SCP-478
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アイテム番号: SCP-478

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-478の実体は必ず感染者が死亡する前に、外科的な措置によって体内から摘出されなければなりません。回収後、それらは生物サイト66に設置された特別製の真空容器に収容されます。SCP-478の実体は固体を通り抜けられないことが確認されているため、容器が破損するまでは恒久的な封じ込めが可能です。

初期~中期の感染者は財団医師によって設立された民間医療施設にて、通常の歯科矯正治療に装って治療を施されます。一般的な施術と同様の範囲内であれば鎮静剤の使用が認められます。

末期の感染者は直近の財団施設に収容され、研究のため生物サイト16へ移送されます。

SCP-478の特殊な性質により、感染者を早期に処分することは認められません。前述のとおり、完治の見込みがある感染者には治療が施され、退院させられます。生存者にはクラスBの記憶消去措置が取られ、偽の記憶が植え付けられます。治療不可な感染者については処分が認められます。

説明: SCP-478は不定なサイズと構造を持った小さな存在で、飛んでいる姿は暗い色調の蝶か蛾の一種のように見えます。野生の個体も多数確認されてはいますが、その捉えどころのない性質により捕獲は困難です。収容されている実体は食事・睡眠・呼吸を必要とせず、繁殖行動も見られません。

捕獲された実体に関するいくつかのテストの結果、SCP-478はいくらかの襲撃性を持ち特に25歳以下の人間を好んで襲うことが判明しています。中でもまだ乳歯が全て生え変わっていない個体が標的になりやすいようです。

SCP-478は睡眠中の標的の口腔内に入り込み、鼻孔に近い上口蓋へ取り付くため、感染者の多くは片方の鼻孔が塞がれた状態になります。鼻腔内の粘液生産が活性化されるため、感染者は軽い風邪に罹ったと感じます。その後感染者の口蓋は通常の歯に加え、歯肉にも歯を生産するようになります。この新しい歯は通常の数倍の速さで成長し、また急速に成長速度と規模を増加させます。

口腔内が全て歯で覆い尽くされた後、症状は感染者の食道へ広がります。2~4日の間に胃の内部が歯で完全に侵食され、さらに肺や皮下組織まで感染が進みます。骨格のカルシウムが新たな歯を作り出すために漏出し、感染者は激しい痛みを覚えます。歯の成長は感染者の消化管を全て覆い尽くすまで続き、その後SCP-478は感染者の口腔から外部へと逃れます。

胃内部の歯は通常の消化作用を受けて吸収されますが、一方で皮膚層には密集した歯組織が形成されます。全ての歯は成長した場所にかかわらず、歯根・神経・エナメル層を持ちます。

SCP-478が何故、どうやってこのような歯組織の爆発的な増加を引き起こすのかに関して、正確なことは何もわかっていません。

補遺: 歴史に関するメモ
ラズミン・イェルコフ博士の歯学研究所に対する財団の捜索によって回収された文書では、SCP-478がSCP-1994において観察される現象の主要要因であることが示唆されています。イェルコフ博士がSCP-478とコミュニケーションし、それを捕獲することができたかについて調査が進行中です。

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