アイテム番号: SCP-445
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-445への接触と実験は、レベル2以上のセキュリティクリアランスを持つ職員の認可を必ず得てからにしてください。要請の際はこれから行おうとする実験のリストを必ず添えてください。いかなる実験においても、常時2名以上の警備員と共に行ってください。実験リストからのいかなる逸脱も、実験の即時終了と厳しい懲戒に処せられます。
補遺: 20██年6月██日現在、隔離プロトコルIP-445-01の記載通り、SCP-445は、SCP-445-αのサンプルとは永続的に分割して保管されることになっています。SCP-445に対して定められた接触と実験についての上記の規則は、SCP-445-αにも等しく当てはまります。詳細は文章445-01を参照してください。
説明: SCP-445は11インチ×17インチの大きさ(訳注:約A3サイズ)の3つに積み重ねられた紙で構成されています。一枚ごとに右下隅に"ワンダーテインメント博士のスーパー・ペーパー"というスタンプが押されています。自然な状態である間は、SCP-445は燃えも破れもせず、水は何ら悪影響を与えず、糊やテープはSCP-445に引っ付きません。SCP-445の観察から、その繊維は3000 kg/m3の普通紙の繊維よりも密度が濃く、個々の繊維は正体不明の物質からなるミクロの層で覆われています。
SCP-445が何かを表現して折られた時、SCP-445はその物の性質を受け継ぎます。折られている状態では、SCP-445はそれを折った人によってのみ元の状態に広げて戻すことができます。SCP-445は丸めることもでき、わずかな圧力を加えることによって、その状態を保持し続けます。折られた/丸められた物が示すいくつかの場合を除いて、SCP-445上で絵を描いても異常な効果は見られません。
SCP-445-αと呼ばれるSCP-445の変形は、SCP-445のサンプルをSCP-073に触れさせることで、20██年6月██日に生み出されました。物理的に、SCP-445-αはSCP-445とほぼ同一であるようですが、唯一の違いはSCP-445-αのわずかに赤みがかった色合いです。しかしながら、折る時にSCP-445-αはSCP-445とは違った振る舞いをします。(詳細は文章445-01を参照してください)
補足: 10/15:█████博士の実験記録:
折った物: 紙の筒 - 片方から覗いてみると、SCP-445は25フィート先までよく見える手持ちサイズの望遠鏡となった。
折った物: クリスマスツリー - 真っ直ぐ立てると安定した。緑と赤のライトを木の上に引いた時、物理的な光源の欠如にも関わらず明るく輝いた。
折った物: 小さなナイフ - 非常にしっかりとして鋭くなり、調査員が持ってみると紙を切ることができた。本来の特質に反して、事実上金属製の武器の特質を持つ。
折った物: 円錐状の紙の筒 - メガホンになったが、折った者の声のみ拡大した。側面に音量調整器を描くと、折った者はメガホンから出る音量を変更することができた。
折った物: 紙コップ - とても硬くなった。裂けたり溶けたりの兆候が無ければ、非常に熱いまたは揮発性の高い液体を持つことができる。
折った物: 折り鶴 - SCP-368のように生きていて、速度は遅く容易に捕まえることが可能。この二つのSCPの関連について調査を強く推奨。
折った物: 紙のボート/帽子 - 水の上に浮かべると、最高速度60km/hの自航式ボートになった。逆さまにして頭の上に置くと、対象の肉体的なかっこよさが、見る者の目にはとてつもなく増大したように映った。両方同時に実行してみると、両方の効果が現れ、水の上でひっくり返ってぐるぐる突進している間中'死んだように美しい'('dead sexy')ように見えたと対象は報告した。
折った物: くしゃくしゃにした紙の束 - [データ削除済]三名のDクラスの死者が出た。実験はそこで終了。
折った物: SCP-682のコピーの折り紙 - 折るプロセスの半ば頃で命を持ち、G博士に相当な怪我をもたらした。実験はそこで終了。
注意:二度と挑戦しないように。 - G博士
補足:20██年6月██日:S████博士はSCP-445のサンプルとSCP-085をつなぎ合わせる実験の許可を申請。彼はまた、接触によって普通紙を破壊するSCP-073の能力がSCP-445に及ぶかどうか調べるため、SCP-445のサンプルをSCP-073に触れさせる実験の許可も申請した。
文章445-01:
20██年06月██日:SCP-073の同意のもと、SCP-445への接触実験は許可された。SCP-073は一枚のSCP-445が置かれた部屋に入り、紙に触るように指示された。SCP-445のサンプルはSCP-073の接触による構造保全の喪失をまったく見せない。しかし、SCP-073との接触から約30秒後、わずかに赤みがかった色合いへとサンプルの色が変化した。変質したSCP-445のサンプルはSCP-445-αと名付けられた。S████博士はSCP-445の物理的、化学的組成についての継続調査を強く推奨する。SCP-445-αは潜在的な相互汚染を未然に防ぐために、SCP-445とは隔離して保存された。
20██年06月██日:一枚のSCP-445をSCP-445-αと接触させた。SCP-445は最初の接触から90秒後にSCP-445-αと同じ色へと変化した。接触からおよそ600秒後にSCP-445のサンプルは物理的にも見分けがつかないほどSCP-445-αと一致した。SCP-445とSCP-445-αの相互汚染を防ぐため、隔離プロトコルIP-445-01が正式に確立された。
20██年07月██日:八枚のSCP-445をSCP-445-αと接触させた。以前と同じ反応が起こり、我々が保持するSCP-445-αは合計10枚となった。S████博士によってSCP-445-αの実験が開始され、10/15/████の実験結果と比較する形で実験要綱が作られた。実験を行ったのは█████博士とG博士
折った物: 紙の筒 - 片方から覗いてみると、SCP-445-αは25フィート先までよく見える手持ちサイズの望遠鏡となった。しかし望遠鏡を覗いた対象は、それを通して見えるものがどうも"離れて"見えるようだと報告した。詳細に報告するよう求めると、対象ははっきりと見える範囲の問題も明確に述べることはできず、ただ望遠鏡を通して見えるものが"不吉に"見えるという事だけを言及した。
折った物: クリスマスツリー - 真っ直ぐ立てると安定した。緑と赤のライトを木の上に引いた時、物理的な光源の欠如にも関わらず明るく輝いた。実験結果はSCP-445のそれと同一。
折った物: 小さなナイフ - 非常にしっかりとして鋭くなり、拾おうとした対象は全員が怪我をし、ついには対象D-████の右人差し指の指節間関節付近を切断した。結局、強化手袋をつけた対象がSCP-445-αを元の状態まで広げることで、事態が収まった。
折った物: 円錐状の紙の筒 - メガホンになったが、折った者の声のみ拡大した。全てのケースにおいて話者の声は同一のものだと認められるものの、拡大された声は聴者をして"悪魔の唸り声"("demonic growl")と表現するほど著しく歪曲した。側面に音量調整器を描くと、折った者はメガホンから出る音量を変更することができた。
折った物: 紙コップ - とても硬くなった。裂けたり溶けたりの兆候が無ければ、非常に熱いまたは揮発性の高い液体を持つことができる。しかし、カップに注がれた水のサンプルは、接触から15秒後に不透明なえんじ色に変化した。生成された液体に対する化学分析の結果、大量のヒト・ヘモグロビンとその他の血液成分を含むことが判明した。カップに注がれる他の液体(50mM1以上に濃縮した水性溶剤含む)はこのような変化を示さなかった。
折った物: 折り鶴 - SCP-368のように生きていた。サンプルは攻撃的かつ縄張りを守るような振る舞いをし、繰り返し研究者を"急降下爆撃"("divebombing")し、"翼"と"クチバシ"で攻撃してきた。結果軽いけがを引き起こした。折り鶴を捕まえて押しつぶすことで"殺した"後、サンプルは元の形へと戻された。
折った物: 紙のボート/帽子 - 水の上に浮かべると、最高速度60km/hの自航式ボートになった。またサンプルは攻撃的な振る舞いをし、近くの対象物へ"突き立て"ようと繰り返し試みて、水の外へ飛び出ようとさえした。逆さまにして頭の上に置くと、対象は不規則な動きをし始め、研究者と保安要員を暴力で脅してきた。対象は終了した。
これらの結果を受けて、S████博士はSCP-445-αのこれ以上の実験を中止することを決定。この調査結果についての質問に、SCP-073はコメントすることを丁重に断った。
注意: この結果を踏まえた上で、私はSCP-445のEuclidクラスへと再分類されることを正式に要請します。 — S████博士