SCP-4511
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暫定サイト-4511の初期調査中のウェストリン主任研究員。


特別収容プロトコル: SCP-4511が存在する工場は財団によって買収され、暫定サイト-4511に指定されています。機動部隊パイ-1(“シティ・スリッカーズ”)が当該オブジェクトの収容および保安状況の管理に割り当てられています。SCP-4511から排出された全ての有機物は生死に関わらず内部へと返されます。

FILESERV注記: 本稿執筆現在、SCP-4511に関する調査は未だ進行中です。一部にエラーが存在する可能性があります。

説明: SCP-4511はアメリカ合衆国シカゴの放棄された精肉包装工場、ダンフォース精肉包装の地下室に位置する巨大な機械構造です。SCP-4511は外見的に家畜ブタ1に似ており、最も幅広の部分は約15m×25m×20mで、数年間の不適切なメンテナンスによって著しく酸化した鉄で構築されています。SCP-4511の主要な入口は、あらゆる燃料ラインや発火源から切り離されているにも拘らず、一定の活性状態を保っている大型溶鉱炉です。

SCP-4511の左側面には5cm幅のスリットがあり、一定の条件が満たされると、一連の指示が記載されたインデックスカードを印刷します。

回収報告:

██████████工場は当初、その地域におけるオカルト活動の通報への対応として、シカゴ市警に潜入していた財団職員により襲撃されました。彼らは地下室に居住していたオカルト崇拝者の一団から激しい抵抗を受けました。機動部隊イプシロン-9(“火喰らい”)がシカゴ市警を支援するために派遣されました。かつて工場に住んでいたカルト崇拝者47名のうち、負傷から72時間以上生き延びたのは1名のみでした。この人物が怪我の治療を受けている間、財団職員はSCP-4511の研究を開始しました。以下のカードはSCP-4511の内部に残された状態で発見されました。




現在の需要





僕自身の群れ。 - 満足



12時間ごとに、SCP-4511は同一のカードを生成しました。1965/01/24、工場襲撃の最後の生存者の死亡が宣言されました。同時刻、SCP-4511は新たなパンチカードを生成しました。




現在の需要





止め処無く回転する金属の歯。




期限





一週間。



SCP-4511研究チームは、このオブジェクトについて実験を行うよう要求しました。これは当初ウェストリン主任研究員によって却下されましたが、後ほどケレブ地域監督官によって撤回されました。

実験ログ:

実験1
需要 “この息も詰まりそうな牢獄の金属。”
提供 暫定サイト-4511内から集めた鉄スクラップの断片、57個。
手順 歯車は個別にSCP-4511に投入された。
結果 金属を噛み潰す音が2分3秒持続した。実験から3時間後、暫定サイト-4511の全ての歯車は急激な酸化プロセスを受け、著しく錆びた。SCP-4511自体は影響を受けなかった。
実験2
需要 “僕の凍り付いた関節を滑らせる油。”
提供 機械油の20リットル容量ドラム缶、3缶。サイト-12から移送。
手順 ドラム缶は主要開口部に投入された。
結果 低いゴロゴロという音が38分間聞こえた後、ドラム缶の残骸が排出された。SCP-4511はその後4分間激しく振動した。更にこの後、大量の錆びた鉄スクラップと、家畜ブタの大腿骨2本が排出された。
実験3
需要 “僕のかたちに作られた、肉で作られた、僕の子供、二匹。”
提供 家畜ブタの成獣2頭、番い。 (D-98123-SSD & D-98124-SSD)
手順 両方のブタは強制的にSCP-4511の主要開口部に押し込まれた。
結果 ブタは最初の炎の層を無傷で通過し、視界から見えなくなった。5秒後に甲高い鳴き声が聞こえたが、25秒後に止んだ。47分後、低いゴロゴロという音がSCP-4511から発せられた。
実験4
需要 “僕の子供たちの屍を吊るすために使われた鉤。”
提供 暫定サイト-4511で発見された肉フック、17本。
手順 フックは主要開口部に投入された。
結果 金属を噛み潰す音が20秒間聞こえ、11分間停止した後、球状の金属物体が高速で排出され、エージェント マクヘンリーを殺害した。マクヘンリーの遺体は主要開口部に投入された。
実験5
需要 “犬、一匹。まず僕は彼の最良の友人を、その次に彼を消費する。”
提供 ジャーマンシェパード、1匹。 (D-197231-CLF)
手順 対象は2回脱出を試みた後、沈静され、強制的に主要開口部に押し込まれた。
結果 鋭い鳴き声が約27分間聞こえた後、対象は主要開口部を通して排出された。55分後、7個の飛翔体が高速でSCP-4511から排出された。更なる検査で、飛翔体は歯 — 具体的には臼歯6本(イヌ)と犬歯1本(ヒト)であると特定された。
実験6
需要 “ラインの労働者、一人。”
提供 D-023492 (自然死済)
手順 対象は主要開口部に投入された。
結果 4秒以内に、SCP-4511は大きく噛み潰すような音を発した後、唐突にD-023492を排出した。熱による損傷と繰り返し負わされた鈍的外傷によって、対象の容姿は著しく損なわれていた。解剖時、対象からは幾つかの内臓が欠落していると判明した。
実験7
需要 “ラインの労働者、一人。”
提供 D-023547
手順 非協力的であったため、対象は電気ショック突き棒でSCP-4511への入場を強制された。
結果 叫び声が約2時間聞こえた。実験から34分後、人間の血液・ブタの尿・機械油・錆の液状混合物がSCP-4511の各所から漏出し始めた。これは46分間続いた後、唐突に停止した。ヒト由来の液体はウェストリン主任研究員と遺伝的に合致した。
実験8
需要 “工場の中で育った若者、一人。”
提供 [編集済]
手順 非協力的であったため、対象は電気ショック突き棒でSCP-4511への入場を強制された。
結果 [編集済]
実験9
需要 “僕の身の内に燃える炎の燃料。”
提供 暫定サイト-4511で発見された精製石炭、450kg。
手順 石炭はマティアス研究員とギルロイ研究員により、シャベルを用いた手作業で主要開口部に投入された。
結果 主要開口部の内部にある炎が約60%拡大し、マティアス研究員は死亡、ギルロイ研究員は負傷した。暫定サイト-4511はその後、3時間22分にわたって激しく振動した。振動開始から55分後、呻き声がSCP-4511の下から聞こえた。
実験10
需要 “偽の職長、君たちの信仰を証明するため僕の口中へ運ぶべし。”
提供 ウェストリン主任研究員
手順 対象は左大腿に9mm弾を撃ち込まれて無力化した後、SCP-4511の開口部へ運ばれた。対象は実験の途中に覚醒し、研究員らとの交渉を試みた。
結果 ウェストリン主任研究員はSCP-4511に消費され、叫び声が約4分17秒聞こえた後に停止した。詳細は事案4511.1を参照のこと。


事案4511.1: 実験報告書10を受け取った8時間後、これらの報告はサイトの保安体制侵害を示す可能性があるとして、ケレブ地域監督官は機動部隊イプシロン-11(“九尾狐”)に暫定サイト-4511襲撃を承認しました。

MTFボディカメラ 映像ログ転写

日付: 65/05/13

機動部隊: MTF イプシロン-11 (“九尾狐”)

対象: 暫定サイト-4511

チームリーダー: ε-1

チームメンバー: ε-2, ε-3, ε-4


[記録開始]

ε-1: 安全装置オフ。これより点呼を取る。1。

ε-2: 2。

ε-3: 3。

ε-4: 4。

チームは工場に縦一列で入場し、銃を構える。

ε-1: 主要製造フロアに研究チームの痕跡無し。地下室へ降りる。

司令部: 気を付けて進んでくれ。

チームは工場のフロアを横切って貨物エレベーターに乗り込む。

ε-1: スリー、君の腕の見せ所だな。

ε-3: イエッサー。

ε-3はエレベーターの配電盤に向かい、引き開けようと試みる。数秒引っ張った後、彼はカバーを開けることに成功する。配電盤の内部では、蝋のような物質の層が開き戸を封止していたことが判明する。

ε-4: これは… 脂肪?

ε-3: オエッ。

ε-2: きっと何年も放棄されてたからですよ。まだ操業してた時期にわざわざ掃除してた人がいたとも思えませんがね。スリー、修理できそうですか? それともここからはレミングの群れみたいに飛び降りなきゃダメですか?

ε-3: まぁ急ごしらえで何とかするさ。ちょっと時間くれ。

ε-3は配電盤の操作に数分費やす。不意に揺れた後、エレベーターはゆっくり下降し始める。

ε-1: よくやった。ここの連中がどうにか移動させていない限り、SCP-4511はこの階の何処かにあるはずだ。

司令部: 武器の使用は自由だが、少なくとも2、3人ぐらいは生け捕りにしてもらえると有難い。

ε-1: 了か—

エレベーターが到着し、頭上灯が消える。

ε-2: スリー、あなたですか?

ε-3: 俺は照明のヒューズには触らなかったぞ。別の何かだ。

ε-1: 大した事じゃない。フォー、ここに来てドアを開けるのを手伝ってくれ。

ε-1とε-4は協力してエレベーターの貨物ドアを開ける。下層階の照明装置は完全に機能していない。

ε-1: 懐中電灯を点けろ。連中は何処かに潜んでいる。

チームは作業通路に向かい、2分間無言で進み続ける。やがてε-2が立ち止まる。

ε-2: ちょっと、スリー、まさか小便漏らしました?

ε-3: 何? 違う!

ε-1: 小便の中を歩いているようだ。

ε-1が通路の床を身振りで指す。床は黄色い液体の浅い溜まりに覆われている。

ε-4: やだもう、吐きそうな気分…

ε-3: おい、止せよ… 誰がこんな真似をしてるんだ?

チームの会話は、液体溜まりに落下する水滴の音に遮られる。チームは武器と懐中電灯を構え、天井に付着した肉質の成長物を照らし出す — 物体に開いた穴からは尿が漏れ出している。

ε-1: (静かに) 進み続けよう。誰か一人、アレから目を離さないように。

チームは先へ進み、ε-4が成長物を視界に留め続けるために最後尾を担う。チームは更に4分間無言で歩き、階段を降りる。

ε-1: 地下室に到着した。

司令部: [不明瞭]

ε-1: 接触が悪いようだ。繰り返す、我々は地下室に到着した。点呼を取る。1。

ε-2: 2。

ε-3: 3。

沈黙

ε-1: フォーは何処に行ったんだ?

ε-3: まさか… すぐ隣にいたのに!

ε-2: 引き返して探しますか?

ε-1: ああ。準備しろ。

チームは階段を3階層分引き返す。ε-4は踊り場で大の字に倒れており、無意識である。

ε-1: トゥー!

ε-2: はい!

ε-2は、右大腿部に大きな傷があるε-4への応急処置を開始する。ε-4はゆっくりと意識を取り戻す。

ε-4: 何が起きたか分からない。ちょっと前まで皆の後ろにいて… 次の瞬間には、ここで頭を抱えてる。

ε-1: エリア内に活動中の敵対的実体。反ミームの可能性あり。歩けるか?

ε-4: い — いえ。

ε-1: 銃を持っていろ、我々でない奴は撃って構わん。必ず戻ってくるからな。

チームは再び階段を降り、最下層で散会する。フロアの大半は様々な炉で埋め尽くされている。

ε-2: 前方に何かあります。

SCP-4511の投入口が部屋の最奥に見える。その隣には大きな山がある。近付いて見ると、小山は幾つかの白衣を着た死体で構成されており、それらの死体は全て著しく失血している。何者かが山の隣で床に座っている。

ε-1: 直ちに手を上げろ!

人影は立ち上がる — 研究者の制服を着た男性である。大きな火傷痕が右頬に広がっている。彼は何かを右手に握りしめている。

ε-1: 何を持っているか知らんが、手放せ。

不明な人物: 君たちが私をどう扱えると考えているにせよ、何程の事も無い。それができる事に比べれば何程にも及ばない。

ε-2: “それ”とは何だ?

人物は自身の背後、恐らくはSCP-4511と死体の山を身振りで指す。

不明な人物: 私は彼らの油を取ってそれに与えた、そして君たちからもまた取る…

ε-2: 脳みそを吹っ飛ばす前に5秒くれてやる、さっさと座れ。

不明な人物: 君たちは勝てないのだ! 君たちが私を殺せば、それが勝利する。そして君たちは決してそれを勝利させないだろう、何故ならば君たちはそれが誤っていると強く信じ込まされて—

ε-2は人物を頭部への単発射撃で終了する。鳴動音がSCP-4511から発せられる。ε-3が進み出て、人物が握っていた物を調べる — 小さな血塗れの肉片と、1枚の紙切れである。

ε-3: “僕への忠義を為す術を探し求める者から取った肉”。

ε-3は肉片を拾い上げ、SCP-4511に投入する。炎が唸りを上げる。

ε-1: おいっ! 何故そんな真似をした?!

ε-3: 分からん。

ε-2: さぁ早く。フォーを回収しなければ。あのままでは長く持ちません。

チームはフォーの待機地点に向かって主階段を再び上がる。フォーは微動だにせず、銃は彼女の隣に転がっている。

ε-2: クソッ!

ε-1: 脈拍を確かめろ!

ε-2は頭を振る。

ε-2: ありません。

ε-3: 畜生め。ワン、これからどうする?

ε-1は溜息を吐く。

ε-1: できる事は一つしかない。帰途に就くんだ。我々は脅威を終了したし、ケレブ監督官が緊急レスコン2チームを連れて外で待っている。

ε-2: なら行きましょう。ここの清掃には応援が必要です。

[記録終了]


文書4511.1:

予想だにしない状況のため、現在のSCP-4511収容・研究チームは最早任務を遂行できる立場にない。追って通達があるまで、私はSCP-4511プロジェクト主任研究員を務めるために地域監督官の地位を退く。このアノマリーは私たちの当初の評価よりも危険な存在であり、24名もの死者をもたらした。このような事件が再び起こってはならない。

敬具、
ケレブ主任研究員

事案4511.2: 事案4511.1の2時間後、SCP-4511は1枚のパンチカードを生成し、あらゆる活動を停止しました。SCP-4511の徹底的な検査で、炎に投入された可能性がある対象物や代替燃料源の痕跡は発見されませんでした。




現在の需要





僕自身の群れ。 - 満足



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