SCP-489-JP
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係留中のSCP-489-JP。画像左からSCP-489-JP-1から3。

アイテム番号: SCP-489-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-489-JPは、I5サイト群内に設置された武装収容サイト-8140「パノラマ島」B-5区域のドックに収容されます。B-5区域には高さ10 mの電気防護柵を設置し、武装した保安要員6名を監視に当たらせてください。また、周辺にはCAPTOR機雷が敷設され、常時起動状態にあります。現在、SCP-489-JPに関する実験や調査は、実験区域の中で行うものに限りセキュリティレベル3以上の職員に対して許可されています。ただし、いかなる理由があろうとも、SCP-489-JPの周囲に「鮫」に関する物品を持ち込むことは禁止されています。

説明: SCP-489-JPは、全長20 m、排水量約50 tの高速攻撃艇3隻から成っています。3隻とも国籍、所属を示す痕跡は一切確認されていませんが、ブリッジの左側には白抜きで「S.P.C」と塗装されています。「S.P.C」が何を意味するのかは不明です。各SCP-489-JPは自律して動くので、移動させる際は曳船を利用してください。3隻はそれぞれSCP-489-JP-1から3と定義されています。

SCP-489-JPの外装は金属および樹脂素材で構成されていますが、損傷した箇所を自然に修復することが可能です。燃料タンクの内部には石油分解菌と魚介類の死骸が蓄積しており、通常ではあり得ない速度で燃料を精製していました。収容後の実験ではディーゼル燃料を使用していますが、特に異常は見られません。ブリッジ下部から艇首部分にかけて、脳と見られる神経系と高度に発達したメロン体が存在しています。特に、メロン体は音響兵器として使用できるレベルの音波も発生させることが可能と判明しました。また、観察によって全てのSCP-489-JPは2時間程度の潜水が可能であることも確認されました。

SCP-489-JPは、各サメ目の魚類、その中でも特に大型の鮫に対する異常なまでの攻撃性を有しています。自身の半径█ kmに存在する各サメ目の兆候を捉えると操縦を受け付けなくなり、最大で時速██ ノットまで加速して鮫に体当たりを試みます。3隻は互いに意思疎通を行っていると見られ、鮫の捜索や攻撃の他に、損傷した個体を守るためにチームとして行動していることが確認できました。

どのような目的で鮫を集中的に攻撃するのかは、現時点では判明していません。ただし、収容前の報告からSCP-489-JPの持つ攻撃性は徐々に無差別化、過激化しているものと判断されます。1980年代頃から、鮫以外の大型魚類、クジラ目の哺乳類、漁船や潜水艦も攻撃の対象になっていることが報告されています。これは長期間「獲物」にありつけないストレスの結果と考えられ、大型の鮫の個体数減少との関係が指摘されています。SCP-489-JPが互いに軽い体当たりを行う事例も観察されていますが、これもある種のストレスに因るものと思われます。

また、全てのSCP-489-JPは生体以外の「鮫」に関する物品にも反応を示します。生体の鮫に対するよりも反応は鈍感ですが、攻撃そのものは生体に対するものと変わりありません。この性質は重大な収容違反に繋がる恐れがあるため、特別収容プロトコルに「鮫」に関する物品の持ち込み禁止が明記されました。詳細は以下の実験記録を参照してください。

SCP-489-JPは、1950年代前半から出現が報告されており、各国海軍などで不審船として報告されていました。財団は、各種報告と他の海洋性SCPオブジェクトに接触する可能性から捕獲作戦を実行しましたが、全ての試みは失敗に終わりました。19██/██/█、小笠原諸島母島沖合で対象を捕捉。日本支部に対して捕獲作戦の実行が委任されたため、捕獲作戦「渦潮」を発動しました。この作戦によって全ての対象の捕獲に成功し、SCP-JPのナンバーを付与してSCP-489-JPと定義されました。

補遺-489-JP-1: 種子島 調査員の追跡調査から、各国海軍やその他の機関によるいくつかの遭遇例で、規則的なクリック音が録音されている事実を把握しました。一部を解析した結果、クリック音の信号は欧文モールスの文章を構成していることが判明しました。このことから、SCP-489-JPの知能が人間のそれに近い可能性が示唆されています。現在、クリック音の全録音を解析中です。

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