アイテム番号: SCP-4824-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-4824-JPに関する全ての言及はデジタル及び印刷メディアから削除されます。SCP-4824-JPの出現が確認された場合、当該地域にはカバーストーリー「気象観測」が流布され、同高度に複数のダミー用気球が配置されます。
説明: SCP-4824-JPは高度約6000mの上空を浮遊するレジャー用熱気球です。SCP-4824-JPは約2ヶ月に1度の周期で、極地を除く世界各地の特定地域に出現します。
SCP-4824-JPは気流を始めとした外部からの物理的な干渉を受けず、出現した地点で完全に静止しています。上空から撮影された映像により、籠の中は無人である事、本来バーナーが設置されている箇所には1つのホール状のショートケーキが存在している事、上部には炎の付いた標準的なサイズの赤いろうそくが置かれている事などの情報が判明しています。炎は周囲の気象条件に反して常に安定した燃焼を維持しており、ろうそくから溶け出たロウがケーキの表面を伝い籠の中へと落ち続けていますが、本体の質量の減少や形状の変化は観測されません。
当アノマリーは「上空6000m地点に熱気球が浮かんでいる」という特異的な状況であるにも関わらず、出現地点周辺の地域住民からは「この地域でよく見られる光景」として受容されており、SCP-4824-JPに特段の関心を示さない傾向が見られます。これらの影響のためか、観測された初期報告の多くは当該地域外部から訪れた観光客から寄せられた物です。
例外的に現地住民からSCP-4824-JPの発見事例が報告される場合があり、それらの報告者には共通する以下の傾向が確認されています。
- 観測時、他者との直接的な交流がない孤独な状態にある。
- 全天に対する雲量が7割以上を占めている。
- 自身の居住地、あるいはその半径4km圏内に位置している。
- 当日が自身の誕生日であり、かつその事実に対して否定的な感情を抱いている。
これらの観測事例において、SCP-4824-JPはレジャー用熱気球ではなく複数の浮遊する風船の束のように観察される事が判明しています(以下、この状態で観察されるSCP-4824-JPをSCP-4824-JP-Aと記載)。SCP-4824-JP-Aは紐で繋がれた下部には何かが吊るされているような挙動を取りますが、目撃証言の内容は総じて「雲に隠れていて見る事ができなかった」といった内容に留まっています。
補遺: 2025/██/██、サイト-81TK内で行われたエージェント・春宮の葬儀中、SCP-4824-JPの出現とSCP-1581-JPの発生が同時に観測されました。
SCP-4824-JPは出現後、高度6000m地点から急速な下降を開始し、周辺地域からは「街中に気球が落ちてくる」といった通報やSNS上での投稿が相次いで発せられました。当該事案中、SCP-4824-JPは地域住民からも正常に観測されており、寄せられた通報の件数は実際に街中に気球が出現した場合に想定されるシミュレート結果と同様の数値が示されています。
SCP-4824-JPは最低高度が約700m地点を記録したタイミングで突如としてその場から消失しました。周辺地域にはカバーストーリー「気象観測用気球の不時着」が流布された後、3時間に渡る記憶処理措置が実行された事で一連の混乱は収束に迎いました。
複数の職員が記録していた映像の解析により、SCP-4824-JPとSCP-1581-JPとの直接的な接触は観測されませんでしたが、春宮整備技師1は他の職員らの情報と異なる旨の証言を行っており、その内容はSCP-4824-JP-Aの概要に近い物となっています。
事案発生当日、春宮整備技師は自身の誕生日を迎えており、葬式会場は彼の居住するサイト居住区画内に併設された物でした。全天の雲量は9割を占めており、現場には小雨が振り注いでいました。
事案後に行われたインタビューにより春宮整備技師から得られた証言の概要は以下の通りです。尚、証言中の春宮整備技師は精神的に不安定な状態にあり、事案中は軽度の錯乱状態に陥っていた事から、これらの証言の示す信頼性は十分ではない事に留意してください。
- SCP-4824-JP-Aの下部にはバスケット籠のような物が吊り下げられており、端からはタオルのような物がはみ出しているように観察された。
- SCP-1581-JPによって発生した風船は、SCP-4824-JP-Aを避けるようにして上昇した。
- SCP-4824-JP-Aのバスケット籠の中から1本の腕が伸び、発生した風船を掴もうとしていた。
- 腕の持ち主は半身を乗り出し、最終的に風船の内の1つを掴む事に成功した。
- 風船を掴んだ瞬間のみ、下方を向いていた人型実体と視線が合った。
- 人型実体は、自分自身であった。



