SCP-4520
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アイテム番号: SCP-4520

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-4520は通常は従順ですが、付随するサイコロで繰り返し大きな目を出し、脱走する可能性があります。SCP-4520との交流は最小限に留められるべきであり、食事に際して銀食器を提供することは認められません。即興武器としての使用を防ぐため、食品トレイは発泡スチロール製とします。最低1名の職員がSCP-4520のサイコロを監視し、高い目が出た場合は警報を作動させます。

最近の収容違反を受けて、新たな保安対策が追加されました。更なる収容違反の可能性を低減するため、SCP-4520の収容室には、外部からのみ開放可能な鋼鉄製スライドドアが最低7枚設置されます。また、SCP-4520には、現状に関連する鬱病及び不安障害に対するカウンセリングを施します。

説明: SCP-4520は20代後半の成人男性に似たヒト型実体です。SCP-4520は“ハイエルフ”を自称していますが、DNA検査結果は対象が完全にヒトであることを示します。SCP-4520は目に見える老化の兆候を全く示していません。鮮やかな赤い頭髪と、同年代の人間の大多数よりも大柄な体格を除いて、その容姿には極端に目立つ特徴はありません。

SCP-4520の頭上1m地点には、発光する大きなサイコロが常に浮遊しています。SCP-4520のみがこのサイコロと相互作用できますが、サイコロは必ず目に見えるように動き、状況が許す限りは固体物質をすり抜けようとしない傾向があります。平時のサイコロは20面ですが、変化する場合があります - この変化はSCP-4520の意志に基づくようです。サイコロが転がされると、その出目に対応する数字が最後に用いられたサイコロの上に表示されます。これらのサイコロはSCP-4520の行動の結果に影響を及ぼします。通常、SCP-4520が何かを攻撃する時には、20面サイコロが即座に転がります。

これらのサイコロは、出目に応じて、睡眠中に極端な速さで治癒する、ウェールズ語の変化形を話すといった様々な異常能力をSCP-4520に付与します。SCP-4520の能力は概して出目の大きさによって決まり、この点において複数の異常な影響を伴ないます (補遺4520.1参照) 。SCP-4520は最初に1つ以上のサイコロを振らない限り、ほとんどの行動を完了できません。

SCP-4520のサイコロは、確率を標準化された数字の集合として定量化するようです。SCP-4520はサイコロの動きに干渉する能力を持っておらず、結果は出目に依存します。典型的に、大きな数字は良好な結果をもたらし、小さな数字ではSCP-4520の行動が失敗する、もしくはその行動が不十分に実行される傾向があります。20面サイコロは基本的な“運”、とりわけSCP-4520が特定の行動を完了できるか否かに影響することが多く、4面サイコロはSCP-4520の体力の増減を左右します。

SCP-4520は通常、話しかけられない限りは沈黙していますが、時折“キャラを崩すな”と言う趣旨の文言を呟くことがあります。SCP-4520はこれらの独り言についての詳しい説明を拒否します。

補遺4520.1: 実験ログ これらの実験はSCP-4520の異常性とそのサイコロについて詳述するものです。用語“1d20+1”は、20面サイコロ1個が1回振られ、条件に応じた修正値が+1されたことを示します。

サイコロ1 サイコロ2 出目 出来事の説明
1d20 1d4 17, 2 SCP-4520は約100ニュートンの力でサンドバッグを殴る。
1d20 1d4 13, 4 SCP-4520はサンドバッグを殴って破り裂く。パンチの威力は約2000ニュートンと推定される。
1d20 N/A (第1投に失敗) 4 SCP-4520は錘付きのボクシンググローブを装着している。SCP-4520は新しいサンドバッグにパンチを当て損ねる。
1d20 2d4+1 20, 9 (5+4) 緑色の“20”という数字がサイコロの上に表示される。SCP-4520は極めて高速のパンチを2回繰り出し、留め金から外れたサンドバッグがジェイコブソン研究員を巻き込んで奥の壁に叩き付けられる。ジェイコブソンは重傷を負うが、命に別状は無い。
1d20 N/A 9 SCP-4520に向かってドッジボールが投げ付けられる。SCP-4520はボールを掴み取りかけるが、ボールが腹部に命中し、うずくまる。
1d20 N/A (第1投に失敗) 1 SCP-4520は怒った様子で、床に落ちたボールを掴み、研究員たちが覗き込んでいる観察窓に投げ付ける。サイコロの上に赤い“1”が表示され、SCP-4520は躓いて床に頭を打ち付け、脳震盪を起こす。
1d20 2d4 20, 8 (4, 4) 予定外の出来事。SCP-4520はサイコロで緑色の20を出し、収容室のドアを2回素早く殴り、ドアは蝶番からもぎ取られる。SCP-4520は収容違反する。
1d20 1d4 17, 4 サイトの警備員2名が電気ショック警棒でSCP-4520を鎮圧しようとする。SCP-4520は1人目の警備員の側頭部を殴り、気絶させる。
1d20 N/A 20 2人目の警備員は怯えた様子で拳銃を抜き、SCP-4520を威嚇して収容室に追い返そうと試みる。SCP-4520は接近し続け、警備員は発砲する。SCP-4520が回避すると、銃弾は金属ドアの残骸で跳ね返り、警備員の頭部に命中して殺害する。
1d20 N/A (第1投に失敗) 4 SCP-4520は2枚目のドアを殴り開けようとするが、パンチを外す。
1d20 N/A (第1投に失敗) 1 SCP-4520はドアを蹴り破ろうとして脚を骨折する。サイト警備員がSCP-4520を拘留し、医療処置を施した後、新しい収容室に移す。

補遺4520.3: SCP-4520へのインタビュー

ジェイコブソン: こんにちは、SCP-4520。脚の調子はどうでしょうか?

SCP-4520: 貴様も重々承知のはずだ! いずれ我が魔力で一人残らず粉砕してくれる! 私は… あー… 貴様ら全員を打ちのめすぞ?

ジェイコブソン: ええ、私もあなたの打ちのめし方はよく知っています。

SCP-4520: おお、そうか、貴様は私があのサンドバ - もとい、謎めいた赤き砂袋で叩き潰したあの汚らわしい“研究員”か。あれはこの忌まわしき施設で過ごした中では最高の一日だった。

ジェイコブソン: 成程、私の苦しみがそれなりの娯楽になったようで何よりです。では、質問に移ります。あなたの頭上にあるそのサイコロは何ですか?

SCP-4520: おい、どうなってんだ、ミーガン? なんでこいつらはダイスの話をしてる? お前の大好きなヘンテコ実験セッションの一環か?

ジェイコブソン: “ミーガン”とは何者ですか?

SCP-4520: ナイストライ、でももう面白くねえな。もうちょっとマシなDMをやったらどうなんだ? 俺に没入してほしいのか、それとも違うのか? 俺がダイスを振ってるのが見えてるとか言っといて、台詞のつもりじゃなかったとは言わせねえぞ。そういうシステムじゃねえんだからさ。

ジェイコブソン: えーと…

SCP-4520: ミーガン、ヘッドギアを外せ。この件を話し合う必要がある。

SCP-4520: 笑い事じゃねえんだよ、外せ!

SCP-4520: ミーガン?

研究員メモ: このインタビュー以降、SCP-4520の気質は顕著に悪化しました。SCP-4520は研究員と会話しなくなり、時折“ミーガン”という名の何者かに向けて、或いはその人物についての独り言を呟いてばかりいます。SCP-4520と“ミーガン”の出自についての調査は進行中です。

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