実験記録466-1 - 日付20██/██/█
対象: エアコン
実施方法: SCP-466-JPを用いてエアコンの温度を下げ続ける。実験室には水を配置する。
備考: エアコンの下限温度は14℃です。過酷な環境の発生に備え、SCP-466-JPは機械で遠隔操作しました。
設定温度: 0℃
特筆事項: 固定されていた吹出温度も下降を始める。室内温度計は0~1℃を指す。
設定温度: -17℃
特筆事項: 吹出温度が更に下がり、水は氷になる。室内温度計はエラーを表示。
設定温度: -40℃
特筆事項: 吹出温度は設定温度に比例している。エアコンが時折異音を発する。
設定温度: -75℃
特筆事項: エアコンの異音が解消され、エアコンから雪が排出される。
設定温度: -112℃
特筆事項: 部屋の大部分を氷雪が占める。天井につららが生成される。
設定温度: -135℃
特筆事項: 排出された雪がSCP-466-JPの赤外線センサーを塞いだため、ブレーカーを落として事態を鎮圧した。SCP-466-JP及びエアコンは温度による影響を受けていなかった。実験終了。
分析: 雪は予想外。 - ██博士
実験記録466-2 - 日付20██/██/█
対象: エアコン
実施方法: SCP-466-JPを用いてエアコンの温度を上げ続ける。実験室には水を配置する。
備考: エアコンの上限温度は30℃です。過酷な環境の発生に備え、SCP-466-JPは断熱加工を施した機械で遠隔操作しました。
設定温度: 40℃
特筆事項: 固定されていた吹出温度が上昇を始める。室内温度計は39~40℃を指す。
設定温度: 60℃
特筆事項: 吹出温度が更に上がり、室内温度計は58℃を指す。室外機は正常。
設定温度: 85℃
特筆事項: 吹出温度は設定温度に比例している。室内温度計は85℃を指す。エアコンが時折異音を発する。
設定温度: 109℃
特筆事項: エアコンの異音が解消され、エアコンから炎が発生される。水が沸騰する。室内温度計はエラーを表示する。
設定温度: 142℃
特筆事項: 炎の勢いは増し続け、時折燃えている木片も排出される。室外機は正常。
設定温度: 165℃
特筆事項: 設定温度が遠隔操作用の機械の許容温度に迫ったため、ブレーカーを落として事態を鎮圧した。SCP-466-JP及びエアコンは温度による影響を受けていなかった。実験終了。
分析: 炎や木片など、明らかに関係の無い物体まで排出されている。確かに気温は上がっているが、それ以上に演出の面で暑さを追及しているように思える。 - ██博士
実験記録466-3 - 日付20██/██/█
対象: 扇風機
実施方法: SCP-466-JPを用いて扇風機の風力を上げていく。
備考: 既存の風力状態は「切」「弱」「中」「強」の4種類で、この文字はスタンド部分に表示されます。密室での実験が難しいと判断されたため、財団所有のゴルフ場を封鎖して屋外実験を行いました。SCP-466-JPは機械で遠隔操作しました。
表示された文字: 「駆」
特筆事項: 風速は5m/sを記録。 既存の文字のどれにも当てはまらない風力状態が表示される。
表示された文字: 「迅」
特筆事項: 風速は8m/sを記録。
表示された文字: 「颯」
特筆事項: 風速は13m/sを記録。この段階で扇風機を真上に向けた。
表示された文字: 「嵐」
特筆事項: 風速は19m/sを記録。風は非常に強いが上方向に発生しているため、遠隔操作用の機械は風の影響を一切受けていない。
表示された文字: 「狂」
特筆事項: 風速は26m/sを記録。ゴルフ場に植えられている木が揺れ始める。
表示された文字: 「禍」
特筆事項: 風速は34m/sを記録。何本かの木が倒壊し、雲が風に押しのけられる。この時点で実験を終了。
追記: 扇風機からモーター部を取り外した状態でSCP-466-JPを用いて文字を表示させた所、「禍」に続き「獄」「天」「穿」「龍」「[判読不能]」(以下判読不能)と続いているのが確認されました。
実験記録466-4 - 日付20██/██/█
対象: シーリングライト
実施方法: D-8023にSCP-466-JPを操作させ、シーリングライトの光度をマイナスにする。
結果: 光度がマイナスに設定されてもシーリングライトの外観に異常な点は見られませんでしたが、D-8023は「目を瞑っている間のみライトが見える。ライトの周りも見える」と証言し、映像越しでも同様の効果が確認されました。
追記: マイナスの光は正常な光とは打ち消し合わず、共存すると推測されています。
実験記録466-5 - 日付20██/██/█
対象: テレビ
実施方法: D-8023にSCP-466-JPを操作させ、テレビの音量をマイナスにする。
結果: D-8023は「耳を塞いだ時だけ音が聞こえる」と証言し、録音した音声データも同様の効果を発揮しました。
追記: 音声データは容易に再生が行えますが、編集や数値化などの試みが失敗するため解析は難航しています。マイナスの音は正常な音とは打ち消し合わず、共存すると推測されています。
実験記録466-6 - 日付20██/██/█
対象: テレビ
実施方法: SCP-466-JPを用いて通常選択する事の出来ないチャンネルにアクセスする。
規格外番号01: 黒の背景に、小さな白い点が予測不能な軌道で動き回っている。
規格外番号02: 日本人の男子高校生が主人公のアニメ。舞台は高校と思わしき場所で、主人公以外の人物は一切登場しない。主人公はあたかも他の人間が存在するかのように会話、行動している。アクセスし直す度にアニメの進行度は初期化される。
規格外番号03: 大自然を紹介する映像とそれを賛美するナレーターの音声で構成。ナレーターの声を分析する事による個人の特定は失敗に終わっている。
規格外番号04: 恐らくは胎児の映像と推測出来る。右上には「衝撃のドッキリまであと█████████秒!!」と書かれていて、この数値はカウントダウンされている。左上にはワイプがあり、複数人の日本人男性・日本人女性が笑顔で映像を眺めている。ワイプに映る人間の個人特定は失敗。アクセスし直す度に右上の秒数はリセットされる。
規格外番号05: ニューヨークの████の市街地の映像。19██年頃のものと判明している。アクセスし直す度に映像はリセットされるが、前の映像と比べると僅かな違いが生まれている。
規格外番号06: 砂嵐。
規格外番号07: SCP-███-JPが特徴の無い部屋で椅子に座ってレポートのような物を書いている。少し時間が経つとまるで視聴者と目線が合ったかのように驚いた素振りを見せ、直後にレポートのような物を抱えて別室に逃げて行った。即時確認を行ったところSCP-███-JPは通常通り収容されていた。二回目以降のアクセスでは先程の部屋が映るがSCP-███-JPは居なかった。実験はこの時点で中断。
分析: 私の知る限りではSCP-███-JPは凶暴で野蛮な生物で、何かを書くような、ましてやそれを抱えて逃げていくような生物ではありません。我々はどう警戒すべきなのでしょうか。 - ██博士