SCP-4448
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アイテム番号: SCP-4448

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-4448が生息する湖は5000Vの出力を有する電気柵によって包囲されます。柵とそれに最も近い湖縁の間には20mの距離が保たれなければなりません。外側のドアは有効な指紋の認証と4桁のパスコードのみによって開放され、領域に進入および領域から退出する際は即座に施錠されなければなりません。

説明: SCP-4448は、絶滅したシカ属の種Megaloceros giganteusの頭蓋骨を持つ異常に大きな人型骸骨です。体高2.5mで、黒色の羽毛のマントを着用して体を完全に隠し、頭部のみを露出させます。その枝角は先端からもう一方の先端まで3.65mの幅があり、ネイティブアメリカンのドリームキャッチャー1、クリスマスやその他祝祭日の装飾品、観光地のキーホルダーを含む、世界の多くの地域に由来する文化的に重要な種々の小物品で装飾されています。それに必要な器官が不足しているにもかかわらず、完全な発話能力があります。

SCP-4448はアイルランドの██████から0.5km北西の湖に生息します。一定期間を超えて無人の状態にすると、SCP-4448は意識を消失します。対象が湖に足を踏み入れると、SCP-4448は湖底から肩を出し対象に取引を持ち掛けます。SCP-4448はそのコレクションに加えるための小物を要求し、対象の提供したものを気に入ればその小物を枝角に吊るし、物語を共有します。実体が小物の提供を拒絶した場合、小物は湖底に沈み対象はその場を去るように要求されます。

物語は寓話のような構成で、人物を自我のある動物で代用し、しばしば明快な現代的教訓で締め括ります。対象はSCP-4448によって語られた物語に対しごく個人的な関連があるという感覚を報告します。これらの物語は対象の人生にかつて起こった実際の出来事にしばしば密接な関連があると思われます。大多数の対象は交換から学ぶものがあったと報告します。

SCP-4448との取引は対象1人につき一度のみ利用できます。実体は一度取引を行った対象をその数年後に認識する能力を示しました。SCP-4448は同一の対象に複数回接近された場合動揺する可能性があります。SCP-4448が刺激されると、湖の水温は150℃に上昇し暗赤色に染まります。この効果は当該対象が領域を離れて概ね25分から45分後に終息します。


補遺4448-A: 以下は実験対象とSCP-4448間で過去に行われた交換の報告です。

対象: ████ ██████博士

監督: ██████████ █████████博士

前記: ██████博士は近年肺がんとの闘病を続けており余命に確信がなく、それがここ数か月の甚大なストレスと不安を引き起こしていました。██████博士はこの事実をSCP-4448に述べなかったにもかかわらず、実体は██████博士の状況を認識していたようでした。

<記録開始>

██████博士: (水際に足を踏み入れる)

SCP-4448: そこの君、君と取引がしたいんだ。もっと近くにおいで、噛みつきやしないさ。歯がないんだからね。(くすくす笑う)

██████博士: (接近する)これでいいですか?

SCP-4448: うん、いいよ。えーと、何だったかな? (間を置く)ああ、そうだ、取引。僕はプロのストーリーテラーで、君のような悩める心を安らげるのに僕の物語が大いに役立つと約束するよ。うんうん、君の心には大きな不安があって、それはきっと君の呼吸する空気にもある。うん、ちょうど君のような人のための物語があって、これを君に教えないのはひどい仕打ちになるだろうね。お代に簡単なものを一つ頼むよ、僕のコレクションのための小さなガラクタを。キラキラしたものがいいかな? うん、小さくてキラキラしたもの。君の銀のチェーンはとてもよさそうだ。

██████博士: 取引を受け入れます。(銀のチェーンをSCP-4448の枝角に掛ける)

SCP-4448: うん、そうしてくれると思ったよ。さあ、これは2羽のウサギの物語だ。うん、2羽だよ。冬の季節が彼らに向かってひた走るとき、2羽のウサギは全く違うふうに備えた。うん、この冬がいっとう厳しいものになって、冬が来る前にやらなきゃいけないことがたくさんあるのを、どちらのウサギも知っていた。1番目のウサギはすごく心配がって、食べものを蓄えて温かい寝床を作ろうと、昼も夜も頑張って働いた。うん、このウサギはたくさんの夜を眠らずに働いて、働いて、働いた。でもね、2番目のウサギは冬のことはやきもきしなかった。結局、このウサギはこれまでたくさんの冬を越してきたんだ、たびたび食事を抜くことでね。うん、2番目のウサギは備えの仕事のことは気に留めず、代わりに陽気に騒いだり、踊ったり、秋の遊びにかまけていた。 でも、それでも冬が来て、そのとき、1番目のウサギは必要な分の3倍ためこんでいた。2番目のウサギは、冬の食料を集めるのが遅すぎた。でも夢にも思わなかったろう、うん、本当に夢にも思わなかったろうね、オオカミの群れがウサギたちの巣穴を掘り当てて、2羽とも食べてしまったんだ。うん、退屈と骨折り仕事で最期の時間を無駄にするよりも、気を抜いて贅沢な短い暮らしを送るほうがいいこともあるのさ、こういう最期の瞬間に起こることを君が知りえない場合は特にね。

Dr. ██████: ああ、その物語は確かに……(間を置く)目から鱗だ、あなたの言った通り。感謝します。

SCP-4448: うん、言ったでしょ、僕の物語が落ち着かない魂を鎮めるのに大いに役立つと。さあ、僕らは交換を終えた、君にはこの湖から立ち去ってもう戻ってこないようにお願いしなきゃならない。うん、僕と取引できるのは一人につき一度だけ。僕が忘れると思わないでね。

<記録終了>

後記: ██████博士はSCP-4448の語った物語に深く感動し、指示に反してSCP-4448と再び面会する要求さえも行いました。結果としてこの要求は財団により拒否されました。


補遺4448-B: 以下は対象とSCP-4448の失敗した交換の報告です。

対象: D-1473

監督: ███████ ██████博士

前記: D-1473はモルヒネ、メサドン、オキシコドン等の深刻なオピオイド依存に苦しんでいます。SCP-4448はこの事実を完全に認識しているようで、SCP-4448の脳活動を傍受する能力を示す更なる証拠となりました。

<記録開始>

D-1473: (ためらいがちに湖に踏み入れる)

SCP-4448: どうしてそんなに緊張しているの? 何が君をそんなにひどく苦しめているの? ねえ、あと何歩か近づいて。君にぴったりな治療があるよ。

D-1413: オーケー……(ゆっくりとより深くへ踏み込む)

SCP-4448: うん、これでいい。僕はね、悩める魂は語りによって最もよく清められるといつも信じていて、それはまさにこういう理由からなんだ──この湖に足を浸けたそれぞれの、そしてすべての人と物語を分かちあうことで、彼らをその旅路の先へ導くのを僕の使命にしたこと。奇妙なやつらがこの美しい静かな湖に柵を張ってから、ごくわずかな者しか訪れなくなった。うん、彼らのこんな悪行には腹が立つね。

D-1473: 財団のことを言っているのか?

SCP-4448: 彼らは自分のことをそう呼んでいるの? うん、自分勝手なやつらのための大げさな名前。よくお似合いだ。とにかく、何の話をしていたっけ? ああ、そうだ、君と物語を分かちあえるのがとても嬉しい。君がしょっちゅう耽溺している、控えめに言って悲惨な結末が伴う肉体の喜びよりも、僕の信じるものこそが君の心を満たすだろう。うん、僕が欲しいものはガラクタだけだよ、僕の増え続けるコレクションに加えるためのね。

D-1473: (ポケットを探る)そうだな……これは?(25セント硬貨を見せる)

SCP-4448: なんて無礼な! 薄汚い人間の銭が何の役に立つ? いや、何の役にも立たないね。僕は全くの無礼をはたらかれた、ここは僕の地なのに。いや、君はこの神聖な場所に一生戻ってくるな。いや、君のようなやつは僕の物語を授けるに値しない。

D-1473: (湖の水温が上昇し始めるとともに急いで湖を出る)

<記録終了>

後記: 収容下の状態が長引くにつれてSCP-4448は苛立ちを募らせているようです。過去の数か月に比べ、提供された物品を拒絶する場合が有意に増加しています。SCP-4448は収容を脱するいかなる試みも行っていないため、収容プロトコルは変更されません。


補遺4448-C: 以下は過去に交換を行った対象と再度面会した際にSCP-4448の示した反応の報告です。

対象: ████ ██████博士

監督: ███████ ████████████博士

前記: SCP-4448への再面会申請が複数回棄却されたのち、SCP-4448が苛立ちを募らせているという現在の特異的な状態で過去の対象にどのように反応するかを実験する目的で、██████博士の申請は最終的に受理されました。

<記録開始>

██████博士: (湖に足を踏み入れる)SCP-4448、あなたがくれた物語の多大な助けに感謝するために私はここに来ました。私は──

SCP-4448: いや、僕は自分が信じられないよ。██████博士、決して戻ってこないように丁寧にお願いしたこの湖に君が戻ってくる権利はない。いや、君がここにいるべき理由は何もないし、「SCP-4448」なんてそんな屈辱的な名前で呼ばれたくないね。

██████博士: 悪意はないのです、私はただあなたに感謝したくて──

SCP-4448: いや、ちょっとした指示に従うのは難しいことじゃないと思ったけど、悲しいかな、人間はまた僕の淡い期待を打ち砕こうとした。去れ、██████博士。

<記録終了>

後記: SCP-4448により引き起こされた急速な水温上昇は、██████博士の腰部から下全体のⅢ度熱傷を生じました。この日からSCP-4448は、新旧問わずいかなる訪問者にも全く反応を示しません。


補遺4448-D: 以下は実験対象とSCP-4448間で過去に行われた交換の報告です。

対象: D-2113

監督: ████ ██博士

前記: SCP-4448はD-2113と彼の恋人との暴力的でやや不安定な関係を完全に認識しており、過去の交換の事例と同様にそれを仄めかすのではなく率直に述べました。

<記録開始>

D-2113: なんで俺が湖に「入る」必要があるんだ? 服を濡らすために雇用されたわけじゃない。思うんだが──

██博士: 質問に答えている暇はありません。私たちの仕事ができるようにただあなたの仕事を果たしなさい。

D-2113: (湖に足を踏み入れる)はいはい。

SCP-4448: うん、知らない匂いがする。そろそろ頃合いだ。そこの君、取引をしようよ。

D-2113: 何の取引だ?

SCP-4448: 君が考えるうちで最高の取引さ。うん、確かにすばらしい取引だよ。僕は物語の語り手で、ちょうど君のための物語があるんだ。君の中に暗い家のようなもの、君の意思に逆らうものが見える。人間の心は壊れやすいものだ。うん、壊れないと思っていた絆でもたった2、3の言葉で壊れる。君の心と恋人との付き合いをとてもよく治せそうな物語を僕は持っているよ。

D-2113: どうやってそれを知った? お前は心を読んでいるのか?

SCP-4448: それは大したことじゃない。うん、本当に大事なのは君が取引をどうしたいかだ。僕がお願いするのはガラクタだけ。うん、ちょっとしたガラクタ1つだけで、僕の物語が永遠に君の人生を変える。

D-2113: (ポケットに手を入れる)ええと……(金色のストップウォッチを取り出す)これはどうだ?

SCP-4448: うん、すごくいいよ! さあ、君の物語に入ろう。うん、この物語は1羽の白鳥のお話だ。それはその土地で最も美しい白鳥の1つで、彼女は自分と同じくらい美しい夫を探していた。うん、彼女は池の一帯を、川の一帯を、湖の一帯を探し回った。最初に見つけた白鳥はとてもゴージャスな見た目だったけど、彼には知性とユーモアが足りなかった。彼女は残りの人生をこんな退屈で覇気のないやつとは過ごせそうにないと決めて、次の場所に行った。2番目の白鳥は全く他にはない輝くばかりの頭脳の持ち主だった。うん、彼は確かにそうだった。でも、最初の白鳥ほどの美しさに欠けていたし、彼の知性はユーモアのセンスを台無しにしていた。彼女は再び新しい夫を探した。3番目の白鳥にはすばらしいユーモアセンスがあって、彼女を笑わせるのに失敗したことはなかった。でも、ちょっと見た目がぱっとしなくてウィットが全く無かった。うん、3番目の白鳥のもとから移動したときには、繁殖期は終わっていて、彼女は全くすっかり孤独になった。ふとした思い付きで彼女が一人でいたとき、自分は美しいけれど、池の中で最も賢いとも最もユーモラスだとも言えないことに気がついた。うん、彼女のお相手たちは完璧ではなかったけど、それは彼女も同じだったんだ。完璧な人は誰もいない、それだけは確かだ。愛は恋人たちが失敗と妥協を喜んで受け入れるときにのみ育まれる。うん、これが本当に本当の愛なんだ。

D-2113: (咽び泣く)

<記録終了>

後記: SCP-4448は本来の状態に戻り、苛立つことがここ数週間と比して有意に減少しました。これは補遺4448-Cに記した事例以降に多数の交換が成功したこと、実体が直近の物品であるD-2113のストップウォッチを著しく気に入ったことが主な原因であると予想されます。


補遺4448-E: 以下は実験対象とSCP-4448間で過去に行われた交換の報告です。

対象: D-2449

監督: ██████ ██████博士

前記: SCP-4448は当時のD-2449に未発生だった重要な出来事を認知していたようでした。SCP-4448の予知能力の程度は現在不明です。

<記録開始>

D-2449: (湖に足を踏み入れる)おーい。クレイジーな湖の怪物ー?

SCP-4448: (湖底から現れる)君はちょっと失礼だな。

D-2449: (驚いて)なんてとこから出てくんだよ。

SCP-4448: それは問題じゃない。うん、大事なのは僕が君に持ちかけなければならない取引だ。

D-2449: どんな取引だ?

SCP-4448: 僕はストーリーテラーで、僕の物語は他にはないものだ。うん、僕の物語はとてもユニークな性質を持っている。すべての物語は聴き手に合わせてそれ専用に作るし、君にとってとてもとても重要な物語を特別に用意している。予言の物語を。うん、僕はこの物語を君と分かちあう義務があるだろうけど、お返しに1つお願いがある。うん、僕がお願いするのはコレクションに加えるためのちょっとしたガラクタだけ。

D-2449: (ポケットの中を探し回す)何だこれ……?(銀のドッグタグを見せる)これでどうだ?

SCP-4448: 完璧だよ。さあ、君のためのお話の時間だ。うん、これはキツネとウサギの物語だ。寒い冬がやってきたとき、キツネとウサギは2人ともかなり食べ物に困っていた。うん、ウサギは厳しい寒さの中で見つかるどんな草でも探さなければならなかった。そして、ウサギが草を探すとき、キツネなんかの天敵に近寄られないようによく気をつけなければならなかった。うん、キツネはそっとウサギの後をつけて、ウサギが油断するときの、襲いかかるのに完璧な瞬間を待った。一日中追い回した後で、キツネは小さなウサギをどうにかいいところまで追いつめた。うん、キツネはウサギを小さな洞窟の行き止まりに追いこんだんだ。キツネは獲物に近づくと、次の食事になるそれを最後にちらりと見て、そしてウサギに容赦なく歯を沈めた。うん、キツネはついに獲物をしとめたけど、彼の知らない間にね、彼が勝手に入ったその洞窟に住んでいたクマが、冬ごもりのためにちょうど巣穴に帰ってきたんだ。結局キツネはクマにはちあわせて、そいつに冬の休み前最後の食事を提供したのさ。

D-2449: あー、その物語は警告なんだな。

SCP-4448: うん、今はこの教訓が分からなくてもいい、でもその時が来たら、君はこの物語から価値ある教訓を学ぶことになるだろう。

<記録終了>

後記: SCP-4448との契約から4日後、D-2449は彼の恋人と密かに性的関係を持っていた親しい友人を銃殺しました。その翌日、D-2449に殺害された人物と強固な関係があった██████地域のギャング█████の構成員により、D-2449は撲殺されました。

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