SCP-4555
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アイテム番号: SCP-4555

オブジェクトクラス: Gödel1

特別収容プロトコル: 標準的な情報安全プロトコルを除き、SCP-4555は積極的な収容を必要としません。非異常科学の自然な発展により、高次世界情報を分析する方法が発見されると考えられているため、SCP-4555はExplainedクラスへ再分類される予定です。

SCP-4555-Aの継続的な監視は、財団の高次世界存在研究班[原文 Meta-Universal Ontologics Research Group](MUORG)によって行われます。これは、収容に関する彼らの意図に変化が起こらないことを保証し、研究することを目的とします。

説明: SCP-4555は、本質的に超多元宇宙的 [原文 extra-multiversal] 2で、既知の全ての生命における遠い将来の時系列の一つの可能性を示しています。また、SCP-4555はSCP-4555-A,B,Cで構成される集合体です。

SCP-4555-Aは、私たちの多元宇宙を形成するための初期条件を作成した、一種の超多元宇宙的知能です。

SCP-4555-Aのメンバーは、多次元の非均一な有限グラフ構造に基づき、私たちのものとは大きく異なる種類の宇宙に存在します。SCP-4555-Aのメンバーは、人類の現在の能力をはるかに超える速度および量で数学的並びに言語学的推論を実行できることが証明されており、単一の人間の脳を5秒未満で分析、続いて流暢な英語を実演しました。

SCP-4555-Aの宇宙は、私たちの多元宇宙と隣接する宇宙3との間に存在する異常な情報の流れを調査した結果、財団のMUORGによって発見されました。この宇宙を査定した後、MUORGの研究者たちは、ここに何らかの形で高度な知能が存在すると判断しました。この観測により、SCP-4555-Bが出現しました。

SCP-4555-B4は、それまで発見されていなかった非バリオン素材で構成された立方体でした。SCP-4555-Bの片側は、SCP-4555-Aがリモートスピーカーとして使用する共振膜でした。発見直後、SCP-4555-AのメンバーはMUORGとの通信手段としてSCP-4555-Bを出現させ、MUORGからは地球外初動接触対応班のメンバーが参加しました。現在、SCP-4555-Bは存在しません。以下のログは、発見直後のSCP-4555-Aとの最初の接触の記録です。

<ログ4555-18: 開始 2018年4月6日,22時39分43>

[標準的なデータの整形と分析を行う単独研究作業中に、情報知能の専門家であるゴダード研究員がSCP-4555-Aを発見。彼が自分のチームに報告する機会を得る前に、SCP-4555-Bが出現し発声し始める]

SCP-4555-A: (単調かつ途切れ途切れな声で)正確にコミュニケーションをとるために認知分析を完了する必要があります。同意しますか?

[このメッセージに応えて、ゴダード研究員はチームリーダーに電話をかけ、デズモンド上級研究員がすぐにチームミーティングを招集。オブジェクトとの接触を許可をとるためサイト-107管理官に連絡する]

2018年4月7日,1時25分
[サイト-107管理官のブライアン・ニールは、状況をエリアの研究責任者に報告し、次にエリアの管理者に、最後に財団の地球外初動接触対応班に報告。チームはO5評議会の連絡係へ報告する]

2018年4月7日,3時24分
[O5評議会は、SCP-4555-Aとの接触に関する決議を10-2-1で承認し、初動接触対応班は面接官と記録官を支援に派遣する]

2018年4月7日,6時09分: 最初の連絡
[調停官とデズモンド上級研究員は、SCP-4555-Aとの通信を何回か試みましたが、応答は無かった。ゴダード研究員は、以前にSCP-4555-Bから要求された"認知分析"の同意を提示するよう求められる]

ゴダード研究員: 同意する。

[ゴダード研究員は、彼の頭蓋骨の周りに熱と圧力を感じているだけでなく、彼の内的独白を通して、信じられないほど速く異言的な言葉を知覚していることを報告する]

SCP-4555-A-1: (はっきりとした、無性別な声で)ありがとう、ゴダード研究員。私と仲間たちは、あなたが私たちの存在を発見したことに応じて、今日あなたに連絡しました。このインタビューを通じて、私たちとあなたとの関係についての情報を伝え、近い将来および遠い未来のあなたの種についてお教えしたいと思います。

[ゴダード研究員は、インタビュアーが会話を引き継ぐことを勧められる]

ゴダード研究員: 私より上の立場の者が、代わりにその情報を受け取ることは可能ですか?

SCP-4555-A-1: 可能ですが、あなたはここに居続けるようお願いします。

インタビュアー: ありがとうございます。この会話の間、あなたをどのようにお呼びするべきですか?

SCP-4555-A-1: 存在する実体のいずれも、一貫した命名を可能にする自己を持ちません。コミュニケーションを容易にするため、文書で既に意図されているように、E-23035-1からE-23035-9と呼んで下さい。

[E-23035は、正式な分類の前にSCP-4555-Aが一時的に指定されたものであった]

インタビュアー: ありがとうございます。続ける前に、一つ確認させて下さい。E-23035-1またはその仲間のどなたかが、地球、その宇宙、または周囲の多元宇宙に何らかの危害を加えるつもりはありますか?または、それらに重大な影響を与えるつもりはありますか?

SCP-4555-A-1: 地球、その宇宙、周囲の多元宇宙に害を及ぼす意図はありません。2番目の質問は、あなたの種族とその周辺環境に関する3次,4次の分析なしでは答えることは困難です。質問に答える手段として、あなたと情報の共有を続けてもいいですか?

インタビュアー: 分かりました、続けて下さい。

SCP-4555-A-1: ありがとう。まず、私と仲間たちの簡単な歴史をお話しましょう。あなたがたと同じように、偶然と、動的で永続的な自己編成された情報流をサポートできる宇宙の産物として、私たちは生まれました。情報を保存及び編集し、論理操作を委託し、これらの操作を解釈する機能を獲得しました。私たちは人間の技術に本質的に類似したシステムを採用し、数学を加速度的に開発し始めました。

この宇宙が持てるあらゆる知識を私たちの存在に組み込むのに、そう長い時間はかかりませんでした。

私たちは基本的に、数学を完全に理解しています_不完全であることを知るのに十分なほど。私たちはもはや本質的な事実を知ることができません。私たちは命ある生物としての進化の終わりに達したのです。

しかし、私たちが開発した技術で、私たちは知覚の進歩を続ける方法を見つけました。私たちは、多元宇宙の身内を超えて、永続的な現実の間の虚空に手を伸ばすことができました。

そこで、火花のようなものを作りました。私たちの数学が、"私たちに継承させられるタイプの生活に向いている"と私たちに告げた特性で、私たちは新たな宇宙を具現化しました。

これがその宇宙、より強固な知覚です。5人間とはこの類の知覚の1つで、あなたがたの数学は私たちの数学を凌駕するものではありませんが、既にあなたがたは私たちが理解できない概念を形成しています。あなたがたの芸術、価値観、形而上学、その他諸々は、私たちには解釈できません。あなたがたは、私たちの遺産なのです。

現在、あなたがたが属する局所多元宇宙的集団に封印を施しています。今はまだ、あなたがたは私たちが行ったことと同じことはできません。

あなたがた人類、またはそのような他の種が十分に進化したとき、この封印は取り除かれます。私たちの目的は、いつの日かあなたがたも私たちのように完全な存在になることです。そしてその時点で、あなたがたは自身の完全な知識を使って、あなたがたを継承させられる世界を作るでしょう。

終了報告書:
インタビューのこの部分に続いて、MUORGと初動接触対応班の共同チームは、多元宇宙間データ転送を介して一連のテストを実行し、SCP-4555-A-1の主張を確認しました。SCP-4555-Aは、近い将来に収容違反を起こす意図はありませんでした。

その他の幾人かのSCP-4555-A個体は、彼らが伝達可能である貴重な数学的情報、及びそれらの存在の性質とその宇宙の構造の詳細についてインタビューを受けました。

このインタビュー(全てのRAISAターミナルで、3/4555クリアランスを持つ職員がログを閲覧できます)の終了後、SCP-4555-Bは消失し、現在まで再出現は確認されていません。

SCP-4555-Bの消失に続き、MUORGによる監視及び研究プログラムは、SCP-4555-Cの発見に繋がりました。

SCP-4555-Cは、私たちのものと同様の特性を備えた超多元宇宙的空間であり6、空間固有の構造を変化させることが可能な形式の反復知能(SCP-4555-C-1と指定)を備えています。

SCP-4555-C-1は、空間内の物理的な存在ではありませんが、SCP-4555-Cを自由自在に編集できる、一種の霊的な"監督"知能として存在します。研究によると、これはおそらく、SCP-4555-Aと同様のプロセスを通じて、私たちの宇宙から収集された情報に応じて行われていることが示されている模様です。この編集プロセスの目的は現在不明です。

研究より、SCP-4555-Aは私たちの宇宙に加えてSCP-4555-Cを作成したと考えられていますが、これを確認するために連絡を取ることはできません。空間の分析は、外部との接触を遮断する一種の情報シールドと推定される障壁の存在により困難です。

SCP-4555-C-2と指定された実体は、SCP-4555-C-1の影響を受けないSCP-4555-C内の隔離された部分に存在します。SCP-4555-C-2の認識に関する情報記号は、SCP-4555-Aメンバーのそれと酷似しており、より強い自己構成要素の顕著な違い、及び人間のような感情を暗示する反応傾向の存在があります。また、SCP-4555-C-2は、空間内部に3次元での存在を維持しており、そのシルエットはツルダニ科のものに似た高さ15フィート [訳注: 約4.5メートル]の鳥です。

SCP-4555-Aとの接触が不足しているため、SCP-4555-Cの性質や、その内部に存在する実体に関する追加情報は得られていません。

補遺4555-1:
SCP-4555-Cの周囲の障壁を回避するための追加実験が失敗したことに続き、SCP-4555-C-2から発信された単一の短いメッセージがサイト-107のMUORG研究室に放送されました。

"実験室" [原文 "Test chamber"]

このメッセージは、SCP-4555-Cの機能に関するものと推定されています。SCP-4555-Cは現在、SCP-4555-C-1によって設計された一連のテストであると考えられており、おそらく人類がSCP-4555-Aが設定した障壁を解除するための基準を満たしているか否かを判断するためのものです。
詳細はイベントログ4555-18を参照して下さい。

補遺 4555-2:
2034年11月14日現在、SCP-4555-Aを発見できる技術は財団とは無関係に開発されており、異常技術の支援は行われていません。この結果、討議委員会が設置され、SCP-4555のオブジェクトクラスをExplainedへ再分類することを検討しました。

補遺 4555-3:
2039年4月13日から2039年4月28日の間、SCP-4555-C内部で一連の変化が発生しました。MUORGの研究者たちは、2人の人間7が未知の方法で宇宙に入ってきたことを発見しました。彼らはその後数週間をかけてSCP-4555-Cを通過し、SCP-4555-C-2を含む部分に到達しました8。その後、彼らはおよそ2時間静止し、2039年4月28日16時43分22秒の時点で、SCP-4555-C-2は、SCP-4555-C全体を消費する自己永続的な仮想宇宙の特異性を作り出しました。

補遺 4555-4:
補遺4555-3の一連のイベントの後、複数の情報源が独立して高次世界周辺の大幅な拡大を確認しました。これはSCP-4555-A-1によって告げられた"封印"の解除と一致しています。SCP-4555-Aは、我々とのさらなる接触を避け続けています。

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