SCP-4393
評価: +7+x
blank.png
cranee.jpg

着色・復元されたSCP-4393の画像。

アイテム番号: SCP-4393

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: 不要。事案1959/5/23を参照。

説明: SCP-4393は光沢の無い金色の紙で作られた知覚力を有する折り鶴であり、折り目部分を中心に摩耗や劣化が見られます。SCP-4393には飛行能力があり、大半の時間を折り鶴の作成に適した紙の捜索に費やします。SCP-4393は比較的に可動性の高い2枚の尖った翼を使って、紙を適宜折り畳みます。紙の厚さにも左右されますが、SCP-4393には器用に動かせる指が無いため、1羽の折り鶴を完成させるまでに2~5時間を要します。

SCP-4393が折った折り鶴は知覚力を宿し、SCP-4393-1と総称されます。SCP-4393-1個体には飛行能力があり、知覚力を得ると直ちに逃亡を試みます。全てのSCP-4393-1個体は紙と同一の物理的特性を有しており、故意・偶然の如何を問わず容易に破壊できます。

SCP-4393に直接触れる、またはSCP-4393-1個体を破壊する行為は、全てのSCP-4393-1個体から、財団職員を狙ったモビング1行動を特徴とする攻撃的な反応を招きます。しかしながら、体力が伴わないため、SCP-4393-1個体は1羽でも集団でも差し迫った危険を及ぼさず、容易に除去・収容できます。収容されたSCP-4393-1個体は、恐らくは脱出の試みとして収容室の壁への衝突を繰り返します。SCP-4393-1個体は引き起こされる損傷によって動けなくなるまでこの行動を継続します。

SCP-4393-1個体の作成を妨害されると、SCP-4393は収容下のSCP-4393-1個体と同じような自滅的行動を取り始めます。動きを制限する試みも破壊的な挙動を誘発し、しわの寄った部分を中心とする破れ目の発生や劣化の進行に繋がります。

SCP-4393は1955/12/25、書類からSCP-4393-1個体を作成している際に、ある研究員に発見・捕獲されました。1957/4/3時点で、3,958羽のSCP-4393-1個体がSCP-4393によって作成され、収容下に置かれています。

swarmm.jpg

着色・復元された事案1959/5/23の画像。SCP-4393-1個体の群れが写っている。

事案1959/5/23: 1958/5/23の19:55丁度に、SCP-4393が動かなくなり、恐らくは深刻な劣化によって無力化したことが確認されました。当時、SCP-4393は新しいSCP-4393-1個体を折っている途中でした。

無力化の直後、収容下の全てのSCP-4393-1個体が動きを止め、床に落ちる様子が観察されました。数秒後、全ての個体は震え始め、収容室の中心に飛んで凝集しました。

SCP-4393-1個体の群れは回転しながら加速し、一斉に激突することで収容室の壁を破りましたが、これによって群れの1/3近い個体が破壊されました。レベル3収容違反警報が発令されました。脱走した個体群はSCP-4393の所在地へと移動し、モビング行動で財団職員を鎮圧しました。

SCP-4393-1個体群のうち4羽が作りかけの折り鶴に接近し、完成させると、その折り鶴は即座に知覚力を取得しました。SCP-4393-1個体群は不活性状態のSCP-4393を中心に据えて再び凝集し始めました。この凝集が一瞬崩れると、複数のツルの鳴き声から成る大きな衝撃波が発生し、60m以内のあらゆる紙が瞬時に折り畳まれてSCP-4393-1個体に変化しました。

推定およそ20,000羽のSCP-4393-1個体で構成された群れは、依然として不活性状態のSCP-4393を後に残し、時速1,200kmで西方向へ移動し始めました。破壊された書類の大半はデジタルバックアップされていたので、実質的なデータ損失はありませんでしたが、財団の機密文書から作成されたSCP-4393-1個体が重大な情報漏洩リスクをもたらしたため、当該事案は即座にレベル7アルファ-1収容違反に引き上げられました。

財団の航空機5機が太平洋中央部の上空でSCP-4393-1の群れを迎撃し、約半数を破壊しました。生き残りのSCP-4393-1個体群は航空機へのモビング行動を開始し、3機が撃墜され、残る2機も深刻な損傷を受けて撤退命令が下されました。生き残ったSCP-4393-1個体群は飛行し続け、日本列島に向かっていることが確認されました。北海道のサイト-33は群れの接近を警告されました。

1/4以上のSCP-4393-1個体がサイト-33からの第2次攻撃を逃れて福岡県に向かいました。SCP-4393-1個体群は佐々木禎子2の埋葬地に集合した後、不活性化しました。全ての個体は回収され、民間の目撃者は記憶処理されました。当該事案は更なる問題なく隠蔽されました。

更新 SCP-4393: 恒久的な保管庫に移される前に、未知の人物が記した日本語の文章がSCP-4393の中から発見されました。内容は次の通りです。

千羽の鶴が貴女を救えずとも
更に千羽がいれば貴女を連れ戻せるでしょうか

彼らの憎しみが貴女を奪い去ろうとも
我らの貴女への愛は永久に続く

貴女が今居る所で幸福でありますよう
されど私は貴女にまだ隣に居てほしい

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。