SCP-4644
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野生のSCP-4644実体。高度は1700メートルと推測される。

アイテム番号: SCP-4644

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 日本ウミガメ協会の黒島研究ステーションの近くに財団の前哨基地(前哨基地4644)が設置され、SCP-4644の収容のため3棟の大型の野外鳥類飼育場が備え付けられます。

伝統的な日本の仏壇1 が各飼育場に収容され、維持されます。各仏壇には、汚染削減や海洋生物の個体数調査に貢献した地元の海洋科学者や環境保護活動家の遺影が飾られます。

日本列島の近くに配備されている財団の船舶は、新しいSCP-4644の目撃を例外なく前哨基地4644へ報告します。前哨基地に到達する新しいSCP-4644実体は、研究チームにより迎えられ、飼育場の1つに誘導されます。その他の見つかった野生のSCP-4644実体は捕獲され、損傷やストレスを避けるよう注意を払い前哨基地4644に移送されます。

毎年のウミガメの営巣シーズンの終わりに、全ての捕獲されたSCP-4644実体は野外に解放されます。交尾活動ののち、財団職員は全てのSCP-4644実体の残骸も収集し、さらなる分析のためこれらの資料を前哨基地4644に保管します。

SCP-4644により発生した非異常性のカメは記録管理のため数えられ、発生した近くの海域に戻すことが許可されています。

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成体(透明な)オス(左)とメス(右)のSCP-4644実体の比較。

説明: SCP-4644は、自律運動の可能な異常性を持つ凧の個体群です。SCP-4644実体は全て六角形の凧の形を持ち、成熟した「大人」の体長は最大2メートルに達します。オスと推測される(観測された行動に基づく)SCP-4644実体は、装飾的な尾を含めて長さ6メートルに達します。新たに発生したSCP-4644実体は古い実体比べ不透明で濁った色を持ちます。SCP-4644は薄い皮膚のような覆いを伸ばしたり縮めたりすることで、体全体の形状を操作し、気流に乗り高度2000メートル以上に到達できます。

SCP-4644実体は睡眠を必要としないように見えます。また、飼いならされた実体は飼育者の顔を認識することができ、呼び戻し訓練にもよく反応する程度のかなり高度な知能を持っています。SCP-4644実体の日常的な行動の大部分は、高い場所での日光浴や短い滑空です。特筆すべき点として、屋外で過ごす時間が長くなるほどSCP-4644実体の半透明の覆いは次第に濁りが薄れ、より透明になっていきます。

財団による最初のSCP-4644実体の目撃は1970年6月です。観測記録によると、新しいSCP-4644実体は日本列島周辺の海域、特に海洋汚染が集中している地域から直接出現していると考えられています。その後、SCP-4644実体は徐々に他の集団の実体を探しだし、仏壇がある土地に着くまで共に旅をします。チャート化された飛行パターンは、SCP-4644が平均的な大気汚染率の低い農村地域の仏壇を優先し、工業地域を避けようとしていることを示しています。

6月から10月の間、SCP-4644実体は陸から離れ、公海上に集まります。オスとメスのペアは空中で求愛ダンスを行い、互いに同調しつつ、より高い高度へ平行かつ螺旋状に上昇します。この間、両方のSCP-4644実体の覆いはほぼ完全に透明になります。極端な高度と交尾頻度の低さのため、その後何が起こるかは不明です。捕獲された実体は、収容飼育場の鳥舎内ではこの動作を示しません。

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SCP-4644実体により発生した非異常性のカメ。

最初の上昇から約1時間に、オスとメスの両方のSCP-4644が急速に海岸線へ墜落します。墜落現場の詳細な調査により、高密度ポリエチレンプラスチックの破片、腐敗した亀の甲羅の破片及び紙製のお守り2 の紙片が回収されました。墜落から1時間以内に、2匹から8匹のタイマイ(Eretmochelys imbricata)が同じ砂浜から現れ、外洋に向かって進みます。これらのカメには異常性がないことが確認されています。

現在、前哨基地4644の研究者達はSCP-4644の残骸から、お守り全体を大まかに再現するために十分なお守りの残骸を集めました。それらのデザインに基づき、主に「家族の安全や幸福と、家庭の平和と繁栄」をもたらす家内安全のお守りに加え、神話上の海の守護神の名前である「龍神」という漢字が書かれた木片が再現されました。

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