カルヴィン博士の提言
アイテム番号: SCP-4804
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-4804-1実例の一部はサイト-32の防音収容室に持ち込まれます。 さらなる収容のために何ができるかを決定するために、それらの神経学および行動の分析を記録してください。
説明: SCP-4804は世界の人口の約0.7%に影響を与えている現象です。この割合はSCP-4804の最初の記録以来大きく変動しています。SCP-4804-1に指定されるSCP-4804の影響を受けた個人はオレンジは存在しないと信じています。
この現象は、オレンジの木、果実そのものを含みますが、これらに限定されないジュース、洗剤、ポップカルチャーなどすべての派生製品にも及びます。SCP-4804-1実例は、オレンジは単なるリンゴの変種であるという考えから、オレンジが政府の陰謀であること、オレンジ関連の製品を全く知覚できないことまで、オレンジを疑問視する様々な根拠を挙げます。
SCP-4804の発生源は判明していません。しかしながら、SCP-4804の拡散の分析はミーム災害もしくは伝染性のアノマリーへの曝露のいずれかを示唆しています。最近の実験では、SCP-4804は伝染性ではないことが示唆されていますが、フィールドエージェントらによる事例報告はこれらの主張に矛盾しています。
補遺: SCP-4804は2019年3月11日、ノース博士が彼の親戚の何人かがオレンジジュースを見て腹を立てたことに気付いた際に発見されました。SCP-4804が大きなコミュニティから孤立している農村地域のコミュニティの非SCP-4804-1個体に対し主に影響を及ぼしていたことによりSCP-4804の発見は遅れたと考えられています。
長所:
- SCP-4804の拡散はミームエージェントを反映しているように見える。
- SCP-4804の効果の詳細な説明を提供している。
短所:
- SCP-4804の発見の欠如は孤立のせいではないと考えられている。
- ラヴクラフトの "オレンジ"文書について言及していない。
- 文書は多くの点が曖昧のままである。
- テレサインシデントに言及していない。
ミダエス博士の提言
アイテム番号: SCP-4804
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-4804実例はサイト-19のSafeクラスアイテムロッカーの中に保管されます。ミーム部門は、SCP-4804-1の感染を一掃するために使用される反ミーム兵器を開発します。SCP-4804-2実体の収容は彼らの物理的特性が確認された後に行われます。財団の管理下にないSCP-4804のコピーは押収され焼却されます。
説明: SCP-4804はアメリカのホラー作家H.P.ラヴクラフトによって不明な時期に書かれた、 ザ・オレンジと題された短編小説です。粗筋は、青年達のグループが洞窟内を冒険し、やがて別の時間軸へと抜け出したが、そこでは『オレンジ』と名付けられた大きなオレンジ色の実体が我々の次元へと侵入を試みている、というものです。物語は、青年達の内の1人だけが、彼だけに見える最初のオレンジが世界に入るのを見る前に脱出することで終わりを迎えます。
SCP-4804の15%以上を読むと3つの効果があることが確認されています。
- 読者の30メートル以内に1〜9個のオレンジの自然発生。
- オレンジ(果実)は、元々ラヴクラフトによって作成されたフィクションの作品であるという確信。
- 稀に、SCP-4804-2の出現。
オレンジをフィクション作品として信じ始めた場合(SCP-4804-1の影響に分類される)、彼らは、オレンジは単なるリンゴの変種であるという確信やオレンジが政府の陰謀であること、オレンジ関連の製品を全く知覚できないことを根拠に積極的にオレンジの存在を否定します。
SCP-4804-2は大きさ、外観または物理的性質が不明な知覚することのできない実体です。彼らの存在の唯一の証拠は物理的な世界で行動するための彼らの能力です。SCP-4804-2実体はSCP-4804-1の既知の媒介物であり、実体は人間の被験者に脳内出血を引き起こす能力があると考えられています。
補遺: SCP-4804の原本はラヴクラフトの死後まもなく彼の財産から発見されました。それは不特定多数の"パルプ"雑誌に掲載されたと考えられています。SCP-4804の一部は、他の作家による彼ら自身の題材へ使用するために盗用され、このことが人々に比較的高い曝露率をもたらしたと考えられています。
SCP-4804の異常性質は、フランク財団清掃スペシャリストがオレンジは実在すると主張した後に彼の家族により襲撃された後に発見されました。SCP-4804-1とSCP-4804-2がどのようにして長期間検出されなかったのかは不明です。 反ミーム事象が疑われましたが確認されていません。
長所:
- ラヴクラフトの "ザ・オレンジ"や他の存在に言及している。
- アメリカ合衆国でのオレンジの自然発生に言及している。
- 反ミーム事象の可能性を述べている。
短所:
- "拡散"理論は理論的予測と一致していない。
- テレサインシデントに言及していない。
- SCP-4804-2の説明がラヴクラフトの解釈に基づいており、事実に基づいていない。
ウェストリン博士の提言
アイテム番号: SCP-4804
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-4804は既に発生しているため、収容はSCP-4804が触れられていない出来事に対処する形で、またその事象が再び発生した場合の対策をする必要があります。 SCP-4804の影響を受けていない個人は、オレンジの偽の記憶を埋め込むためにサイト-64に運ばれます。さらなる収容はSCP-4804の正確な性質が判明すると実施されます。
説明: SCP-4804は2019年3月11日以前のある時点で発生したCK-クラス"歴史再構築"シナリオです。SCP-4804はこのイベント以前には存在しなかったオレンジの作成を伴いました。未知の理由により何人かの個人はSCP-4804の影響を受けないようであり、そしてオレンジは実在しないと信じて、彼らの考えを正当化するために様々な事象を根拠として挙げます。
財団管理衛星からの写真。SCP-4804-1実体により擾乱が発生した位置に丸が付けられている
SCP-4804-1はSCP-4804の原因の可能性のある反ミーム実体です。SCP-4804-1実体の性質は不明です。 しかし、クラスW記憶補強薬を使用しているエージェントは、それらを不定形の大きなオレンジ色の非晶質実体であると説明します。SCP-4804-1実体は不定の間隔で自発的にオレンジを出現させるため、記憶補強薬なしで検出が可能です。上記のようなSCP-4804-1に対する長期の知覚は、SCP-4804に対する免疫を引き起こします。
補遺: SCP-4804の正確な日時は判明していません。しかし、H.P.ラヴクラフトがSCP-4804-1実体を詳細に記述した"オレンジ"と題した短編小説を執筆したため、1937年3月15日以前に発生したと考えられています。1927年9月19日は、このイベントの最も可能性の高い日付として指定されていますが、これは[データ編集済み]が作動した日付と一致しているためです。
長所:
- SCP-4804の影響を受けない者は高いヒューム値を保持しているように見えるという事実に言及している。これは現実改変に対する抵抗を意味する。
- アメリカ合衆国でのオレンジの自然発生に言及している。
- テレサインシデントに部分的に言及している。
短所:
- オレンジは紀元前9世紀に遡る。歴史の全てが変えられたものであるならば、CK-クラスイベントは特徴的でなく完全でなければならない。
- SCP-4804-2の説明がラヴクラフトの解釈に基づいており、事実に基づいていない。
O5-1の提言
アイテム番号: SCP-4804
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-4804は収容されていません。 財団に雇用されている職員全員、特に上級管理職の職員の分析は、敵対的な実体の影響を受けている人物がいるかどうかを判断するために行われます。財団はSCP-4804に対抗するための防衛システムを構築します。この手続きに携わる職員は、記憶鍛錬と財団忠誠度試験を受けます。
説明: SCP-4804は基底現実に立ち入ろうとする敵対的な超次元実体です。SCP-4804の正確な目的は不明のままですが、実体は人間の全個体を征服しようとしているように見受けられます。
基底現実では、SCP-4804は2つの形態を取ります。
- SCP-4804-1、口語的にオレンジと呼ばれる柑橘系の果物。
- SCP-4804-2、不定形の反ミーム実体。
SCP-4804-1実体が消費されると、人々はSCP-4804に"感染"し、実体は彼らを物理的に完全に支配することができます。SCP-4804は大多数の人間に感染したと考えられています。しかしながら、ごく一部の人々はSCP-4804に免疫を持ち、SCP-4804-1を視認することができない一方で、SCP-4804-2を視認します。人間の精神にはSCP-4804-2の完全な形態を理解することが不可能であることから、免疫を有する人物はSCP-4804-2を目撃したことに対して常に合理的な説明付けを試みます。
テレサインシデント: 2019年3月11日、SCP-4804-2は雲の下に降り、イリノイ州の上空に現れました。大多数の人々はその実体を知覚することができませんでしたが、免疫のある人々がそれを"神"、"オレンジ"、他の様々な形容辞と称して、慌てて逃げ始めました。この集団ヒステリーはインターネット上で拡散され、財団のWebクローラーに当イベントの削除を必要としました。
補遺: H.P.ラヴクラフトはSCP-4804-2に関して "オレンジ"と題された短編小説を書くことができたため、SCP-4804に免疫を持っていたと考えられています。これを超えたラヴクラフトとSCP-4804との性質の関係は判明していません。
SCP-4804を緊急の脅威に分類する要請は保留中です。SCP-4804を直ちに機密扱いとする要請は却下されました。
長所:
- テレサインシデントに言及している。
- 反ミーム事象に言及している。
- "オレンジ"という異常文書に言及している。
短所:
- O5-1はO5評議会のメンバーではない。
- O5-1はオレンジの光に曝されていない。
- 我々は暗闇へは入らない。