SCP-4849

評価: +7+x

アイテム番号: SCP-4849

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-4849はサイト234の低優先度貯蔵ロッカーに保管し、1kgのラードを週に1回与えて維持してください。SCP-4849を用いた実験は研究主任とサイト管理官の承認が必要です。

説明: SCP-4849は知覚能力を持った生きている脂肪組織の薄板であり、防護服として着用できるよう設計および裁断されています。

不活性状態のSCP-4849は平板状の人体に似た形状であり、2cmの厚みを持っています。生きた人間の皮膚に接触するとSCP-4849は活性化し、接触した箇所で対象と融合した後にその人物を完全に覆うように伸展します。

SCP-4849は任意の表面に口(直径0.6~30cm)を瞬時に発生させることが可能です。口は奥行が変化する余剰次元の喉腔に繋がっており、跡形もなく現れたり消えたりします。装着者が攻撃を受けた場合に限りSCP-4849は十分なだけの奥行を持った状態で口を出現させ、突入してくる発射体や武器を丸呑みした後に口は閉じられます。

SCP-4849を装着している間、被験者の発話は顔面に出現した小さな口を通じて行われます。発話を止めている最中にはこの口は消失します。

SCP-4849はSCP-3839を利用した作業の調査に従事していたプロメテウス研究所の子会社施設で発見されました。施設は封鎖されていたものの操業中のままであったため、機動部隊カイ-6("プロムのデート相手")が施設への突入と調査のために配備されました。

実験的なバイオプリンティング装置数点、後ほどSCPオブジェクトへと分類される異常機械2台、およびデータ12TBを機動部隊カイ-6は回収しました。最下層を探索中のカイ-6隊員は人体に装着されたSCP-4849に遭遇しました。機動部隊は交戦を開始しましたが、所持していた武器ではSCP-4849へ損傷を与えることができませんでした。最終的に機動部隊隊員の1人が催吐殺害エージェントEmetic Kill Agentを含むガス手榴弾を投げたことによってSCP-4849は無力化されました。SCP-4849は手榴弾を飲み込んだ後、16箇所に開けた口々から凝脂と弾丸と血液の混合物を吐き出しながらのたうち回り、地面に崩れ落ちて不活性化しました。

不活性化したSCP-4849は平らになるとともに装着者から外れ、プロメテウス研究所の元職員であり1998年の倒産後に子会社に所属を移していたローレンス・キャロウェイ博士の死体が露わになりました。その後、SCP-4849は回収されてサイト-234に運ばれました。

補遺: SCP-4849の口を探索する試みが承認され、SCP-4849は被験体D-11424に装着されました。カメラ付きの小型ドローンにはケーブルが取り付けられ、手製の銛とともにD-11424に向けて射出されました。予想に違わず、SCP-4849は口を開けて観測器を飲み込み、開いた口が塞がらないよう即座に金属製の留め具が差し込まれました。

探索ログ4849-1

[ログ開始]

ドローンがSCP-4849の口に進入しライトを点灯させる。喉腔の内側全体が粘性のある黄色い脂肪で覆われている。

ドローンが脂肪試料の採取に成功する。D-11424は気付いた様相を示さない。これにはSCP-3839の本体と同様の遺伝子マーカーが存在していることが後の試料分析により判明している。

喉腔の約25m地点は瘢痕の目立つ部分となる。喉腔の壁面から未知の有機酸が少量生成されていたことは注目に値する。

喉腔の45m地点では壁面が小さな(~1cm)絨毛で覆われてくる。これらの絨毛はリズミカルに波打つように動き、ドローンのライトに追従する。

80m地点で絨毛は5cmを超える長さとなり、ドローンを捕獲しようと試みる。ドローンはそれらを回避することに成功した。D-11424は喉を掻いて咳をしようとする。

119m地点でドローンは喉腔の逆側終端に到達し、直径約75mの半球状の大きな空間に進入する。ドローンが通ってきたものに似た数百の喉腔が壁面と天井に見える。ドローンが下方に傾き、床面が泡立つ酸と不明の臓腑で浸されていることが分かる。

ゼラチン質の大きな蔓が液面から現れてドローンを巻き込もうとする。ドローンは何とか回避したがメインカメラは油膜で見えなくなり、バックアップカメラに切り替わる。

ドローンが視点を上に向けると、空間の天井に幅約20mの大きな開口部があることがわかる。ドローンは上昇してこの空洞に入る。唾液を分泌する長さも形も様々な舌で埋め尽くされている。

低いゴロゴロ音が聞こえる。ドローンが更に上昇すると空洞を覆う舌が二股に裂け、約180mの地点になると手や腕のような形状に分化する。

D-11424は不快な様相を呈して咳き込む。それと同時にSCP-4849表面上に29個の小さな口が開いて一斉に咳をした後に閉じられる。

ドローンは上昇を続ける。D-11424が腹部を押さえて弱々しい悲鳴を上げる。空洞が収縮してリズミカルに脈動する。上方からの大量(推定20万L)の液体脂肪をかぶりドローンは圧壊する。人型存在や死骸が様々な状態で脂肪の中に貯蔵されている様子を捉え、残ったカメラは停止する。

口が閉じることで留め具は粉砕されてケーブルも切断される。3分後、D-11424の足に開かれたSCP-4849の新しい口が嘔吐し、ケーブル、ドローンの破片、17人分の人間の脳を喀出する。その後にSCP-4849は不活性化し、D-11424から取り外された。

[ログ終了]

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