SCP-4889
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アイテム番号: SCP-4889

オブジェクトクラス: Euclid

初期収容プロトコル: SCP-4889が所在する森林地帯は、SCP-4889の正確な位置から半径120 mの範囲を高さ2 mのチェーンリンクフェンスで囲います。SCP-4889-Aの詳細が判明し、その上で安全な捕獲方法が提案されるまで、財団の関与は遠隔での監視のみに留められます。二次収容はSCP-4889-Aの発生源および判明している親類の特定も目的としています。

説明: SCP-4889は体長49 cmのカンジキウサギ (Lepus americanus) であり、ワシントン州、キャバノー湖の北東約9 km地点に位置しています。

SCP-4889は足下の岩を離れることができません — SCP-4889の足の裏は未知の手段で岩と結合しています。加えて、SCP-4889は再生特性を有しており、失われた生体組織や臓器を置換することができます。

SCP-4889-Aは人間であり、年齢は不詳であるものの、20代半ばであると推定されています。SCP-4889-Aの服装は発見以来変化していません。

SCP-4889が生息する地帯に雪が降り始めてから約2時間後、SCP-4889-Aが出現してSCP-4889を生きたまま貪ります。この行為の長さは30〜120分の間で様々です。それから約30分後、SCP-4889は臓器を再生し、ちぎれた筋肉や肉体を再構築し始め、意識を取り戻します。

監視から推察するに、SCP-4889-Aは生存のためにこれを行っていると見られていますが、それと同時に儀式として行っている可能性も考えられています。

監視ログ: 以下はSCP-4889の周囲の森に設置した隠しカメラおよびマイクから得られた記録映像です。

監視ログの書き起こし

日付: 2019年2月9日


[ログ開始]

SCP-4889は静止している。約3分間はほとんど活動していない。小さなギシギシという音が西から接近するのが聞こえる。SCP-4889-Aがフレーム内に入り、木々を抜けてSCP-4889へと向かう。SCP-4889-Aは明らかに足を引きずっており、右脚のほうに体重を乗せている。

SCP-4889-Aがペースを落として停止する。

SCP-4889-Aが四方を見渡す。

SCP-4889-Aが約30秒間静止し、SCP-4889に近づく。SCP-4889が岩から移動しようとするが失敗する。SCP-4889-Aがしゃがみ、SCP-4889の背中に左手を置いて撫でながらおとなしくさせる。SCP-4889が動きを止めるものの、目に見えて息が荒くなっている。

SCP-4889-AがSCP-4889に右手を当て、前足や後ろ足にほとんど気を配らずに身体に触れる。

SCP-4889-A: 今夜の君はちょっと大きくなったね。前の雪から数日経ったんだね。それともちょっと肉を残したからかな。ああ…… そっちのほうがありそうだ。

SCP-4889-AがSCP-4889の両耳付近を触る。

SCP-4889-A: 相変わらず柔らかいね。君の耳はいつだって気に入ってるよ。

SCP-4889-Aが唾液を飲み込んだと思われる音を発する。SCP-4889はこれに目に見えて驚いている。

SCP-4889-A: あっ! ごめんごめん。怖がらせるつもりじゃなかったんだ。ごめんね。しーっ、しーーっ。よしよし。

SCP-4889-Aが約40秒間これらのフレーズを繰り返す。その後、SCP-4889の目の前に座る。

あらゆる物が約20秒間静止する。

SCP-4889-A: 兄さんが僕のところに訪ねてきたんだ。もうすぐ大学を卒業するって言ってた。もうその話はしたよね? ……うん、したかな。僕は何も言えなかった。あまり言いたくないんだ。兄さんはそれを分かってる — 僕には分かるんだ、兄さんがそれを分かってるって。

SCP-4889-Aが両手を引っ込め、膝の上に置く。

SCP-4889-A: ……けど兄さんが来たのはそのためじゃない。父さんがまた咳をし始めたって言ってきたんだ。兄さんが言うには…… それは……

SCP-4889-Aが両手で左脚を擦る。

SCP-4889-A: ……それは僕のせいだって。でもさ、どれだけ食べればいいのか分からないのにどうして僕のせいになるんだろうね?

SCP-4889-Aが数回ほど深呼吸する。

SCP-4889-A: 僕は言ってやった、「兄さんは僕より難しいことをやってるように振る舞ってる」って……

あらゆる物が一瞬静止する。SCP-4889-Aが陽気に笑う。

SCP-4889-A: 兄さんはそれが気に食わなかった。これっぽっちも。でも…… でもさ、じゃあどうすればいいっていうんだ? 兄さんは助けてくれない。父さんも絶対に助けてくれない。父さんがそこまで "元気である" のなら、じゃあなんでここにいないんだって話だろ? ……それで、兄さんが何を言ったのか分かる?

SCP-4889-Aが左脚を擦る。

SCP-4889-A: 「ごめんな」ってさ。兄さんはそう言わざるを得なくなったら決まってそれしか言わない。けどそれは心からの言葉じゃない。そうじゃないって分かるんだ。

SCP-4889-Aはしばらく静かに座っている。SCP-4889-AがSCP-4889に手を伸ばして撫でる。

SCP-4889-A: アイツらは僕に感謝するべきなんだよ。アイツらがこれから僕のために何かしたとしても、僕のほうがアイツらのためにそれ以上のことをやったんだ。

SCP-4889-Aが両手をSCP-4889から離し、約20秒間静止する。SCP-4889-Aが両膝をつき、頭を低くする。呟きが聞こえるが、内容までは聞き取れない。SCP-4889-Aがゆっくりと身をかがめ、両手で顔を覆う。

あらゆる物が約5分間静止する。

SCP-4889-Aが鼻から勢いよく息を吸い込む。SCP-4889はこれに目に見えて驚いている。

SCP-4889-Aがブーツから刃の薄いナイフを取り出し、SCP-4889に突き刺す。

SCP-4889が金切り声を上げる。

SCP-4889-A: やめろ。やめるんだ。

SCP-4889-Aが空いているほうの手をSCP-4889に置き、筋肉を削り始める。SCP-4889は金切り声を上げ続け、移動しようともがいている。

SCP-4889-A: ……やめてくれ。

SCP-4889が悲鳴を上げる中、SCP-4889-AがSCP-4889から筋肉や臓器の塊を引きずり出す。SCP-4889-Aが結合組織から筋肉を引き離し、数切れを口の中に入れる。SCP-4889の金切り声が大きくなる。

SCP-4889-A: 泣きやめって言ってるだろ!

SCP-4889-AがSCP-4889の頭蓋骨と頸部に拳を4回叩き込み、それぞれの殴打で頭蓋骨と頸部が自身の足下にある石と接触する。SCP-4889は頸部を起こさない。SCP-4889-Aが石の上に肉を置き、SCP-4889の頭部を持ち上げる。

SCP-4889の鳴き声がSCP-4889-Aの殴打で弱まる。SCP-4889-Aが頭蓋骨を10回以上殴打する。

SCP-4889-A: ……ごめん。

SCP-4889-AがSCP-4889から手を離し、SCP-4889がぐったりと倒れる。SCP-4889-Aが30秒後に元の位置に戻り、石の上にある内臓を見て、躊躇しながらも肉片を拾い上げる。その後、SCP-4889-Aがゆっくりと肉片を食べ進める。SCP-4889-Aが噛みながらSCP-4889からさらに肉を切り出す。これが約39分続く。この間、SCP-4889とSCP-4889-Aは沈黙している。

[ログ終了]

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