SCP-470
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アイテム番号: SCP-470

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: サイト指揮官の承認なしには、いかなる人物や物体もSCP-470およびその外部収容エリアへ進入または搬出することは認められません。SCP-470へ入るものはすべて事前および事後に検査を行わなくてはなりません。SCP-470から持ち出されるものはすべて収容され、検査を受けなければならず、この手順で問題があったすべての物体や人員に対して、サイト指揮官は自己の判断で必要と思われるあらゆる手段によって処理することが認められています。

SCP-470に進入する人員は必ず、長距離GPS追跡装置を装備しなければなりません。SCP-470に進入する人員は、常に20人以上のグループで行動してください。万一はぐれてしまった場合、[データ削除済]した場合、あるいはその両方が発生した場合は、ただちにSCP-470から退去してください。

SCP-470の中で行方がわからなくなった人員や装備は、GPS信号の消滅から48時間経過後、「喪失した」と見なされます。GPS信号が失われた後に発見された人員や装備は可能な限り回収するようにしてください。万一GPS信号が[データ削除済]。

説明: SCP-470は███████の████████に位置する、放棄された大型オフィスビルに見える建築物です。SCP-470は████年から公式な所有者がおらず、███████コーポレーションの倒産以来放置されていました。建物は地階を含む7階建てで、その放置された期間相応の破損が全体的に見られます。

SCP-470は次元の異常を引き起こし、内部の部屋を「シフト」して、長期間「放置」された別の場所へと置き換えてしまいます。SCP-470の内部に現れるそうした外部空間は、およそ20年か30年の間、監視や進入、居住といった人間のいかなる活動も行われていなかったように見えます。この異常はSCP-470内の部屋でのみ起こるようで、通路の状態は概して安定しています。

SCP-470に現れる外部の部屋は、もともとあった場所とSCP-470の内部に同時に存在しているようです。そうした商業エリアや放棄されたオフィス、工業エリアといった部屋はすべて、SCP-470のいかなる外部施設や倉庫にも入居していた記録がなかったものです。出現する部屋はそのもともとの環境から「切り離された」状態のようで、「入口」にあたるドア以外の扉を開くと、SCP-470の構造体であるレンガの壁に突き当たります。

これらの空間は不安定で、「ちらつき」が見られ、不規則なタイミングでSCP-470の内部から消滅して再出現したり、そして二度と現れなくなることもあります。消滅した際にその部屋の中にあったものはすべて、部屋がもともとあった空間に移動します。この現象は逆にも作用し、もともとあった場所に存在していた物体はSCP-470の中に一緒に移動してきます。「ちらつき」が起こる間隔は6秒から数年とばらつきがあります。

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[データ削除済]で記録された最後の写真

補遺: 移動してきた部屋がもともと存在していた場所でその部屋に関する観察や活動を行うことで、SCP-470内部における「ローテーション」からその部屋を取り除くことが可能であるようです。外部からの観察や活動から切り離された時間が長いほど、その部屋はSCP-470との「つながり」を強めるように思われます。最初はその部屋の中に人がおらず、頻繁に監視が行われていないときにのみシフトが起こります。放置された期間が長くなると、14人の人間が中にいてもシフトが起こるようになることがわかっています。

SCP-470の危険性は、現れる部屋のいくつかは我々の現実世界とは異なる次元や時空から出現することにあります。いくつかの部屋は地球上に存在しない元素で構成され、発見されたアイテムの中には未知の技術や製造法で作られたものもあります。たとえば、浸襲性の兆候を見せる非有機体部分を持ち、80%までが有機体で構成された[データ削除済]などがあります。また、SCP-470のシフト作用に伴う「物体」移送により、4件の脱走事件が記録されています。特に「被験者R」はSCP-470の内部に潜んでおり、SCP-470内部で記録されたいくつかの死亡事件の原因であると目されています。確認されている死者はこれまでに8名の職員と45人の民間人ですが、数百人以上が「行方不明」扱いになっています。

民間人の死亡事件の大半は、若者が廃墟での「探検」をしていた際にSCP-470のシフトが起こったもので、内部に閉じ込められたり、別の部屋に移動させられたり、[データ削除済]、あるいは出現した部屋に存在していたその他の危険物によるものと考えられています。

補遺2: 2016/11/25時点で、SCP-470のローテーションの中に使用されなくなったSCP財団施設内の部屋が全部で38部屋観測されています。それらの中で最も目を引くものは、SCP-1730の地下1階の複数の部屋であり、これは財団人員による初期探索の中止の後に現れました。それらの施設を観察することにより部屋をローテーションから外す試みが現在進行中です。

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