SCP-4887

評価: +9+x

アイテム番号: SCP-4887

アノマリークラス: Keter

特別収容プロトコル: 地球はカテゴリ-H1検疫ゾーンに指定されました。SCP-4887個体は発見され次第収容し、利用可能な任意の気密容器に入れてから、ドローンを介して地下保管倉庫Subterranean Storage Warehouse-PERIANTHへ移送します。SSW-PERIANTHから20km圏内に人間が存在する場合、検疫プロトコル違反と見做され、場合によっては終了措置が取られます。

SCP-4887感染の兆候を示した人間は軌道上狙撃で排除されます。


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SCP-4887個体。

説明: SCP-4887はセイヨウミツバチ (Apis mellifera) の幼虫と物理的に同一な多数の生命体です。SCP-4887は如何なる時点でも成虫のハチにならず、人間が消費することを意図して作られた物質に向かって常時這い進んでおり、到達するとその中に埋まって休眠状態になります。SCP-4887の方向感覚が及ぶ範囲の限界は知られておらず、1匹の個体は150km以上離れた場所にある少量の食品を検知できます。SCP-4887は物理的な危害の影響を受けず、栄養、酸素、光無しで無期限に生存できるようです。

人間に消費されると、SCP-4887は消化器官の内壁に吸着し、対象者の生理機能を劇的に変化させます。頭蓋と顎の全ての骨が即座に折れ、首、胸、腕の筋肉と脂肪は上方に移動して顔の周囲に密集します。その後、対象者の口は変形し、縁に細長い歯が等間隔で並ぶ直径2~5mの開口部を形成します。対象者はこの開口部を不随意的に地面に押し付け、膨張した舌で土などの物質を掘り進みながら有機化合物を求めます。これが感染の第1段階と見做されており、完了までに通常2~20分かかります。

対象者の舌が十分量の有機物 (木の根、土壌、昆虫、小型哺乳類など) を感知すると、消化酵素が放出されて、対象者は第2段階に移行し、舌乳頭からタンパク質や繊維を吸収し始めます。追加のバイオマスは、対象者の股関節を脱臼させ、両脚を肩に向かって下降させ、胴体を空中に向かって伸ばすために使用されます。四肢 (この時点で首を中心に放射状に配置されている) は太くなって広がり、幅10m、厚さ50cmの光合成物質の固い膜を形成します。組織サンプルを紫外線で分析した結果、この物質には複雑なフラクタル螺旋模様があることが判明しましたが、この模様の存在意義は不明です。これらの組織構造が形成されるまでの平均時間は、感染後30時間です。第2段階の完了前に終了処分を実行すれば対象者は死亡しますが、SCP-4887個体は無力化されません — 従って、対象者の腹腔内から手作業で回収し、通常通りに収容する必要があります。

第2段階の完了から2日~3週間後、第3段階が始まります。脚を失った対象者の胴体は膨張して紫がかった色合いになり、体内は新たに形成されたSCP-4887個体群によって消費されます。この時点で敵対的な対応は推奨されません — 幼虫嚢は刺激しない限り破れませんが、破裂すると高圧の腐食性流体と共に数千匹のSCP-4887個体を放出します。新たに形成されたSCP-4887個体は高エネルギー衝撃に対して脆弱ですが、嚢の破裂から5時間後には事実上破壊不可能になります。現在、世界各地で合計430名の第3段階感染者が確認されています。


補遺 | 事案4887-10A86: 2050/09/02、最も長期間生存していた第3段階感染者 (旧名 ランドール・マカリスター、2038/08/22感染) が、体長およそ350mの異常なハチ型実体 (AE-4887-1) に襲撃されました。当該実体は外見的に女王ミツバチに似ていたものの、より細長く空気力学的な体形で、様々な長さの脚が数十本生えていました。翅の存在は記録されていませんが、目撃者の証言によると、6枚の半透明な円盤が移動中の実体を周回していました。

AE-4887-1は地球低軌道に3時間滞留した後、大気圏に突入し、飛行しながら、幼虫で満たされたマカリスター氏の腹部を四肢及び首から切除しました。AE-4887-1はその後雲層を抜けて、この現実世界から消失したか、何らかの超光速ジャンプを実行したか、現時点で未知の迷彩メカニズムを用いたかして行方不明になりました。AE-4887-1の現在地、性質、種族、異常な能力の範囲は不明です。マカリスター氏の残された体組織は急速に乾燥し、死亡と判断されました。

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