アイテム番号: SCP-4658
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-4658はサイト-77の収容ロッカーに保管されます。ロッカー内での制御されていない浮遊運動を防止するため、配線を所定の位置に輪ゴムで括り付け、重りを取り付けます。テスト環境以外での使用を防ぐため、新聞紙をプラスチック製のメインケースとボタンの隙間に詰め込みます。
毎週1回、SCP-4658を実験目的でロッカーから取り出します。Dクラス職員はSCP-4658との相互作用に先立ち、異常な性癖を抱いていないか心理スクリーニング検査を受けます。
SCP-4658の内部機構は破壊的な手段を用いなければ確認できないため、その種の実験をギレスピー管理官の承認無しに実施することは認められません。
説明: SCP-4658はアルカディアによって設計・リリースされた、複数のゲームプラットフォームとの互換性を持つコントローラーです。SCP-4658のオスコネクタは、セガの8ビット及び16ビットコンソールやコモドール社のコンピュータが使用する9ピンDコネクタに類似しています。2000年1月1日以前に製造されたビデオゲーム機のメスコネクタに接続すると、外見上の互換性が無くとも、SCP-4658は機能します1。
SCP-4658は自律運動と独立したボタンコマンドの入力が可能です。ゲーム機やコンピュータに接続したまま放置した場合、SCP-4658は人間の操作無しで活動し始めます。人間がいない状況において、SCP-4658は空中に1回あたり数時間浮かび上がり、人間が近付くと地面に落下する様子が確認されています。
長時間のゲームプレイに使用すると、溶けた蝋がSCP-4658の隙間から漏れ出して、プレイヤーの手を被覆することがあります。SCP-4658の配線は近くの人間、具体的にはその足首や足に頻繁に巻き付きます。プレイヤーはSCP-4658を使用している間、くすぐられているような感覚や、時には(配線露出や電圧急上昇の記録が無いにも拘らず)軽微な感電を経験します。
1人の人物が繰り返しSCP-4658を使用すると、上記の影響はより頻繁に発生し始めます。SCP-4658のユーザーがゲームプレイ中に不満や動揺を感じ始めると、SCP-4658の入力には理由もなくラグが発生し始めます。プレイの結果としてSCP-4658が放り投げられた、またはその他の乱暴な扱いを受けた場合、SCP-4658から熱い溶けた蝋が大量ににじみ出すことが知られています。この現象はSCP-4658の内部機構や接続された機器に損傷を及ぼしません。
ユーザーはしばしば、SCP-4658の配線に腕や足を縛られ、SCP-4658本体を膝の上に乗せた状態で目を覚ますことがあります。SCP-4658が眠っているユーザーの上に浮かび、胸や背中に熱い蝋を垂らしてから配線を身体に巻き付ける様子を映した動画記録が存在します。ユーザーが目を覚ました時点でこの蝋が存在した事例は報告されていません。
定期的に使用されないと、SCP-4658は物理的に接続可能な他の電子機器との連結を開始します。他種の配線式コントローラーがその場にある場合、それらの配線は観察されていない間にもつれ、結び合わされた状態になります。これらの機器が存在する部屋では湿度が上昇し、グリースとはんだの強い臭気が発生することがあります。
補遺: 事案4658-X
当初の収容プロトコルでは、SCP-4658は他のコンピュータ機器と接続せず無期限に隔離されていました。2018/04/12、定期監査中にSCP-4658が収容ロッカーから消えていることが確認されました。サイト-77保安エージェントによる広範な捜索が行われましたが、SCP-4658は2019年1月まで発見されませんでした。
SCP-4658は失踪以来ずっと高容量保管庫の中に留まっていたらしく、配線を2台のゲーム機2に巻き付けた状態で発見されました。これらのゲーム機には、本来の機種には存在しない、互換性のあるオスコネクタとメスコネクタがそれぞれ生じていました。SCP-4658は2台の周囲に巻き付き、双方のコネクタを強引に接続させていました。
回収時、Xboxの筐体には球形の膨らみが生じており、双方のゲーム機が大量の蝋、プラスチック残渣、放熱グリースに覆われていました。回収から間もなく、膨らみによってXboxのディスクドライブと正面プレートが押し出され、当時まだ放熱グリースにまみれた状態のSCP-4658-Kが排出されました。