アイテム番号: SCP-440-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 破壊と移設は特性の移動を招くため、SCP-440-JP-Aには警察官に扮した財団職員を2名ずつ配置し、8時間毎に交代して内部が無人になることを防ぎます。担当職員には警察官業務を行うために講義と実習を受けた人員が割り当てられ、一般警察官と同様の業務を行います。これには武器の携行も含まれるため、Dクラス職員の登用は出来ません。万が一、SCP-440-JP-A内から同時に2名以上の職員が離れなければならない場合、専用回線を用いた早急な人員手配を行ってください。有人時に発生するSCP-440-JP-EXTは専用チャンネルに転送され録音と記録が行われます。
現在、意図的にSCP-440-JPを発生させる実験は倫理的観点から認められていません。
説明: SCP-440-JPは██県██市の██署管轄内で発生する発信元不明の警察無線です。同市内の交番に指定されている1棟の建造物(以後、SCP-440-JP-Aと記述)の内部が無人の時のみに発生します。SCP-440-JPは男性と見られる声で存在しない現在は使用されていない警察車両番号と共に事件の概要1と場所(住所)、被害者及び加害者の外見的特長を伝えてきます。
これに従って事件現場とされる住所に向かうと、大抵の場合は事件が起きたようには見えません。しかしこの場合、数十秒~数十分後の範囲でSCP-440-JPが伝える外見的特徴と完全に一致した被害者と加害者が現れ、実際に事件が発生します。この際に介入することで未遂事件として解決が可能です。この後、SCP-440-JPが事件の顛末を尋ねる内容で発生し、それへ返答を行うと了解の旨でSCP-440-JPは無線を終了します。
SCP-440-JPは197█年頃から██署管轄内の犯罪を予知する謎の警察無線として同署内の警察官に噂話と僅かな体験談としていくらか知られていました。同署に潜入していたエージェントはこれを財団に報告しましたが発生事例の少なさにより、当初は超常現象記録として分類されていました。しかし200█年██月以降に発生が大幅に増加、原因究明の一環として、██署管轄内の無人交番2への立ち入り調査が行われました。そのうちSCP-440-JP-Aへの調査が「不法侵入事件」としてSCP-440-JPに発信された事から、両者の関係性が指摘され、調査と実験を経てSCPオブジェクトに指定されました。
補遺1: 20██年██月██日、SCP-440-JP-A内が有人にも関わらずSCP-440-JPが発生しました。██署へ潜入していたエージェントと無線を受けた警察官が該当住所に向かい約3時間周辺を捜索しましたが、被害者と加害者に一致する外見的特徴を持つ人物を発見出来なかったため、警察官に記憶処理を行い、無線内容をSCP-440-JP-EXTとして記録しました。その後も加害者の服装に関する内容にのみ変化を伴って発生したため、専用チャンネルへの転送を行う収容プロトコルが追加されました。
補遺2: 当初、存在しないとされていたSCP-440-JPが伝える警察車両番号は警察庁下の公式記録には存在しませんでしたが、SCP-440-JP-EXTについての調査中にかつては使用されていた可能性が発見されました。196█年██月██日付けの██新聞の紙面上の写真に同一の車両番号を持つ警察車両が捉えられており、該当記事の原版に使われた写真を調査したところ、改竄が無い事を確認されたため、該当車両の調査が進められました。その結果、対象は197█年██月██日に██署から廃車処分が申請されている事がわかりました。しかし処分を委託された業者には該当車両を引き受けた記録が残っておらず、当時の従業員複数名の証言内容からも処分が行われていない可能性が高いことから、現在まで所在不明であると結論づけられました。廃車処分が申請された日付はSCP-440-JPの体験談として確認される最も古いものにおおよそ一致します。
該当の車両番号を持つ警察車両が捉えられた紙面の内容は今現在まで未解決事件である一般的には[編集済]事件と呼ばれる誘拐殺人事件の初報です。SCP-440-JP-EXTが伝える住所の[編集済]事件の被害者の遺体発見現場との一致、被害者の性別の一致、被害者の外見的特徴が全てのSCP-440-JP-EXTで同一であることから、この事件の被害者ではないかと考えられています。しかし[編集済]事件の被害者は[削除済]の後、衣服を剥がれて遺棄され[削除済]と思われるため、遺留品が残っておらず確定へと結論付けることが出来ていません。
SCP-440-JP-EXTの加害者と一致する人物の捜索は現在、予定されていません。