SCP-4631
評価: +15+x
アイテム番号: 4631
レベル3
収容クラス:
euclid
副次クラス:
none
撹乱クラス:
keneq
リスククラス:
notice

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運行中のSCP-4631。

特別収容プロトコル: SCP-4631は物理的に収容できず、その異常特性は外部から視認されないため、公的機関としての活動を認められています。民間人が異常現象に気付いた際には記憶処理が施されます。サイト-201収容監督チームはトロント交通局との連絡体制を継続し、他の路面電車がSCP-4631の運行を妨害しないことを確実なものとします。

監視機器がSCP-4631の内部に設置され、毎月1回、収容研究員がSCP-4631-Aへのインタビューを実施します。匿名の慈善家に関するカバーストーリーが、SCP-4631によって取得された金銭の出現を説明付けるために流布されています。SCP-4631が危険な挙動を発展させた場合、応用悪魔学の訓練を受けた機動部隊ユプシロン-20(“ホグタウン守備隊”)1のエージェントが再収容のために展開されます。

SCP-4631の雇用者と連絡を取るための請願儀式はまだ開発中です。

説明: SCP-4631は、1体のタイプI 妖魔界Tartarean実体(SCP-4631-A)によって操縦されているフレキシティ・アウトルック路面電車であり、カナダ国オンタリオ州トロントにあるスパディナ路面電車路線で運行しています。車両の外装・内装はごく普通の造りですが、内部メカニズムには標準的なフレキシティ型路面電車からの逸脱が存在します。逸脱には以下が含まれます。

  • 内部機構と置き換えられたヒトの骨組織から成る構造物。これらは標準的なフレキシティ・アウトルック路面電車に見られるプラスチックと金属の薄い層で覆われているため、外見上は目立たない。
  • 様々な装置の内部に刻み込まれた錬金術のシンボル。
  • 硫黄化合物で構築された機械。継続的にヒトの血液を車両内に循環させ、電力を生成している2
  • 自動券売機の内部に発生する小規模なワームホール。12時間ごとに、投入された現金の10%を、トロント市の境界線内に位置するホームレスの人々や慈善団体の下へ転送する。

SCP-4631-Aは自らの外見を変える能力を持ち、典型的には毎日異なるトロント市路面電車の運転手の容姿を模倣します。研究者たちは、SCP-4631に乗客がいない時のSCP-4631-Aが非ヒト的な形状に変化するのを目撃しています。これは路面電車の外部からは視認できません。人間の姿をしていない時のSCP-4631-Aは、外部からは何も無い空間のように見えています。

以下の文章を記した銘板がSCP-4631の車体底面に取り付けられています。

トロント妖魔評議会より提供
上の住人たちへ、下より最大級の支援を。
1950年創業

補遺.4631.1: 発見

SCP-4631は2010/08/29、トロント市警察が“赤い閃光を伴って出現した路面電車”に関する複数の通報を受けたのをきっかけに発見されました。MTF ユプシロン-20が派遣され、速やかにSCP-4631を収容するとともに、SCP-4631-Aを悪魔工学技術で密封されたチャンバーに拘留しました。全ての目撃者が記憶処理された後、車両はサイト-201に移送されました。

2010/08/30の02:00、SCP-4631とSCP-4631-Aは赤い霧に包まれて消失しました。SCP-4631はその後、オンタリオ湖の水中から飛び出し、上空570mに達してからトロント市に向かって加速する様子が、機動部隊ニュー-3(“湖恐怖症”)によって目撃されました。翌日、財団職員はSCP-4631が普通の路面電車として運行しているのを観察しました。現在の収容プロトコルはそれに応じて開発されました。

SCP-4631-Aが最初に現れたのは、この3年前に発生したEE-5092の際だと考えられています。2007/04/05、セント・ジョージ地下鉄駅にいた人物らは、地下鉄トンネルの終端で光が複数回点滅するのを見たと報告されています。1分後、1台の列車が高速でトンネルを退出し、脱線して地下鉄プラットフォームに衝突しました。列車の内部を操作した初期対応班は、身体的奇形を示す多数の切断された死体、中世の拷問具に類似する機械、空間異常、そして完全に血液で満たされた客車などを発見しました。

衝突から数分後、胸を長剣で刺し貫かれた1人の男性が車両からよろめき出すのを複数の人物が目撃しました。医療関係者が到着した時、男性は赤い霧に包まれ、間もなく消失しました。 詳細についてはファイルEE-5092を参照。

SCP-4631-AはEE-5092関連の質問への回答を拒絶しています。

補遺.4631.2: 事案4631/AN/01

2011/04/05の22:12、1体のタイプI 妖魔界実体(以下SCP-4631-B)が民間人を装ってSCP-4631に乗り込みました。当時、SCP-4631-Aへの定期インタビュー・セッションのために路面電車に乗車していたアナベル・シューラン研究員は、SCP-4631-Bが路面電車の操縦室に接近し、自らの顎を複数の筋肉質な触手状器官に変えて、操縦室の入口をこじ開ける様子を目撃しました。

以下はシューラン研究員の標準支給型ボディカメラによって記録された映像です。

2011/04/05から2011/04/09にかけて、SCP-4631は出現しませんでした。この間に報告された唯一の異常活動は、EE-5092で死亡した人々の墓地に1体の負傷したヒト型の姿が出現し、各犠牲者の墓石の隣に座っていたという現象のみでした。SCP-4631は2011/04/10に運行を再開しました。SCP-4631-Aは再出現後の3週間にわたって、トロント妖魔評議会との提携が知られている妖魔界実体群のお見舞いメッセージが寄せ書きされた包帯で片腕を覆っていたのが注目されました。

これ以来、SCP-4631の券売機内部に設置された監視機器は、ホームレスや慈善団体に転送される金額が、全体の10%から90%まで上昇したのを確認しています。

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