aic: 湿度が上昇しています。

Guide.aic: なるほど?もしかしたら地下水脈などに当たっているのかもしれません。

Search.aic: ふむ。

[さらに10mほど降下する。水流らしき音が聞こえるようになる。]

Search.aic: 下の方に箱が見えるようになってきました。

Guide.aic: 迂闊に動き回ると危ない──

[突如Search.aic近くの壁が崩壊し、ドローンが巻き込まれる。直前の映像から水分によって脆くなっていた可能性が高い。]

[落下の衝撃でカメラの通信が途絶した。]

Search.aic: いった!

Guide.aic: Search.aic!何をしているんですか!

Search.aic: SCP-4300-JP-Aをいくつか壊してしまいました。骨だらけです。

Guide.aic: 戻れそうですか?

Search.aic: わかりません。ただすごく嫌な(間)予感がします。

Guide.aic: ところでカメラが見えないんですが、壊れました?

Search.aic: 私の視界は良好です、通信が切れた可能性が高いです。

Guide.aic: 了解です。周りの様子はどうでしょう。

Search.aic: 全体的に崩壊が進んでいます。箱の中身は今までのとあまり変わりませんね。

Guide.aic: 帰還を優先した方がいいかもしれない──

Search.aic: あかっ!

[Search.aicの意識の消失が確認される]

Guide.aic: Search.aic!何があったんですか!応答してください!

[これ以降Search.aicからの応答はなかった。Search.aicはロストしたとみなされた。]

<記録終了>

この探査を受け、SCP-4300-JPのリスククラスが再評価されました。収容違反が発生した際の被害を低減するため、サイト-8137に存在するオブジェクトの移送作業が行われており、完了次第調査が再開される見込みです。

補遺-4: Search.aicがロストしてから28日後、Search.aicの機能が回復しSCP-4300-JPから帰還しました。以下はSearch.aicへのインタビューログです。

<記録開始>

Interview.aic: インタビューを開始します。色々聞きたいことはあるのですが、まずは約1ヶ月に渡ってロストしていた理由をお聞かせください。

Search.aic: 紙に書いてある文字列を認識したら、赤い異空間に飛ばされました。見渡しても動いても何もありませんでした。

Interview.aic: 文字列、ですか。情報災害の線が濃そうですね。広めないように発言には気を遣ってください。

Search.aic: その異空間から脱出するには現実世界でその文字列を記述する必要があったので、少し変わった形で拡散するタイプのミームだと思います。認識する度に異空間に飛ばされてしまうので、SCP-4300-JPから脱出した時にはカメラを切って音波による位置把握を行いました。

Interview.aic: なるほど、では映像記録の取り扱いには注意しなければいけませんね。他に何か特筆すべきことは?

Search.aic: 異空間の中はほとんど何もなかったのですが、一つだけ、全長が50mくらいありそうな鳥がいました。

Interview.aic: 鳥ですか。

Search.aic: ただ大きさの割に非常にやつれていて、地面に寝転がり全く動いていませんでした。確実なことは言えないですが、餓死していたように見えました。

(重要度が低い部分を省略)

<記録終了>

音波による探索ではSCP-4300-JP内部に存在するとみられる情報災害の影響を受けない可能性が高いことがSearch.aicにより示されたため、音波を用いたドローン探査が行われました。調査の結果、Search.aicの報告に特段の問題は認められず、新たに付加すべき情報も確認されませんでした。SCP-4300-JPの内部に崩壊の危険性が認められたため、SCP-4300-JPの追加調査は内部に大規模な変化が発生した場合に限って実施することを決定しました。

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