SCP-4486

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公共でのイベントにおけるSCP-4486


特別収容プロトコル: SCP-4486は瞬間転移能力を有するため、現在未収容です。MTFカッパ-3 ("ハッピー・ヘルパーズ") はSCP-4486の監視任務に割り当てられ、SCP-4486の出現が予測されるイベントに目立たない形で参加します。

財団予算・財務事務局はドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティに年間100,000米ドルの寄付(支払いは四半期ごと)を行う団体の維持管理を承認しました。インフレーション率に基づく寄付額の調整は自動的に承認されます。

説明: SCP-4486は局所現実に対する限定的な遡及的操作能力を有する混成型思念体実体1です。SCP-4486の形成は一時的なものですが、その姿については「身長約2.2mで、企業ロゴが入った服を着たピエロのような身なりの人型存在」という描像が現在広く受け入れられています。SCP-4486はあらゆる全てのマクドナルドのフランチャイズ店、オフィス、所有不動産、マクドナルドのブランドと関連性を持つイベントに出現できる能力も有しています。

SCP-4486は度々、マクドナルドの販売促進活動やブランドの市場拡大を明らかな目的として出現しています。SCP-4486の能力の使い方として最も多いのは新たなフランチャイズ店舗を生み出し、局所現実の内部へ組み込むことです。この能力の副次的作用として、店舗の建設に関する記憶の偽造、地元コミュニティ内での宣伝広告、周囲の人間から数名が選ばれ従業員になるといった現象が発生します。従業員になった人物は就業を志願したこと、面接を受けたこと、またその職務についてどれだけトレーニングを積んだかということについて詳細な記憶を述べることができます。

回収された資料には、SCP-4486が初めて形成されたのは1955年であり、SCP-4486はモーリス・マクドナルドとリチャード・マクドナルド、そのビジネスパートナーであるレイ・クロックによってビジネス上の意思決定に関する顧問として雇われたと記されています。数年間企業理念に忠実であったSCP-4486は、1960年に現実空間に現れるのに十分な集合的現実を蓄え、ブランドの顔役となりました。マクドナルド社はSCP-4486の真の性質を隠すために俳優を雇うなど多数の隠蔽工作を講じました。

マクドナルド社による隠蔽は問題なく機能していましたが、1993年にマクドナルド店舗がサイト19の食堂に突如として出現したことで破綻しました。財団による調査が開始されましたが、SCP-4486の性質上、補遺1、2、3の出来事で手がかりが得られるまで能力を完全に解明することはできませんでした。


補遺4486.1: リチャード・マクドナルドの遺産管理団体から送られてきた手紙
1998年、財団の調査員の下へ死後間もないリチャード・マクドナルドの遺産管理団体から手紙が入った小包が届きました。小包にはマクドナルドの私的な友人にしてビジネスパートナーでもあったレイ・クロックからの手紙が納められていました。リチャードとその兄は数十年前に会社をクロック氏に売却していましたが、彼らは1984年にクロックが亡くなるまで意見交換やオープンなやり取りを行い続けていました。SCP-4486との関連性が明らかな手紙を以下に添付します。


補遺4486.2: リチャード・マクドナルドの遺産管理団体から送られてきた記録
先述の小包には「地下、1974」と書かれた白い無地のラベルが貼られたVHSテープも同封されていました。VHSテープの経年劣化と映像品質から、このテープは原本ではない可能性が高いことが分かっていますが、複製されたテープが何本存在しているのかは不明です。映像には、書斎で座っているリチャード・マクドナルドがSCP-4486の力を削ぐための試みについて話す様子が映っています。以下に文字起こしを記します。


補遺4486.3:
以下の通達文はマクドナルド社の取締役をはじめとする全役員に向けて内輪で発行されたものです。うち1部がリチャード・マクドナルドの個人資産の捜索中に回収されました。

宛先: 取締役各位
発行者: レイ・クロック


敬愛する取締役会の諸君

この偉大なる会社の創業者であるリチャード・マクドナルドとモーリス・マクドナルドの遺産管理団体は、当社の最も愛されているスポークスマンにしてマスコットキャラクターである「ドナルド・マクドナルド」の名を冠した慈善事業を設立することを強く望んでいます。マクドナルドという名前をレストランのみならず、この企業グループの全員が誇りに思えるような人道的行為や誠実な慈善活動の代名詞とすることがこの二人の偉人の希望なのです。

マクドナルド・コーポレーションの創業理念の1つに家族愛があります。家族を離れ離れにしてしまうような取るに足らない日々の出来事や多忙な活動を離れ、座り合って食事を共にすることができるように。一緒に食卓を囲み、シンプルでおいしい料理を食べながら、笑い合う。神の思し召すままに。

全ての子供達に幸せと温もりと人生のチャンスが与えられるべきであるというのがリチャードと彼の亡き兄モーリスの信念なのです。家族は共にあるべきです。我々が背中を押しさえすれば、ドナルドは助けを必要とする子供たちの希望の象徴となることができます。私達が彼を助け、導きさえすれば。

よろしくお願いします。



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