
新しい箱に入れられたSCP-443
アイテム番号: SCP-443
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: その特性と脆さのため、SCP-443はツィーグラー博士のオフィス(セクター-28)内の施錠された引出しに保管されています。レベル1以上の職員ならばツィーグラー博士または彼の助手の許可の下で自由に利用できますが、要求内容によっては彼らの判断で利用を制限されます。劣化により、本来の外箱は記録6-██████としてアーカイブに保存されています。描かれた作品は全て使用者から回収してください。
説明: SCP-443はほぼ完全な16本セットのクレオラ製クレヨンで、各クレヨンはSCP-443-01から14と指定されています。外箱のシリアル番号は製造記録の中に存在しませんが、そのモデル(BS0366)は1997年から1999年の間に製造されていたものです。2本のクレヨン("青緑"と"紫")は失われており、SCP-443-05は2つに折れています(05aと05b)。SCP-443-09の反対側の端はSCP-529が関わった事件によって齧られて破損したため、対象はこの物品から遠ざけておくべきです。
SCP-443はカリフォルニア州の█████ █████から、アマチュア芸術家の███████ █████がその作用に気づき、超常現象研究家の助言を求めたことによって回収されました。クレヨンは元々█████の娘が数週間所有していたものですが、█████はそれを買ったことはなく、与えてもいないことを断固として主張しました。█████と彼の娘による全ての作品は没収され、記録6-██としてアーカイブされています。
SCP-443を用いて絵を描こうとした場合、その絵は未知の人物から直接発せられる"思考の流れ"を描いたものになります。使用者はクレヨンの使用を止めるまでこれに全く気付かず、描き終えた瞬間に初めて、自分の意図したものとは全く関係ないものが描かれたことを認識します。使用者は描画をいつでも自発的に止めることができますが、アイテムの特性に関する完全な知識を持っている場合でさえ、その瞬間までは何が描かれているかを認識することが完全に不可能です。使用者は、描画中に自身が何を描いているかについて説明することができます(しかし、ほとんどの場合はそれを"無意味な落書き"と説明し、特にSCP-443の作用を知っている場合にその傾向が強いです)。
ほとんどの場合、作品は所々に小さなアイコンや簡単な図を含む、思考の流れを書いた文章となります。何が書かれるかは使用者によって異なり、文章は使用者の母語で現れ、使用者がアルファベットを書くことができればそれも用いられます。絵の上手さは未知の要因によって変化し、使用者のいかなる芸術的技能とも関連しないようです。対照的に、筆跡はほとんどの場合使用者のものですが、思考から表出する感情がそれを歪めることがあります。
表現される思考は実際の人物が発するリアルタイムの"思考の流れ"であるように見え、実際に発生している事象(選挙の結果など)に言及しています。各クレヨンは特定の人物に対応しており、使用者がクレヨンを取り替えることは所定の時間に2人以上の人物が関与する状況を作り出します。これまでに、10-15時間に対応する思考が収集されています。回収の時点で既にクレヨンはある程度摩耗しており、最も頻繁に使用されるSCP-443-08は切れ端程度しか残っていません。
これまでに個人の特定につながる情報は収集されていません(全ての人名は未知のシンボルとして表現されます)が、関連する人物は友人、家族、同僚などの関係性で結ばれていると確信できる十分なデータが得られており、全ての個人は少なくとも他の1人に密接な関わりを持っています。全人物はオレゴン州ポートランドに居住しています。詳細は補遺を参照してください。
補遺:
分類番号と詳細を含む色のリスト:
- SCP-443-01 黒 — 彼自身の体重を気にしているダンサー。"白"の友人。
- SCP-443-02 青 — 元気のよい老女。"赤"と"茶"の地主。
- SCP-443-03 青紫 — 軽度の心気症で"黄"の患者となっている。"朱"の友人。
- SCP-443-04 茶 — 7歳の女の子。"赤"の娘、"黄橙"の友人、"薄桃"を敵視。
- SCP-443-05 薄桃 — "茶"と"黄橙"の同級生。不明な理由で"茶"を非常に憎んでいる。
- SCP-443-06 緑 — 工学系学生で、"橙"の本来の恋人。
- SCP-443-07 橙 — 小さな法律相談所のパラリーガル。"黄"のガールフレンドだが、"緑"に二股をかけている。"黒"の友人。
- SCP-443-08 赤 — 医療秘書。"茶"の母、"黄"の雇用主、"青"のテナント、"白"の友人。
- SCP-443-09 朱 — 中年女性。ある兵士の妻。"黄橙"の母、"青紫"の友人。
- SCP-443-10 赤紫 — "白"の食堂の常連。
- SCP-443-11 白 — "赤"の職場に近い食堂のウェイトレス。"赤"と"赤紫"の友人。
- SCP-443-12 黄 — 医師。"赤"の雇用者、"橙"のボーイフレンド、"青紫"の担当医。
- SCP-443-13 黄緑 — "白"の食堂のもう1人の常連。他人の会話に突っ掛かる癖がある。
- SCP-443-14 黄橙 — もう1人の7歳の女の子。"茶"の同級生で友人、"朱"の娘。