SCP-4897

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救出時のSCP-4897実体

特別収容プロトコル: SCP-4897両実体はセキュリティバンカー-38に置かれた2倍サイズのイヌ科動物収容ユニットに収容します。大型犬用ベッドを2つ、脚の付いた餌入れ皿・水受け皿を2つずつ、注意を引くための玩具 (大きな牛骨など) を複数、収容ユニットに備え付けてください。SCP-4897-1と-2にはイヌ用栄養補助食3Bを1日あたり800g給餌します。絶えずよだれを垂らすために日に2~3回水を交換してください。

1日あたり120分以上のスキンシップと遊びを実行するため、イヌに従順かつ動物共感性テストの結果が8.0点以上の財団職員がSCP-4897両実体に割り当てられます。割り当て時間の上限は研究責任者の裁量に任せられます。

説明: SCP-4897-1と-2は、床から肩までの体高が約80cm・体重が約95kgのオスのセントバーナードです。外見的には、老化が著しく遅延している以外の異常性は見受けられません。ただし、実体内部の調査から、推定質量15kgとされるプルトニウム-239の球形塊が心臓部分に存在することが判明しています。

一定の心理ストレス環境下において、SCP-4897実体は自発的内破ないし急速な超常物理学的圧縮を引き起こす異常性を呈します。この反応により、先述のプルトニウム塊が臨界に達して核爆発を起こすのと完全に等価な核融合点火が生じると考えられています。


発見記録 4897.1:
POI-4062-13の支援を得て、アラスカ州ポイント・レイ東部に廃棄されていた兵器開発用の地下実験場の存在が財団職員に察知されました。サイト-17から派遣された偵察チームにより初期評価と脅威評価が行われました。

実験場への侵入に成功した職員は現地機器を活用して通信を確立し、これにより内部で入手したデータの転送が開始されました。データ解析の結果、当該実験場には "хороший мальчик"1 クラス核弾頭が3個残存しており、そのいずれもが配備状態かつ稼動中としてリストアップされていました。

施設内奥への進入により大型の標準的収容セルが1つ存在することが明らかとなり、その内部には体高・体重が同等で概ね友好的な性格と言えるセントバーナード3頭が収容されていました。偵察チーム職員は当該の動物を保護し、救出を要請しました。


発見記録 4897.2:
実体群の体サイズとエレベーターの物理的寸法、両事項による制約を理由にSCP-4897-1、-2、-3実体の初期収容は各個体ごとに行われました。これに伴い、SCP-4897-1はチームを指揮するフィールドエージェントにより一番初めに救出されました。

これに続いてSCP-4897-2が移送されましたが、当該実体が収容セルを離れている最中、仲間から隔離されたことを原因としてSCP-4897-3が落ち着きのない様子を呈しました。SCP-4897-3に付き添っていた職員は当該実体の精神状態を緩和することができず、収容セルに残された偵察チームと地上の救出チーム間の通信が断絶されました。直後、極めて激しい地震活動が検知され、財団の監視装置により核兵器の起爆が報知されました。

デブリーフィングのため、即座に救出チームが再招集されました。

研究役注記:
残るSCP-4897両実体を離れ離れとすることに内在するリスクを鑑みて、両実体の収容環境を共有させたうえで互いの幸福感を促進させるよう収容プロトコルを更新しました。

いかなる現行の財団資源も、2つの核が1つに重なったことが原因で "悪い" 状態に傾くことはありえず、内在リスクの増加も最小限に留まります。とはいっても、この2つの核弾頭は大型サイトや人口集中地区から遠く離れたセキュリティバンカーに保管しなければならないでしょう。


補遺 4897.3:
概要 以下はPOI-4062-13へのインタビューであり、財団にとって有益と思われる追加情報が提示されています。無関係な音声や映像は削除されています。

<録音開始>

デメンティエフ博士: 「先程述べていた "イヌ爆弾" について話を戻しましょう。どのようにして機能するのですか?」

POI-4062-13: 「それもまた単純な物理学ですよ。また別の図が必要ですか?あなたは何専攻で博士号を修めたのでしょう?」

デメンティエフ博士: 「なぜ犬なのか、それを説明していただきたかったのですが。」

POI-4062-13: 「大型のペイロード2を格納するに際して非常に上等であることに気付いたのです。柔らかく、温厚で、それでいて大きい犬は優れています。冷却効率には難点がありますが北国では問題ありません。」

デメンティエフ博士: 「現時点で、この兵器をいくつ保有するように計画しているのでしょう?」

POI-4062-13: 「нет、兵器ではありません。みんな良い子good boysです。」

デメンティエフ博士: 「良い子?」

POI-4062-13: 「да.」

<録音終了>


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