アイテム番号: SCP-4712
オブジェクトクラス: Neutralized
特別収容プロトコル: SCP-4712はサイト-07の標準ヒト型実体収容セルに収容されます。SCP-4712には同年代のヒト男性用の教育を提供します。SCP-4712がサイト-07の職員に非従順的である場合、最低1週間は特権が除去されます。
全財団職員は、SCP-4712への長期曝露がヒト型実体への初期の信頼感情を齎す可能性があり、そのため収容スペシャリストが14日ごとに交代する必要があることを理解してください。
説明: SCP-4712はマリウス・アルベスク(Marius Albescu)という名の、青年期男性のヒト型実体です。SCP-4712の異常性は、ヒト対象がSCP-4712の視線上にある状態で交流および/または会話を行うことで発現します。SCP-4712の異常性の活性化は、対象の脳内でのオキシトシンおよびドーパミンの自発的放出を齎します。その結果、影響を受けた対象はより幸せで、より精力的で、やる気が出て、自信に満ちていると報告する傾向にあります。この効果は対象がSCP-4712の視線から外れれば薄れ始めます。異常効果の持続期間は、人物がSCP-4712と会話する時間の長さに直接相関しています。
発見: 1946年9月21日、ブカレストの米国大使館の財団工作員は、5歳の少年がある農村の共産党委員会に登用されたことを調査する任務を任されました。この登用が異常影響によるものであることを確認すると、財団工作員は村からSCP-4712を連れ出し、SCP-4712が出生直後に死去したという虚偽記憶を村民らに植え付けました。
補遺4712-1: 1957年9月5日の6時15分、サイト-07は原因不明の異常イベント(イベント-アルファに指定)を経験しました。サイトにいた職員は全員とも喪失しました。
サイト-07の完全な消滅後、SCP-4712はNeutralizedに再分類されました。
イベント-アルファに関する更なる情報はO5評議会の命令によって機密指定されています。イベント-アルファに関する資料の閲覧を希望する研究員は、上述した資料と進行中の研究との関連性に関する提言書とともに、O5評議会に許可を申請する必要があります。
このファイルは古くなっています。更新版は以下で閲覧可能です。

SCP-4712の存在するレストランの廃墟。
特別収容プロトコル: SCP-4712を介した移動はレベル3職員のみに制限されます。SCP-4712の存在する建造物は、黒カビとアスベストにより居住不可であるという接収令によって公衆から封鎖されています。建造物の構造は耐爆性・対衝撃性の素材で補強され、SCP-4712は厚さ12cmの油圧式金庫扉の向こうに封印されています。上位2階層は保安部隊の兵舎に変更されています。
建造物周辺の住宅地の人口密度が高いため、保安職員が常時建造物内に滞在し、窓にはカバーストーリーに関連する公衆衛生通知が打ち付けられています。保安職員は敷地外部に露骨にいることはせず、施設管理人としてカバーを維持してください。
SCP-4712-Aはサイト-91の補強収容セル内に収容されます。SCP-4712-Aが収容違反を試みた場合は、機動部隊ベータ-777 ("へカテーの槍") が派遣されます。
SCP-4712-1, -2, -3個体が金庫扉を破った場合は、致死的戦力にて撃退されます。SCP-4712を通過する異常活動の急増は、サイト-91管理官とO5評議会に報告されます。
説明: SCP-4712はイーストロンドンの放棄されたカレー店の地下扉向こうに位置する、長方形の時空間ゲートです。SCP-4712はイーストロンドンと、SCP-4712-Bとして指定される別現実との間のゲートとして機能します。SCP-4712による転移の際、探査チームは財団サイト-07の地下階層(収容・居住区域にあたる施設含む)にまず遭遇しました。サイト-07の地下階層A/Bは1957年のイベント-アルファにより元の位置から転移していました。以下の補遺「イベント-アルファ」を参照してください。SCP-4712を介した次元間移動はヒト対象にとって安全であることが確認されています。施設のアクセス可能な部分にはSCP-4712-B地上部へと繋がる階段も存在します。サイト-07上部の次元平面地上部に関する詳細な情報については、「SCP-4712-Bの詳細」を参照してください。
サイト-07の地下階層全体にはヒト遺体が散在しています。回収された遺体の検死により、鈍的外傷、部分的溶解、部分的焼灼等の死因が(これらに限りませんが)明らかになりました。歯科検査により、回収された遺体はイベント-アルファ中にサイト-07にいたことが確認されている財団職員のものであることが特定されました。法医病理学の結果は、イベント-アルファと大多数の遺体の推定死亡時刻との間に最低5年は経過していると結論付けました。
編集者注: 旧ファイルでSCP-4712に指定されていたヒト型実体は、現在SCP-4712-Aに指定されています。
SCP-4712-Aはマリウス・アルベスク(Marius Albescu)としての自己同一性を有する、自称52歳のヒト型実体です。変身能力のために-Aの年齢は測定困難です。平常状態におけるSCP-4712-Aは身長2m、体重136kg、筋肉量は平均以下で、肌色は赤と灰色の斑模様です。実体はその細身の体格から考えて可能なはずの水準を超過する、著しい筋力水準を示します。SCP-4712-Aは自身の生体構造の形状・形態における限定的な制御能力を示し、様々なタスクのために新たな付属肢の成長や既存の四肢の再形成等を行います。これらの変身能力はSCP-47121が異常生物実体のコロニーのホストとなったことに起因するとされています。23これらの形状変性プロセスの実行は、SCP-4712-Aに対し目に見えるストレスと不快感の体験を誘発します。SCP-4712-Aの睡眠は観察されていません。また、SCP-4712-Aは異常かつ不明な傷を負っており、歩行が困難になっています。
SCP-4712-Bには3種の異常な動物相の生息が確認されています:副指定 | 身体的概要 | その他特徴 |
---|---|---|
SCP-4712-1 | ナメクジ類の肉質に最も類似するものの、質感や色合いの異なる生体素材から構成された不定形の種。サイズは直径1~6mまで様々。 | SCP-4712-1個体は林床の枯れた植物材を摂食するが、小型哺乳類や昆虫も捕食する。 |
SCP-4712-2 | 羽毛の無い翼を持つ捕食者。青い斑点を持ち、翼は灰色の骨構造の間に張られた皮膚から形成されている。翼幅は2~6m。 | 嘴と爪は標準的なボディアーマーや木々の小枝を突き通すことが可能。 |
SCP-4712-3 | 基準人類と概ね同等だが、眼球および目視可能な生殖器官が存在しない。 | 文化もしくは社会階層の証拠はなく、知覚力は示すものの知性は確認できない。概して敵対的であり、頻繁に共食いの傾向が確認される。 |
発見
レベル3アクセス制限
発見: SCP-4712は以前の借用者が建造物を退去した後の1991年7月1日に、ロンドン市の建築管理職員が点検を行ったことで発見されました。敷地の初期調査中、検査官はSCP-4712へと繋がる扉を開き、サイト-07の調査を開始しました。老朽化した収容セルの中のSCP-4712-Aを発見した検査官は路上へと退却し、救急隊に通報しました。ロンドン警視庁の潜入財団エージェントが通報を傍受し、報告記録を消去しました。ヨークシャーのサイト-91から機動部隊ベータ-777が派遣され、通報から2時間後には現場に到着しました。建築検査官は記憶処理され、機動部隊ベータ-777が敷地を保護しました。
SCP-4712-Aは収容サイトへの移送に抵抗し、叫び声をあげて作戦担当のサイト管理官との面会を要求しました。SCP-4712-Aは標準激情停止プロトコルを用いて鎮静されました。4
イベント-アルファ:

SCP-4712-Bの森林区域。
編集者注: 以下の情報は、イベント-アルファを生き延びたサイト-07の職員の直接記録(SCP-4712発見時・サイト-07地下階層探査時に回収)から収集されました。
財団サイト-07はルーマニアの田舎に位置し、2つの地下階層を含む小規模な収容施設から構成されていました。1957年9月5日のおよそ06:15、地方サイト-07にて異常なイベントが発生しました。地上の建造物を抹消し、周囲6km2の土地の有機物すべてを燃やし尽くすに足る莫大なエネルギーが放出されました。地中レーダー探査により、かつてサイト-07の地下階層A/Bが位置していた空間は空洞になっていることが明らかになりました。
サイトは新設されたサイト-19にすべてのアノマリーを移送する過程にあり、SCP-4712-A含むごく少数のアノマリーのみが収容されたままでした。サイト-07の代わりに、焼けた黒ガラスの土地が敷地全体を覆っていました。残留放射線はこの区域では検出されませんでした。インシデント発生時、サイトに残っていたのは小規模な研究・収容チーム1つのみでした。また、サイトでは機動部隊ベータ-777所属の3名のユニットが奇跡論的アノマリーのサイト-19への移送を監督していました。
イベント-アルファの数分前に、地下階層Bの保安員は収容エリアのSafeクラス棟に侵入した、未知の襲撃者の集団を報告していました。襲撃者らはAO36-195の収容されているコンテナを破り、結果として発生した銃撃戦は財団側の死傷者は最小限に、侵入者は全員が死傷、AO36-19は粉砕される形で終了しました。不明な期間の後、サイト-07地下階層の職員らは意識を取り戻し、地下階層が別現実へと転移したことに気がつきました。
SCP-4712-Bの詳細
イベント-アルファ後、サイト-07の職員らは調査を実施し、地上階層の施設へと繋がる西出口が崩壊しているのを発見しました。サイト-07管理官のレビン含む、地上階層にいた職員らは全員とも喪失したと見なされました。地下階層A/Bの東非常出口の階段は意図された通りに地上へと繋がっているのが発見されましたが、そこはもはや地球上ではありませんでした。機動部隊ベータ-777隊員らによる主導の下、数時間以内にSCP-4712-Bの調査が組織されました。
探査記録 – 1957年9月5日:
イベント-アルファ中のサイトにいた機動部隊ベータ-777の隊員3名。ビル・マクレノルズ隊長(クラスB奇跡論術師)、ケイト・サミラ副長(クラスA奇跡論術師)、ピーター・ピュン伍長らはSCP-4712-Bを調査するための探査隊を結成。ピュンは肩付式の試作型大容量フィルムカメラを装備。記録はSCP-4712発見時に機動部隊員らによって回収された。
[確認された天候パターンは継続的な小雨と微かな霧であり、持続的な曝露後も悪影響は確認されない。遠征は26時間に渡るが、雲量の減少は確認されなかった。]
マクレノルズ: ここにバックアップなどないということは頭に入れておけ。俺たちはサイト-07の職員との無線連絡さえできない。
サミラ: サー、皆それぐらい気づいてますよ。
マクレノルズ: 良し。俺たちがいる場所を見に行こう。
[隊員らは森林地帯を進んでいき、15分が経過する。確認された植物相は米国太平洋岸北西部で知られる種のものと合致する。藪の茂る、苔に覆われた木々の間を、定期的に霧が流れていく。人が住んでいる形跡は見られない。]
マクレノルズ: 副長、なにか妙なものを感じないか?
サミラ: あなたもですか、サー?
ピュン: 何を感じるんです?
マクレノルズ: これは……圧力か?行軍中ずっとだ。まるで誰かがすぐ近くで儀式でもやってたかのような。
サミラ: ええ、このあたりの奇跡論的エネルギーはすべて頭痛の種です。
マクレノルズ: 今は何もしなくていい。ただ目を離さないようにはしておこう。
ピュン: [周囲を指し示す] この木々は十分自然に見えますね。ちょっと移動しただけだったりはしませんか?
マクレノルズ: 俺にはオレゴンみたいに見える。
サミラ: サー、オレゴンにはあんなのがいるんですか? [サミラはSCP-4712-1個体を指し示す]
マクレノルズ: ああいうのは絶対いないな。
[直径およそ1mのSCP-4712-1個体。自発的に仮足を形成しており、地面に沿って自身を前方に引っ張って、通った跡に粘性のある茶色の液体を残していく。]
[-1個体の周囲が影により暗くなる。大型のSCP-4712-2個体が木々の間に飛び込み、長く黒い嘴を-1個体に突き刺す。]
ピュン: ファック!
[およそ5分間ほど記録が乱れており、カメラは主に地面に向いていた。音声記録には荒い呼吸のみが記録されている。]
ピュン: 何だよあれ?
マクレノルズ: [膝をかがめ、荒く呼吸する] 俺にはわからないな、伍長。サミラ、俺たちをつけてきてるやつの兆候はあるか?
サミラ: 何も見えません。でもやつはどこからともなく現れた。
マクレノルズ: オーケイ。状況は先程と同じだ。だが空気中だけでなく地面にも気をつけなければならなくなった。動くぞ。
[部隊は森林地帯を進んでいき、2時間が経過する。-1および-2が数個体確認されるものの、部隊は安全な距離を維持する。]
サミラ: 11:00ちょうどです。 [サミラは木々の間を歩き回り、部隊に近づいてくるヒト型実体6の小規模な集団を指し示す]
マクレノルズ: 気をつけろ。こいつらについては全く何もわからないんだ。
ピュン: あいつら眼がないぞ。
サミラ: こっちに近づいてきてる。
マクレノルズ: 初動があるまでは撃つな。友好的かもしれん。
[ヒト型実体らが部隊に近づいてくると、隊員3名全員ともがライフルを構える。]
マクレノルズ: そこで止まれ。面倒ごとは避けたいんだ。
[1体のSCP-4712-3個体が緊張して空気を嗅ぎ始め、すぐに集団の残りの個体らもこれに続く。その後、6体すべてのSCP-4712-3個体が鳴き叫んで歯ぎしりし始め、隊員らに向かって突進しだす。]
[3名全員がカービン銃を発射し、個体らのうち3体を素早く終了する。残る3体は別れて部隊を囲み、およそ15m先の木々から更に3体が現れる。]
[新たな個体のうち1体に気が付かずにサミラはすぐ近くから攻撃を受けてしまうが、すぐさまカービン銃の台尻を振り上げて個体の歯を防ぐ。ピュンは個体らの中心集団に向けて1発撃ち込んで倒す。サミラ、マクレノルズ、ピュンの3名は残りのSCP-4712-3個体らに発砲する。ピュンが撃ちもらした1体を除いた全個体が倒れる。マクレノルズは地面に押し倒されるものの、残った-3個体の開いた顎の間にカービン銃を押し込む。サミラはカービン銃の台尻でヒト実体の後頭部を2度殴打し、対象は死亡する。]
サミラ: ホント何なのよこの場所?
ピュン: 何もかもが俺たちを殺そうとしてる。いや、お互いでさえも。やつらの目にいったい何が起こったんだ?
マクレノルズ: [カービン銃から唾液を取り除き、武器の機能を確認する。] そもそも目なんて無いようだが。
サミラ: マジでそうだった。目があるべきところは肌で覆われてる。
ピュン: 隊長、戻ったほうがいいと思います。
マクレノルズ: ネガティブ。この地域を調査できるのは俺たちだけだ。博士と用務員どもが束になってもここから10分と保たんだろうよ。行こう。隠れる場所ならある。
[部隊は先へ進んでいくが、以降数時間はほとんど話さない。映像は1体のSCP-4712-2個体が複数のSCP-4712-3個体らによって引き裂かれている様子を映している。この出来事が起きている間、マクレノルズ隊は葉の中に隠れていた。-2個体の翼は未確認の出来事によって重篤な損傷を受けているが、ヒト型実体らに対して激しく抵抗する。争いは20分以上続き、ヒト型実体らが素手や歯で-2個体の肉を引き裂く。およそ10分後、カメラが揺れて地面を向く。ピュンが静かに嘔吐しているのが聞き取れる。]
[隊員らは生き残ったヒト型実体らがエリアを去るまで待機した後に動き出す。以降2時間でSCP-4712-3が数を増しつつ部隊を追跡していることが確認されるが、近寄ろうとはしない。また、SCP-4712-2個体らが空中から部隊の周りを囲んでいるのが確認される。]
ピュン: 前方クリア。建物がいくつかあるようです。ありがたい。この木々はクソみたいな気分になりますからね。
マクレノルズ: あれが見えるか?
[何個かの建造物の遺跡が、まるで小さな都市の中心部かのように大きな広場の中心に並び建っている。建造物には著しい植物の生育が確認され、長年使用されていなかったことを潜在的に示している。遺跡に動くものは確認されない。隊員らはきびきびとしたペースで接近する。カメラが視界を森に戻すと、木々の間に数十体のSCP-4712-3個体が確認できる。数体のヒト型実体が別の個体を抑えつけ、攻撃している。カメラが建造物に向き合う前に、1体のヒト型実体が顔面部を別個体の胴体にうずめているのが確認される。ヒト型実体の顎の動きは咀嚼していることを示す。]
[建造物の特徴的な建築・技術は20世紀中期のものに相当する。これまで見られたことのない6輪車が通りに点在しているが、酸化が進んだ状態にある。メカニズムを調べたところ、基本的な燃焼エンジンと類似するものの、これまで見られない設計要素を持つ技術であることが明らかになる。]
サミラ: ジーザス。あたり一面死体まみれだわ。
マクレノルズ: ああ。だが割と少ないようだ。
ピュン: 何言ってんですか隊長。僕的には無茶苦茶多く見えるんですが。
マクレノルズ: いや、建物を見ろ。この集合住宅には50世帯はいるはずだ。死者はそれより少ない。人が足りないんだ。想定される死体の20%もいないかもしれない。
ピュン: 何を言ってるんです?
マクレノルズ: 大勢の人がこの死体たち全員を生み出した何かから逃げたんだ。核爆発でも他の絶滅イベントでもない何か。大勢の生存者がいたと言っている。
サミラ: この人たちに何が起きたの?
[マクレノルズが扉を開いて覗き見ると、2体の白骨死体がある。]
マクレノルズ: わからない。だがここでは何かが違う。
ピュン: 世界が如何にして終わったかを見ているという点で違いなどありますかね?
マクレノルズ: いいや、生意気言うんじゃない。
マクレノルズ: [サミラの方を見やって] 圧力を感じられるか?
サミラ: いえ、もうありません。
ピュン: 何か変わったんですか?
マクレノルズ: わからん。だがこの遺跡に立ち入ってすぐに止まった。ここには興味を惹くものなど無いかのように。
ピュン: 生きてるみたいな言い方ですね、サー。
マクレノルズ: かもな。俺にはわからんよ。だがそうしたエネルギーは何もないのに生まれたりはしない。奇跡論というのは目的あって成されるものだ。
サミラ: まあ理由が何であれ、収まってくれて嬉しいですね。マジで頭痛の種だったので。
マクレノルズ: 残念だがそいつを通って引き上げねばならんな。15分休憩しよう。
ピュン: 隊長、そろそろ切れそうで
記録資料終了

SCP-4712-Bの探査中に確認された、放棄された都市の中心部。
探査後のミッションレポート – 機動部隊ベータ-777、ウィリアム・マクレノルズ隊長
残念ながら、遺跡の探査やサイト-07への帰還を記録するにはフィル厶が足りなかった。短い休憩をとった後、我々は帰還の前に遺跡を少しばかり探査する必要がある、と私は判断した。ずっと野外にいたにも関わらず空はまだ明るく、そのため予備調査をする時間は十分あると考えた。
崩壊度合いを考えるに、この建物は数十年間使われていなかったのだろうと推定された。建物の中には有機的な構造物が存在しており、骨と乾燥しきった腱でできた小さな祭壇であるようだった。骨から作られたというよりは、そういう形に成長した構造物のようだった。祭壇は空だったが、その多くは血と思われる何かで変色していた。
居住空間はすぐさま放棄されていた。テーブルは食事のために準備されており、貯蔵空間には朽ちた衣服や個人の所有物があった。ここで起きたことがなんであれ、それは迅速に起きていた。だが、多くの死体は存在していなかった。住民の大部分がちょうど去ったところのようだった。
広場を離れた後、あの目の無いヒト型実体らが再び襲ってきたが、爆発物を使うと怯えていた。サイトに戻った時には弾薬がほとんど尽きていて、そして奴らはまだやってきていた。理由はわからないが、奴らはサイト-07まではついてこなかった。構造に困惑したか怯えたのだろう。
我々は職員らがバリケードを建造するのを手伝い、攻撃が来なかったことに安堵していた。24時間が経過すると、バリケードには保安職員の一団を置いてきて、残りの職員らは次に何をするべきかを会議し始めた。
以降数年間で、隊員らは-1および-3個体には従来の小火器による射撃が有効であり、-2個体を有効的に終了するには焼夷弾が必要であることを報告しました。
遠征からの帰還後、応急的かつ臨時の統率構造が職員の間で協議されました。中央財団司令部との接触が再確立される時までの間に決定を下すため、マクレノルズ隊長を含む司令委員会が結成されました。
サイト-07の財団職員により残された記録によると、イベント-アルファの8週間後には食料品が欠乏し始めました。現地の植物相のサンプル数種とともにSCP-4712-1のサンプルがテストされ、ヒトが摂取しても安全であることが確認されました。
サイト-07の職員たちがSCP-4712-1のタンパク質で作られたシチューをSCP-4712-Aに給餌し始めてから2週間後、SCP-4712-Aは劇的な身体変化を含む異常な変態プロセスを経て、20代前半の成人により近い知的能力を発達させました。行動の変化は確認されず、職員に対する新たな敵意や暴力も認められませんでした。また、以前に指定されたSCP-4712-Aの異常影響にも変化は確認されませんでした。
このタンパク源を摂食した他のいかなる人物にもこのような変化は確認されませんでした。SCP-4712-A担当の管理官は菜食への移行も検討しましたが、周辺地域の調査によってこの計画は廃止されました。SCP-4712-1は、確認された中で唯一の容易く手に入れられるタンパク源でした。
1958年6月17日 – SCP-4712-Aがサイト-07司令委員会との会合を要求。要求は承認された。7
インタビュー 4712-A – 1991年7月10日
インタビュアー: エージェント リベカ・ダグラス、サイト-91所属 上席研究員 兼 精神測定能力者サイコメトリスト8
インタビュー対象: SCP-4712-A
[SCP-4712-Aには四輪歩行補助装置が配給されており、2名の警備員に付き添われてインタビュー室に入室する。]
ダグラス: こんばんは、SCP-4712-A。
SCP-4712-A: 私は4712ではなかったか?
ダグラス: ファイルが改訂中でしてね。
SCP-4712-A: どうして私を置いていってくれなかった?
ダグラス: あのような廃墟であなたの面倒を見ることはできなかったのですよ。ここ、サイト-91なら多くのリソースがあります。
SCP-4712-A: サイト-91だと?多くのことが変わったのだな。
ダグラス: それもあなたと話したい理由の一つです。サイト-07から回収された報告書を読みました。我々にはあなたが変化した理由がわからないのです。
SCP-4712-A: 私は選ばれた。
ダグラス: 何のために?誰によってです?
SCP-4712-A: プリモル・ゼウ・ウチガシュprimul zeu ucigaș9が私を選んだ。私は、私たちが敵ではなく味方であると信頼してもらえるよう君らに示す手助けをするはずだったのだ。
ダグラス: ”私たち”?
SCP-4712-A: 肉の作り手、またの名をナルカの信奉者。
ダグラス: サーキシズムのことを言っているのですか?
SCP-4712-A: その言葉は不快だな。それは侮蔑語だ。
ダグラス: 申し訳ありません。マリウス、あなたとナルカとの関係はどのようなものですか?
SCP-4712-A: 私の家族はルーマニアのソロモナリと呼ばれる人々の集団に源流を持つ。私はナルカとして育てられた。私たちは血の儀式を用いて病を癒やし、魔法を用いて飢えを満たした。私がまだ子供だったころ、物乞いたちに果物を恵んでいたのを覚えているよ。飢える者も、恐怖する者もいなかった。だが君たちはみな我々のことを恐れている。私が選ばれたとき、彼らが私を恐れたように。
ダグラス: あなたの元のファイルには、家族の経歴におけるナルカとの関係は言及されていませんね。
SCP-4712-A: おそらく初めて収監された時に財団に教えず、その後も取り上げたりしなかったからだろう。それに加えてだが、我が民は己の信仰を隠す傾向にある。
ダグラス: どうしてです?
SCP-4712-A: 私のいた集団は、外の世界が我々を、いや、我々を知る者たちさえも憎み恐れていることを知って育った。君たちが私を閉じ込めたとき、私は5歳だった。私は怖がって、早くも大変なことに巻き込まれてしまったと考えていた。その後、私は辛くて、自分のために何か1つ残しておきたかったのだよ。
[ダグラスは一瞬メモを確認してから続行する。]
ダグラス: マリウス、あなたはカルキストなのですか?
SCP-4712-A: いや、それは司祭か、またはそれが一番簡単な翻訳だ。カルキストは人々を霊的に導く。
ダグラス: ですが、あなたはカルキストと称する、我々が過去遭遇した存在と同様の異常性を示しています。
SCP-4712-A: 私は我が民の信仰のエキスパートではないよ、エージェント・ダグラス。ソロモナリの同胞を最後に見たのは5歳の時だ。私にわかるのは彼が私を選び、そして私が変わったということぐらいだよ。
ダグラス: でも、なぜあなたが選ばれたのでしょうか?
SCP-4712-A: 彼が私を選んだのは、私のいた場所が理由だ。あの場所は重要なんだ。私は戻らねばならない。
[SCP-4712-Aは前方に手を伸ばし、エージェント・ダグラスの手の上に重ねようとする。接触する前にダグラスは手を引っ込める。]
ダグラス: テーブルのそちら側にいるようお願いします。
SCP-4712-A: 危害を加えるつもりはなかった。聞いてくれ、君たちはゲートを通って私を連れ戻す必要があるんだ。
ダグラス: いいえ、できません。あなたへの質問はまだあります。あなたは我々を手助けするべく選ばれたのだと言いましたよね。そうしてくれませんか。
[SCP-4712-Aは開いた両掌をテーブルに叩きつけ、金属に2つの凹みを形成する]
SCP-4712-A: そうしようとしているだろうが!
[サイト-91の武装した保安職員2名がインタビュー室に入室する。SCP-4712-Aは両掌を掲げて椅子に腰掛ける。SCP-4712-Aは数秒間激しく呼吸し、その後ダグラスに続行するよう合図する。]
ダグラス: マリウス、サイト-07の職員たちには何が起きたのですか?
SCP-4712-A: 我々はとても長い間そこにいた。私は彼らを助けようとした。彼もそれを私に望んでいただろうから。そういうわけで、私は彼らにレザービークス10を狩る方法を教えた。弾薬は長続きしなかったから、彼らには己の骨を使って矢を作る方法を教えてやった。我々がやってきてから数ヶ月後には攻撃が始まり、職員の一部は私の変化と同時期にこうなったのだと考えていた。
ダグラス: 攻撃はあなたと関係があったのですか?
SCP-4712-A: はっきりとはわからないが、そうだと思う。私がより重要な役割につくと攻撃が悪化したのはただの偶然ではない。
ダグラス: サイトが消失した後も司令構造は残っていませんでしたか?
SCP-4712-A: 数人の本職を含む、少数の部隊兵がいた。また一部の上級研究員もいたな。イベント発生時、サイト管理官は地上にいた。
ダグラス: どうして彼らはあなたの言うことを聞いたのですか?
SCP-4712-A: 私が人々の扱いを心得ていて、彼らが私を信頼してくれたからだ。私は彼らにとっての最善の利益を考えていた。
ダグラス: 失礼ながら、十分快適に過ごされたようですが、あなたはアノマリーです。職員はあなたの指示に従わず、あなたを研究し収容するものです。
SCP-4712-A: 慣れるまでしばらくかかったものの、彼らは私の外観を乗り越えてくれたようだった。私は彼らとともに狩りに出かけるようになった。私は役に立ったのだよ。グループの安全に貢献したんだ。我々はそこでは孤独で、誰もが協力せねばならなかった。だがその時私は気づき始めたんだ。
ダグラス: 何に気づいたのですか?
SCP-4712-A: クリーチャーどもは私に惹き寄せられていた。私に近づくとより敵対的になる。特に眼のないやつとレザービークスがそうだった。
ダグラス: 職員には何が起きたのですか?
SCP-4712-A: みんな死んだ。数年後、クリーチャーどもはより組織化された。我々の防衛をテストし始め、忍び込もうと試みた。やがて奴らは突破したんだ。
ダグラス: あなたが唯一の生存者ですか?
[SCP-4712-Aは不満のため息をもらす。]
SCP-4712-A: 私は疲れた。横になろうと思う。もういいかい?
[ダグラスはため息をつき、警備員に合図する。SCP-4712-Aは付き添われてインタビュー室から退室する。]
研究者注: SCP-4712-Aとの交流後、気分の異常な変化は経験していません。元のファイルに記されていた異常性は無力化している可能性があります。
SCP-4712-B 第二次探査
1991年7月12日

SCP-4712-B内の廃墟となった住宅内部。
1991年7月12日、機動部隊ベータ-777の支隊がエージェント・ダグラスを伴って、地表部の調査のためにSCP-4712から出発しました。遠征の目的は1957年の探査記録の確認、生息する生物のサンプル入手、放棄された居留区の完全な文書化等でした。元の部隊遠征記録を基に、職員には爆破・焼夷弾が装備されました。
1957年の探査記録に記されていた放棄された建造物のうち最寄りのものに到達するまでの間、探査チームは若干の抵抗にあったものの、数匹の大型有翼捕食者による攻撃を回避しました。エージェント・ダグラスは精神測定を通して小型の住居を調査しました。建造物と物理的に接触した直後、エージェント・ダグラスは叫び始めました。機動部隊ベータ-777の隊員らはエージェント・ダグラスを鎮静できず、司令部は直ちに基地に帰還するよう命じました。以下は、SCP-4712-Bから引き戻される間のエージェント・ダグラスの発言記録です:
[無関係な記録は隊員らにより削除済。]
あらゆる場所で
それの匂いがしない?あなたたち全員から、ああそんな私からもだ。日の光と暑い草むらに曝された生肉みたいな臭い。あらゆるものの中で味わえる。
あらゆるものの中にそれはいる。
あらゆるものを喰らい、育ってまた育ち、そしてまたあらゆるものを喰らう……何度も何度も
この人たちは嗅げなかったけどそれは何も変わらずここにいて彼らを変えてしまったでもバラバラに引き裂いてはいない?バラバラ、バラバラじゃない……でもバラバラでしょ?それは彼らの指導者に頭の中に腸に入り込んで
それは内側から彼らを喰い尽くした。でも私はそれを嗅げるし味わえる。
彼らはまだここにいるみんな喰い尽くされたけど繰り返してる
嫌、嫌、嫌
そんな
そんなこと
彼らは人間よ……ああそんな、みんな人間なのよ
それは……それはまだここに、あらゆる肉の中にいるわ
ここにはもう場所がない、満杯で息苦しい。もっと必要。それが必要なのよ。
……私たちには穴がある
……それ……それはす──隙間を埋めたがってる、喰いたがっているんだわ
彼女をSCP-4712まで連れていき、そこから引き出すまでの45分間に、エージェント・ダグラスは何度かこの発言を繰り返しました。帰還時、遠征隊の司令官であるケスラー隊長はSCP-4712-1および-3の数が増加していることに気が付きました。
増援部隊がベータ-777に合流してダグラスを引き出し、増加してSCP-4712を突破しようとするアノマリーらを排撃するべく防衛体制を敷きました。
SCP-4712-A 第二次インタビュー
1991年7月17日
インタビュアー – イオナ・ヴァルガ博士、サイト-91管理官
ヴァルガ: SCP-4712の向こうには何があるのですか?
SCP-4712-A: 君らには私をそこに置いていくよう言ったな。
ヴァルガ: もう沢山です!私の大事な職員の1人が精神崩壊を起こしています。ただ私の質問に答えてください。
[SCP-4712-Aは目をこすり、ため息をつく。]
SCP-4712-A: それをどう呼ぶかは知らない。わかっているのはそれがただ飢えていることだけだ。
ヴァルガ: サイト-07の職員たちは如何にして死んだのですか?
SCP-4712-A: やつらが全く以て動物などではないことはわかっているな?あれは遺跡に住んでいた者たちの残りだ。それに見つかる前のな。クリーチャー共は私を探していた。だが私が思うに、その存在(the thing)はゲートを感じることができた。
ヴァルガ: 出口があることを知っていたのですか?
SCP-4712-A: 最初はわからなかったが、数年後には空間が薄くなっているのが感じられた。だがそれで、誰が通ってくる存在どもを止めるのだろうか?彼が私を選んだのだ、私はその存在をゲートに通してやることはできなかった。その向こうに何かあるのはわかっていた──感じられたんだ。クリーチャー共を越える何か、形無き何かを。それに、そもそもあれがゲートであったとして、どこに繋がっているのかもわからなかった。私にできることは薄くなっているのを感じることだけだったんだ。
ヴァルガ: 職員たちにはゲートについて教えましたか?
SCP-4712-A: 無論教えたとも!彼らは私の友人だからな。私はすべてを説明し、彼らは残ることを決めたんだ。戦うべく。私を信頼してな。
ヴァルガ: そうでしょうね。おそらくあなたの異常性のせいでしょう。
SCP-4712-A: 何が言いたい?
ヴァルガ: 自分で言っていたではありませんか。あなたは人の扱いを心得ていた。彼らはあなたを信頼していた。あなたは自分が人々に何をしたか、自分の周りにいる者たちにどう感じさせていたかをわかっています。マリウス、あなたは財団職員で満杯のサイトがゲートを通ることができないと本気で考えていたのですか?どこに繋がっているかをちょっと確認するだけでも?自らの死の可能性を歓迎しようと彼らが合理的に決めたとでも考えているのですか?
SCP-4712-A: わからない。
ヴァルガ: 己のしたことを理解していようといまいと、とにかくあなたは彼らを利用したのですよ。
[SCP-4712-Aは返答しないものの、少しの間座席を変え始めたのち続行する。]
SCP-4712-A: 数年経った後、我々は状況を制御下に置いていると考えた。数体狩って、サイト-07へと入ってこようとするやつらを何体か殺した。もう一週間暮らし、またそれを繰り返した。あの存在がクリーチャー共を操っていることなど知らなかった。まるで肉の操り人形のようにな。それが職員の一部を操っていることなど知らなかったんだ。
[SCP-4712-Aは目をこすって深呼吸し、しばし動きを止めたのち続行する。]
SCP-4712-A: 誰かがバリケードを取り払って扉を開けた。それだけで十分だ。そうして人々はホールで死に瀕し、彼らが逝くのを1人1人感じられた。だが何よりも、彼らの中にそれの臭いが嗅ぎ取れた。クリーチャー共、職員たち、友人たち。そのすべての中にそれはいた。最終的に、彼らはみな互いに殺し合っていた。クリーチャー共がやるよりも早く。
[SCP-4712-Aは再び止まってわずかに震え、自身の手に目を落とす。]
SCP-4712-A: 彼らは最初は武器を使った。次に手。歯。マクレノルズがサミラの喉を喰い破り、自身の目を引き抜くのを見た。保安職員の1人が小槌をピュンの頭に叩きつけ、ホールの床全体に真っ赤なペーストができるまで止まらなかった。至るところに血とクソがあり、そしてクリーチャー共がやってきた。
ヴァルガ: 如何にして終わったのですか?どうしてあなたは生き延びたのですか?
SCP-4712-A: 職員たちよりも能力があったからだ、自分の身を守る能力が。だがずっとは続かなかった。
ヴァルガ: まだ何かありますね?
SCP-4712-A: 皆が死んだ後、それが私の方に来るのが感じられた。それは内側から私を引き裂き、私の供物を取って喰らった。クリーチャー共はためらって引き返した。それはただ己のためだけに私を望んでいたんだ。
ヴァルガ: どうしてそれはあなたを取り込まなかったのですか?
SCP-4712-A: 私はそれを閉め出した。ただ、それだけでは不十分だったことがわかった。ゲートを閉ざせなかった。力が無かったんだ。だが、私がそこにいてそれを抑えている限り、それをあの世界に繋ぎ止めることができた。代償として、私は何かを諦めねばならなかった。 [SCP-4712-Aは歩行補助装置を示す] これが私が歩けない理由だ。私は自分の自由を切り落とした。それの通過を封じ込めるのに必要な代償だった。
ヴァルガ: なぜそれはあなたを殺してしまわないのですか?
SCP-4712-A: それは今や私に結び付けられている。私はそれの一部となった。だがまだ私だ。私は君たちがここですることすべてに対する危険を孕んでいる。
[SCP-4712-Aはヴァルガ博士の目を真っ直ぐに見る。]
SCP-4712-A: エージェント・ダグラスには悪いことをした。本当にだ。だが彼女には私を連れ戻すように言ってあった。
SCP-4712-A: さもなくば、あの人たちはみんな一体何のために死んだって言うんだ。
収容プロトコル更新 – 1991年7月18日: SCP-4712-AはSCP-4712を通して送り返されました。入り口は奇跡論的保護と強化ベリリウム銅製の隔壁で封じられ、ヴァルガ管理官の承認または監督評議会の認可のもとでのみ開放されます。
hostingの訳に関しては、後述するSCP-4712-1をSK-BIO タイプ006(アクロス)のような共生生物として身体に取り込んでいるのか、それともSCP-4712-1~3を制御下に置いているのか判断つかなかったためにこのような曖昧な形に留めている。