アイテム番号: SCP-4344
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-4344は現時点では直接収容を必要としません。SCP-4344の衛星写真は適切に改変されます。SCP-4344が別の小惑星に接近した場合、天文学資産が相応しい偽情報作戦を行うものとします。
説明: SCP-4344は内側をくりぬかれた大型小惑星で構築されている金属製宇宙船であり、現在は小惑星帯を周回しています。
SCP-4344は長さ約4.9km、幅2.8kmで、主にイリジウムと鉄の骨組みから構成されています。鱗のある爬虫類の生きた皮膚(厚さ4m)が骨組みを被覆し、シームレスに金属部品と結合しています。放射年代測定で、金属は6,400万年±200万年前のものと推定されています。
SCP-4344の正面はティラノサウルスの頭部に似た形状に彫られ、眼窩からチューブが突出しています。SCP-4344の後部には単一の巨大なスラスターがあり、周囲をより小さなスラスターが取り巻いています。これらのスラスターはSCP-4344の中心にある空の円形チャンバーに接続されています。
無人探査機を介したSCP-4344の探査で、船内には2ヶ所のエアロックがあり、通常は窒素70%、酸素28%、その他の気体(主にアルゴンと二酸化炭素)2%の内部大気を維持していると明らかになりました。
SCP-4344の艦橋は床面積およそ4km2で、それぞれ一連の制御メカニズムを備えた3ヶ所のデッキが設けられています。結晶構造の球体が船首にある石造りの台座の上に浮かび、SCP-4344の内部、状態、周辺環境のホログラム映像を放出しています。大きな長方形の石板が台座に固定され、おそらくは数字と思われる赤く発光する10桁のシンボルが表示されています。
SCP-4344の最下層は格納庫の役割を果たしており、黒い石で構築された小型の1人乗り宇宙船が数種類存在します。これらの宇宙船は翼竜に似た形状で、天井の低いコクピット、大きく薄い翼、装飾的な頭部を有します。遠距離プラズマ兵器と各種のミサイルが機体側面に並んでいます。機体のタイプはそれぞれ異なる種のSCP-4344-1に対応する大きさです。格納庫に宇宙船は27機しか存在しませんが、最大1,190機分のマークされた駐機スペースがあります。
SCP-4344の機内各所には9,500体以上の居住者、以下SCP-4344-1が存在します。全てのSCP-4344-1個体は、より器用な動きが可能である手と前肢を除いて、パキケファロサウルス、トリケラトプス、アンキロサウルス、ティタノサウルス、ティラノサウルスなどの様々な白亜紀後期の恐竜とほぼ同一です1。このうち529体はSCP-4344の主橋部に位置する死骸です。分析は換気システムの損傷によって窒息死した可能性を示唆します。
残りのSCP-4344-1は、半透明の黄色い樹脂で満たされたガラスと青銅のカプセルに個別に収められ、活動停止状態で生き続けています。各カプセルに固定された滑らかな黒い石板に、幾つかの渦巻く線と記号が発光するマゼンタ色で表示されています。
発光する色付きの宝石で作られた大きな壁画が、SCP-4344の各所に存在します。
補遺4344-01: 注目すべき壁画番号 | 場所 | 説明 |
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002 | 居住区の中心 | 宇宙から見た地球。大陸の配置は白亜紀後期と一致する。 |
014 | 艦橋 | 2頭の獣脚類恐竜(黒と青)の様式的な図画。どちらも剣を振り上げている。 |
021 | 機関室 | 半分は地球に接近する火球を描写している。もう半分は印章を囲む数頭のアンキロサウルスを描写している。 |
029 | 砲塔の近く | 1頭のテスケロサウルスが火球の上に立ち、特大の剣でそれを刺し貫いている。 |
032 | 中央ホール | 地球から飛び立つSCP-4344。1頭のパキケファロサウルス科恐竜が工具を持ち、手を振っている様子が伺える。 |
035 | 格納庫 | 赤い円。亀のようなシルエットが上に重ねられている。 |
040 | 艦橋 | 顔がある月のような大きな物体と向かい合うSCP-4344。月とSCP-4344はどちらも明白に敵対的な表情に彫られている。 |
041 | 艦橋 | 大規模な爆発によって、月のような物体が多数の断片に砕け散る様子。 |
補遺4344-02: 2023/04/28、SCP-4344は別の小惑星である951 ガスプラに向かって漂流しました。SCP-4344に設置されたカメラは、幾つかの補助システムが再活性化し、スラスターの中核チャンバーが発火して小さな星のように見える物体を内部に形成する様子を映していました。
SCP-4344はガスプラに向かって加速し、正面から銛のような器具を幾つか射出して小惑星を捕らえました。SCP-4344はその後、機体表面のプラズマ砲を発射し、口を開いて小惑星の残骸を吸収しました。
ガスプラが完全に破壊されると、SCP-4344は補助スラスターで向きを再調整した後、メインスラスターを稼働して急加速しました。財団が行った軌道計算で、SCP-4344は18ヶ月以内に準惑星ケレスの軌道と交差すると予測されています。
攻撃とその後の操縦の間、保存されたSCP-4344-1個体のうち数十体がカプセル内で痙攣したり、急に動いたりしました。艦橋では、黒い石板に表示される赤いシンボルの最後の1桁が変化しました。