SCP-4660-JP
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アイテム番号: SCP-4660-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-4660-JPの原因の特定は可及的速やかに行われなければなりません。

SCP-4660-JPが発生した場合、その発生位置と対象人物を特定し、カバーストーリー「交通事故」を流布してください。また、必要に応じて記憶処理を行ってください。

説明: SCP-4660-JPは日本を主とする世界各地で見られる散発的な過去改変事象です。この事象は20██年、日本において初めて財団によって認識され、その後アメリカ合衆国やロシア連邦でも同様の事象が確認されています。現在、この事象の発生頻度は増加の傾向にある事に留意が必要です。当該事象の各国における発生数は別途資料を参照してください。

SCP-4660-JPによる過去改変は特定の個人の消失を招きます。当該事象の対象となる人物に規則性は発見されず、またこの事象の原因も不明である事から、更なる研究が求められます。

補遺1: 20██年██月にSCP-4660-JPの発生が確認された際、ソトバ計数機によって因果流の有意な変動が確認された地点1を特定し、調査を行いました。調査の結果、対象が過去改変の発生以前に使用していた物品が残存していることが確認されました。全ての物品が消失していないかは不明です。調査の際は必要に応じて物品を回収することが許可されます。

また、この調査の過程で、対象が消失時点で存在していたと考えられる地点の他、その地点から比較的近辺に存在する病院においても因果流の有意な変動が確認されています。この変動によって発生した変化の特定には至っていません。

補遺2: 以下は、SCP-4660-JPの発生が20██年██月に東京都██区で確認された際の、対象の母親へのインタビュー記録です。

対象: 当該事象の対象となった人物の母親(以下、母親と記載)

インタビュアー: 川戸博士

付記: このインタビューは国による健康調査に偽装されている。

<録音開始>

川戸博士: 本日はお忙しいところありがとうございます。

母親: いえいえ。どうぞお茶でも飲んでください。

川戸博士: ありがとうございます。最近季節の変わり目で気温が安定しませんが、お身体はどうですか。

母親: 最近はやっぱり歳で少し疲れやすかったりしますけど、風邪をひいたりすることはありませんね。ただ…最近少し変な気分なんです。

川戸博士: ほう、それはどういう感じでしょうか?

母親: 別に何かあった訳では無いんですが、気が落ち込むことが多いんです。喪失感と言いますか…何か大切なものを失ったような感覚がして、それで悩むことがあります。

川戸博士: ふむ…その大切なものについて何か心当たりがあったりしますか?

母親: それが色々考えてみたんですけど、具体的には分からなくて。遠い昔の記憶が影響しているのかもしれないし、私が覚えてないだけで夢に何が出てきたのかもしれません。

川戸博士: なるほど…精神が不安定になるようでしたら一度病院に行ってみた方が良いかもしれないてすね。

母親: ええ、そうするつもりです。なんだか気力も湧いてこないですし、早く嫌な気持ちが無くなればいいんですが。

川戸博士: ちなみにお聞きしたいんですが、お子さんはいらっしゃいますか?

母親: いえ、子供はいないです。私、若い頃に中絶手術を受けているんです。

川戸博士: そうでしたか、それは申し訳ない。少しセンシティブな話になってしまったかも知れません。

母親: 全然気にしないでください。私も、今となっては中絶手術をしてしまったことを後悔しています。別に精神的にも、金銭的にも産める状態だったので…もし今の自分だったら絶対産んでいると思います。

川戸博士: なるほど…少し話題を変えましょうか、健康診断についてなのですが──

[その後、健康調査に関する話が続く]

<録音終了>

終了報告書: 過去改変による変化に伴って、対象と関わりのある人物は多少なりともその影響を受け変化が齎される事が判明した。また、母親は過去改変によって消失した子供の存在について「中絶をした」との旨において言及した事は特筆すべきである。

その後の調査により、SCP-4660-JPの対象となった人物の母親からは例外無く「過去に中絶をした事がある」という旨の発言が確認されることが明らかになりました。この事から、SCP-4660-JPによる過去改変事象は対象を中絶により出産されなかった事に改変させている可能性が推測できます。

補遺3: 以下はSCP-4660-JPの発生が20██年██月に確認された際、その対象となった人物の家宅を捜索した際に発見された日記の一部です。

██月██日

もうそろそろ、人生にも飽きちゃったかな。誰からも必要とされないで、ずっと人の顔ばっか見ながらどう一日を切り抜けるかしか考えてない。どうせみんな、私の事邪魔だと思ってる。私なんて消えても誰もなんも思わないよね。

最近、どうやって死ぬかずっと考えてた。なんの死に方が一番いいかなって。まあ痛みが少ない方法でいいかなって思ったんだけど、一昨日ネットの友達にあるものを紹介してもらった。これが本当かどうか分からないけど、もし本当だったら最高の死に方だと思う。この世から完全に消えて、みんな私のこと忘れれば、全員幸せになれる。

昨日実際に会って買ってみたから、明日試してみようと思う。成功するといいな。

この日記の内容に関連すると予測されるものとして、小型の瓶と日付が一致する領収書が同じ部屋から回収されています。この小型の瓶の中には赤黒い液体が付着しており、成分は現在調査中です。

補遺4: 過去改変事象を引き起こしているのは中絶による死を引き起こすタナトマであることが判明しました。このタナトマを体内に取り入れると、その人物が中絶によって死亡したことになる過去改変が発生します。

このタナトマの抽出方法、及び全ての人間から抽出が可能かどうかは不明ですが、その過去改変発動の容易さから、解明が進むまで情報は秘匿されます。現在までの過去改変事象の対象がどのように当タナトマを入手したかは調査中です。

これを受け、中絶を引き起こすタナトマがSCP-4660-JPと指定される事が決定されました。本報告書は72時間以内に改訂版へ置き換えられます。

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