SCP-4360。
アイテム番号: SCP-4360
オブジェクトクラス: Safe (Euclid指定保留中)
特別収容プロトコル: SCP-4360が存在する森では、森林警備隊員を装った最大2名の警備員が巡回を行います。民間人がSCP-4360の10m以内に接近しようとした場合は、絶滅危惧種が周辺地域に営巣しているというカバーストーリーの下に、警備員によって退去させます。
SCP-4360の実験には財団が承認したDVDのみが使用されます。
説明: SCP-4360はワシントン州ベインブリッジ・アイランドの森に生えている1本のレッドアルダーの樹1です。SCP-4360はテレビ及びDVDプレイヤーと機能的・審美的に同一ですが、依然として非異常なレッドアルダーと同じように太陽光と栄養分を必要とします。
非異常なDVDを挿入すると、明白にそれと分かる電源が無いにも拘らず、SCP-4360は番組を再生します。しかしながら、SCP-4360で再生される番組は大抵、何らかの形で樹木を中心テーマとするものへと改変されます。時折、番組の題材に応じてその内容を批判または称賛する英単語も画面上に表示されます。
SCP-4360で番組を視聴した人物は時折重大な感情の変化を報告することがあり、これは通常SCP-4360に表示された番組内容への批評と関連します。これらの異常な効果は永続的ではなく、対象者が番組を再生中のSCP-4360を直接視線に収めている間だけ持続します。
補遺 4360-01: 以下は、SCP-4360によって改変され、キャロライン・フリーモント研究員が視聴した番組の抜粋リストです。
| 番組 | 原資料からの改変 | 批評 | 感情的反応 |
|---|---|---|---|
| ローカルニュース放送の録画。 | 全てのニュースが環境保護、とりわけ国有林や湿地の保全に関わるものになった。天気予報のコーナーでは、郡全体の気象ではなく、気象が森林の動植物に及ぼす影響について取り上げられた。 | 無し。 | 無し。 |
| 前回の実験と同じ録画。 | ニュース内容の改変は前回同様だったものの、番組全体が特徴の無い森の中で撮影されていた。 | “もう見た。もっと樹々。” | 被験者は番組を見ている間、放送内容に対する無関心と退屈を報告した。被験者は不安を覚え、実験を早めに切り上げたいという欲求を感じていた。 |
| “Scrubs ~ 恋のお騒がせ病棟” シーズン4の第3話2。 | 作中に登場する全ての俳優が、自律活動する樹木に置換された。また、番組のタイトルカードには“樹病完” [原文ママ] という文字が表示された。プロットはほとんど変化しなかった。 | “助けになる? 人々を助ける! それ良い! あなた助ける?” | 被験者は番組を見ている間、“自分の職務を果たすべきだという使命感”を報告した。 |
| 2005年のホラー映画 “Saw 2”。 | 映像全体が“樹々”という単語を表示するオフホワイトのプラカードに置換された。映画の音声は通常通りに再生された。 | “ダメ。人々を傷付けるはダメ。あなたは多分樹々モ [原文ママ] 傷付ける!” | 被験者は番組を見ている間、深い後悔の念を報告した。 |
| 1969年の月面着陸の映像 | 宇宙飛行士のニール・アームストロングとバズ・オルドリンは、巨大な樹木らしきものから現れ、アメリカ国旗を据え付ける代わりに、月の土壌を掘り返して1本の苗木を植える。苗木は数秒で成熟し、根が月面全体を覆い始める。 | “樹どこにでも行く…” | 被験者は映像を見ている間、畏敬と驚嘆の念を報告した。 |
| “ブルー・プラネット” シーズン1の第2話3。 | 海洋全体が巨大な樹々に置換されている。魚がまるで水中のように樹々の間を泳いでいるのが見える。時折、特定の樹々の枝が魚に伸びてきて巻き付き、樹皮に包み込んで幹に取り込んでいく。 | “ほとど [原文ママ] 森! ほとんど樹々!” | 被験者は番組を見ている間、“何かもっと重要な事が起きつつあるかのような”期待感を報告した。 |
| 2013年のドキュメンタリー映画 “Songs From The Forest”。 | アニメ調のハートマークが幾つか画面の周りに表示されたことを除いて、映像はほとんど変化しなかった。 | “そう! そう! それ樹々! そう!” | 報告によると、被験者は番組を見ている間、“暖かくて、愛されている”と感じていた。 |
| SCP-4360の記録映像。 | 変化無し。 | “私? あぁ…” | 被験者は映像を見ている間、何者かに見られているように感じたが、それに対して全く警戒を示さなかった。 |
補遺 4360-02: 20██年9月28日、フリーモント研究員は、自宅の木の枝から1枚のDVDが生えているのを発見したと報告しました。このDVDを分析した結果、非異常なDVDと機能的・審美的に同一であるものの、全体が木の葉と樹液で構築されていることが判明しました。
DVDの内容を確認したところ、SCP-4360の実験を行うフリーモント研究員を映した、ブレの多い約4分間の映像が収録されていました。映像を通して、SCP-4360の周囲の樹々がフリーモント研究員に向かってたわみ、彼女を枝で囲み、時には皮膚を穿刺していました。映像が終了するまでに、フリーモント研究員の全身は樹皮に覆われ、かつて足が存在した位置には根が生えていました。
映像の音声を更に精査した結果、正体不明の存在の声が検出されました。この声が発するフレーズは概ね“樹々を助ける”、“あなた樹”、“あなたは私が好き”に近似しています。当該DVDを視聴した被験者たちは、非異常なDVDプレイヤーで映像を見ている間、皮膚の下の搔痒感や、“面倒を見られているかのような”落ち着きを感じたと報告しました。SCP-4360を使用した実験は行われていません。
情報漏洩の恐れがあるため、SCP-4360のオブジェクトクラスはEuclidクラスに格上げ待ちとなっています。SCP-4360の実験は無期限に中止されました。住居に更なる映像が配送される可能性に備えて、フリーモント研究員は監視されます。









