財団歴史記録部門
以下の文書はアーカイブされています。
アクセスは広範にわたる記憶処理治療を受けた承認職員にのみ許可されます。当文書のコピーのうち残存しているのは、以下の物理文書、ならびにレベル3/4891クリアランスを有する職員にしかアクセスできないデジタルコピー1部のみです。
当文書の閲覧中に羽音が聞こえた場合、チャンバーのスプリンクラーシステムを直ちに作動させ、殺虫剤をベースとした記憶処理剤を散布してください。
アイテム番号: SCP-4891
オブジェクトクラス: Keter Apollyon
特別収容プロトコル: SCP-4891の収容が進められています。SCP-4891個体は発見次第終了してください。SCP-4891の研究中は、保護領域外で防護服や保護具を外してはいけません。
巣作り中のSCP-4891個体が存在する一帯は直ちに隔離下に置き、全ての巣と個体を焼却処分する必要があります。
被影響者には身体感覚を認識させないようにするために鎮痛剤を投与し、アノマリーの除去のために記憶処理治療を施します。人口密集地区が被影響者であふれた場合、大量安楽死を実行します。
K-クラス4891シナリオが発生した場合、殺虫剤化合物を混合した記憶処理剤が被影響地帯に散布されます。
更新: 化合物の生産および追加のサイトへの運搬が進められています。
説明: SCP-4891はMegaselia scalaris (クサビノミバエ) の異常種です。SCP-4891個体は他の生物 (主にヒトやウシ) との直接接触で拡散する認識災害を伝達することで繁殖します。異常性が活性化するには、SCP-4891個体と接触していることを被影響者が簡潔に認識する必要があります。
影響を受けて以降、被影響者が自身にSCP-4891個体や昆虫が接触しているように意識する度に、新たなSCP-4891個体が被影響者の身体から出現します。これは痒みや軽い接触で引き起こされる場合がほとんどです。この効果により視界に入る個体数が増加するため、被影響者は似たような触感を、増加したSCP-4891個体が接触しているものと勘違いし始める可能性が高くなります。出現する個体の数は、被験者が感覚を得た皮膚領域を実体が覆うのに十分な数と同等です。
適切な治療を施さなければ、被影響者は徐々にあらゆる種類の身体感覚をSCP-4891個体が接触しているものとして認識し始めます。曝露が長期化した場合、未治療の被影響者は最終的にあらゆる身体感覚をSCP-4891個体によるものと同一視します。
SCP-4891の影響を治療しないまま放置した被影響者のうち、これまでに約95%が死亡しています。特筆すべき要因を以下に挙げます。
- 瞬きの感覚で出現した個体群が被影響者の視力を奪ったことで発生した事故。
- 激しい呼吸をはじめとする喉の感覚で被影響者の喉内に出現した個体群による窒息。
- 穴の空いた防護服の内部に個体群があふれたことによる窒息。
- 被影響者の皮膚下に出現し、内部の身体機能から皮膚を破裂させる多数の事例。
- 心臓が鼓動するごとの感覚で出現した個体群による内部損傷。
補遺-1: SCP-4891の個体数を減少させることに失敗して以降、認識災害の効果はさらに高まっていると思われます。現時点でSCP-4891自体に関する知識は、上述の異常性を発現させるのに十分なものとなっています。