SCP-4689
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21世紀初頭に撮影されたPanthera leoの個体。

アイテム番号: SCP-4689

オブジェクトクラス: Neutralized

特別収容プロトコル: N/A

説明: SCP-4689はPanthera leoのプライド1であり、雄の成獣2頭、雌の成獣7頭、雄の若年個体3頭、雌の若年個体4頭で構成されていました。種族以外に特筆すべき異常な特徴はありませんでした — 全てのSCP-4689個体は、絶滅以前のPanthera leoにごく普通に観察された肉体的・精神的パラメータを有していました。

SCP-4689は2143年3月、家畜が“巨大な毛むくじゃらのチーター”に襲われたという農夫数名の通報に続いて、アンゴラの孤立した地域に棲んでいるのが発見されました。ライオンがまだ生きているという報告がメディア間に流れ始めましたが、SCP-4689の発見と収容に際し、財団は遺伝子組み換えハイエナの死骸を利用してこれらの報告の信憑性を毀損しました。

倫理委員会の指示に則り、全てのSCP-4689個体は2150年10月に安楽死されました。プライドを構成する全ての成獣の高齢化と、若年個体がいずれ直面する遺伝的ボトルネックに鑑みて、これが最も人道的な選択肢であったと見做されています。当初、倫理委員会はSCP-4689を野生に解放する手段を検討していました。しかしながら、一般社会が既にPanthera leoの絶滅を受容しており、かつてこの動物種が占めていたニッチがチーター、ハイエナ、ヒョウに取って代わられていることから、この案は大規模なヴェール破壊であると判断されました。


記録・情報保安管理局より通達

上記の文書はオハイオ州にあるクリーブランド・メトロパークス動物園の倉庫部屋から回収されたものであり、裏面に直近の財団サイトの電話番号が書き込まれていました。文書は当時、次のような文言を記した園内展示用の看板に貼り付けられていました — “子供が「ライオンってなぁに?」と訊ねる日が来たなら、それは悲しむべき日です”。

動物園の敷地を分析した結果、時間操作が行われた証拠が発見されました。園内の時計は全て異なる時間を指しており、倉庫部屋の周囲に生えていた植生には異常な成長パターンが確認され、時間的腐敗現象が園の入口に近いトイレの個室で発生していました。倫理委員会には、絶滅危惧種動物の保全が2020年初頭における財団の権限の範疇に含まれるか否かの問題を審議することが期待されます。

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