SCP-440
評価: +12+x

アイテム番号: SCP-440

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: ████/6/19現在、存在するSCP-440の大部分はサイト-██の大規模原野観察ドーム (Large-Scale Wilderness Observation Dome、LSWOD) に位置しています。標準的なLSWODの安全手順が適用され、ドーム内に置かれた観察者や物品を取り出す場合には、SCP-440の完全な除染が行われます。最初に発見されたSCP-440の瓶 (以後SCP-440-Primeと指定) は現在、サイト-██の安全キャビネットに置かれています。

説明: SCP-440は細粒砂のサンプル (粒径約90μm) で、化学的には典型的な珪砂と同一です。唯一の相違点は、現在の重力とは無関係に、それが微小重力環境にあるかのように振る舞うという点です。SCP-440はラベルされていない小さなガラス瓶に詰められた状態で発見されました。おそらくSCP-440を他の物体に接触させないで保持するために、瓶は粘性流体で満たされていました。

SCP-440は他の砂サンプルにこの特性を付与し、SCP-440自体に変換することができます1。この変換プロセスは直接接触に基づくものと考えられ、圧縮空気を用いてSCP-440を未変換の砂サンプル内に導入することが必要です。元の砂からSCP-440への変換効率は不明ですが、元の砂の内、質量にして約30%は変換されないことが理解されています。

SCP-440が環境中で一定の濃度に達すると、SCP-440を基盤とした生態系の構築が始まります。あらゆるSCP-440ベースの物体は (知覚能力の有無にかかわらず) 重力の影響を受けないため、重力への抵抗手段を発達させる方向への進化的圧力は小さいものとなります。


実験記録

████/03/10: 実験ブース#6642で、圧縮空気ホースによって4Lの細粒砂に2gのSCP-440が注入されました。

████/03/18: 砂からSCP-440への変換が終了。約1.2Lの砂は未変換です。小さな (0.5-1 cm) 塊状のSCP-440が出現し、ブース内をあてもなく漂っています。

████/4/31: 実験環境を実験室#6135に拡大する要請は、O5-█によって承認されました。細粒砂12Lが実験室に追加されました。

████/5/10: 3Lの細粒砂は未変換です。より大きな岩 (平均10cm) が漂い始めました。SCP-440ベースの生命が初めて発見され、SCP-440-1と指定されました。SCP-440-1 (口語的に"dustbugs"(塵虫)と呼ばれる) はややブラインシュリンプに似た6cmの実体です。SCP-440-1個体は、その粗い「歯」を用いて岩の一部を剪断して消費します。SCP-440-1個体の調査では、全身が未分化のSCP-440から構成されることが判明しました。実験環境を動物収容室#42に移すことが承認され、室内には██Lの細粒砂が再播種されました。

████/6/7: 浮遊する岩 (平均41cm) が室内の大部分を満たしています。SCP-440-1の個体数は劇的に増加しましたが、SCP-440-2と指定された新たな実体の出現によって増加は停止しました。SCP-440-2は全長75cmの岩でできた頭足類に似た実体で、触手を用いて体を押し出すことで移動しています。この実体はスタッフから"Rocktopods"(岩タコ)と呼ばれています。様々な議論の後、O5-█は環境の拡張のため、動物収容室#42をサイト-██の未使用の大規模原野観察ドームに移すことを命令しました。前回と同様の方法で、およそ[データ削除済]の細粒砂がドーム内に投入されました。

████/9/19: 環境中の岩の大きさは平均6m。SCP-440-1と-2の個体数は増加したと見込まれています。過去1週間にわたり、4個体の頂点捕食者、SCP-440-3 ("Sandsnakes"(砂蛇)) が確認されました。SCP-440-3は全長1.5 mのヘビのような体を持つ実体で、口は一般的な破砕機のような形状です。2個体のSCP-440-3は成熟する前に死亡しました (1匹は別のSCP-440-3によって、もう一匹はSCP-440-2の群れの攻撃によって)。生存個体はLSWOD内に縄張りを確立しました。SCP-440-3個体はSCP-440で構成されていることが想定されますが、SCP-440-3の攻撃性のためサンプルを得ることは困難だと判明しました。

████/10/08: 環境の拡大に関する要請はO5-█によって拒否。


追加情報:

SCP-440探査記録A - ████/6/7
SCP-440探査記録B - ████/9/10
Z███ J██████博士によるSCP-440の生態の詳細な検討 — ファイル処理中


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