SCP-4472
評価: +4+x

アイテム番号: SCP-4472

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 機動部隊エータ-88("墨猟犬")が世界中の主要な辞書出版社、倉庫、配送センターを監視します。辞書の個人的なコレクションは展示会やその他イベントを監視して評価されることになっています。潜伏エージェントが、十分に確立された辞書に新たな単語が挿入されるプロセスと、SCP-4472に感染した物品の進行中の印刷部数を調査します。初期段階のSCP-4472は影響を受けた部分を削除して処置することができます。後期段階のSCP-4472を含むメディアは直ちに焼却されます。

GRIHシリーズのWebクローラーにより、オンライン辞書、ヘルプサイトや、その他テキストリポジトリ上のSCP-4472実例を特定し、除去します。後期段階のSCP-4472感染の痕跡を除去することも副次的な目的の1つです。このコンテンツに関係して頻繁にフラグされる個人は逮捕、尋問の後に記憶処理されます。そのような個人の記憶処理後の勾留は、生体が関与する異なる媒体間での感染がないので、現在不要であると考えられています。

2045年12月10日 通知: 現在進行中の、SCP-4472の形成における正確な定義毎文字量の閾値の調査への予算増額が承認されました。調査結果は直ちに記録保全の最善慣行1に組み込まれ、外部の組織に伝達されます。

説明: SCP-4472は未知のメカニズムによって文字媒体内で増殖する異常性を持った単語で、辞書やそれに類するメディアのみから発生します。ラテン文字に基づいた全てのSCP-4472実例は'eittai'と現れます。他の全ての形式においても既存の音声的構造内で同様に音訳されているように見えますが、正確な発音を確立することは発音に関する情報の欠如により困難となっています。

観測されている全てのSCP-4472実例は定義を伴い、それは実例を、個別の事象の物理的、また感情的な要素を説明する単語であるとします。定義は、新たな定義が増殖し始めるまでは全ての出現した実例に反映されます。SCP-4472の定義の文面やテーマは、1999年の発見当初から著しく変化してきました。外的刺激を用いた実験は、長期的影響の不確実性のために2020年に放棄されました。

昨今の全てのケースにおいてSCP-4472実例は同一のパターンに沿って成長します:

• SCP-4472がSCP-4472-12実例内で増殖し、通常、メディアの構成に従って最も適当な項目を置き換えます。生成された文章は全て各SCP-4472-1実例の主要言語を反映します。
• その後、前後の項目がSCP-4472と付随する定義によって置き換えられます。全ての適当な項目が置き換えられるまでこのプロセスは続きます。その後、それまで影響されなかった文章(著作権情報など)がSCP-4472によって置き換えられます。
• SCP-4472-1実例の文面が完全に置き換えられると、存在論的障壁の局所的な崩壊によりその物理的構造が広範囲にわたり劣化します。実体の周囲およそ3.33 m3の球状の範囲も同様に影響され、期間は場合によりますが隣接する物体の結合を大きく損ないます。3

SCP-4472感染の後期段階における物体への影響は2044年9月に始めて観測され、その時から新しい実例において激しさを増し続けています。財団の言語学者による分析では、激しさを増す影響にも関わらず、言語の基礎的構造への損害は確認されていませんが、広範囲にわたる語彙の腐食の前にそのような損害が観測できるかは不明です。

補遺 4472-A(発見されているSCP-4472の定義の一覧):

各項目は記載されている発生日時順に並べられており、また必要に応じて翻訳されています。

1999年6月: 心臓の初めての10拍の鼓動の音。初めは強く、成否に不安。最後までには自信げになり、実在を確信。

2000年12月: 不安げな足元で初めて感じられた石の冷たさ。黒い海に飛び込むことほど恐ろしい。地球そのものほど屈強。

2003年1月: 正午から5分、窓台の花の枯死。落ちる花びら。曲がった茎。目の饗宴4から出て捨てられた骨々。

2007年11月: 狭い窓を通して見える日没の空の色。魅力的であり、同じ程不吉。

2019年2月: 落日からたなびく煙のきらめき。長く暗い。不気味かつ鮮やか。

2019年2月: 太陽の遂に来る衝突の雷鳴。爆音。一瞬。結末。

2019年7月: [定義は空白である。]

2020年6月: 盲目で、聾唖である存在の痺れ。肉体という牢。しなびた髪に絡まる指。

2022年8月: 何か月も身を置いたベッドの痛めつける柔らかさ。

2023年1月: 自由の安堵、肉体と魂の弱さだけに邪魔される。我が家の心やすさ、長々と続く葬儀に静められる。

2030年5月: 貧しさに満ちた高原の連帯感の心地よさ。魂が更なる苦難に備えて魂を牢固にする。3倍の苦難を加えようと磨かれた数多の手。

2035年3月: 苛酷な手により機械から放たれた時の太陽が描く軌跡の数多き反射。割れたガラスに射す光。濁った色をした制服に射す光。虚ろな目に射す光。

2039年9月: 雪に覆われ、寒さに保存され、冬の平原に横たわる五千の死体の臭い。

2041年5月: カモメにつままれ、塩に覆われ、塩気がする海岸に横たわる一万の死体の臭い。

2043年1月: 信じがたい石碑を目にした時の心臓の10拍の鼓動の音。5拍は現人神の塔への畏怖によって。5拍は崩れつつある彼らの大義を無視して。

2044年3月: 次の100万歩の予期も織り交ぜられた、100万歩にわたる登攀の苦痛。登りつつ戦う。登りつつ休む。登りつつ生きる。

2045年12月: 13の空席と13の未だ晴らされぬ恨みが並ぶ玉座の間の景色。

2045年12月: 鍵のかかった扉の、拳による殴打。

2045年12月: 鍵のかかった扉の、斧による破壊。

2045年12月: 鍵のかかった扉の、太陽による焼却。

2046年1月: 突破する行為。

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