SCP-4911
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監督評議会命令
以下のファイルは現在未収容の異常現象を描写しており、
レベル2/4911機密情報です。
無許可のアクセスは禁止されています。
4911
アイテム番号: 4911
レベル2
収容クラス:
pending
副次クラス:
none
撹乱クラス:
none
リスククラス:
none

画像差し止め中
2001年9月11日の世界貿易センタータワー。

特別収容プロトコル: SCP-4911は現在未収容です。財団情報操作資産はSCP-4911の追加の画像あるいは記憶を目的にインターネットの監視を継続し、必要に応じて異常な活動に関する証言の信憑性を失わせます。

1.png

SCP-4911-A(赤円内)。

説明: SCP-4911は2001年9月11日のアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市におけるテロ事件発生の短時間後に出現したと推定されている、SCP-4911-Aと-Bの2体の異常で恐らく霊的な実体群の集合的指定です。これらの実体群の実存の物理的証拠は発見されてません。しかしながら、多くの救助活動についての証言にはSCP-4911-Aと-Bのどちらかに関することが含まれています。SCP-4911-Aと思われる人物の写真が複数回収された一方で、SCP-4911-Bのものは1枚しかありません。

SCP-4911-Aは30代前半の短い金髪の女性であり、救助装備を装着し懐中電灯を携帯していると描写されています。SCP-4911-Aは実体的であるとは考えられていません ─ 多くの報告はこの実体が落下してくる瓦礫や崩壊するタワーから排出される煙や灰塵の影響を受けていないようであることを示しています。SCP-4911-Aは主に世界貿易センタービルの外へ人々を誘導し、同様に救助隊員らを閉じ込められたか身動きが取れなかった人々のもとへ案内したと報告されています。この実体の目撃情報の多数さのため、このテロ事件の間に複数箇所に同時に出現したものと思われます。

SCP-4911-Bは救助活動の間にこの実体の異常能力を目撃した消防士らの一団のみが言及した対象です。SCP-4911-Bについての更なる情報は補遺4911.3を参照してください。

補遺4911.1: インタビュー

以下のインタビューはノースタワーが崩壊する直前に脱出したニューヨーク市の消防士であるサム・クインシー指揮官に対し、エージェント・デスモンド・パリッシュが執り行った。このインタビューは2005年のセラピーセッションの間にクインシー氏がSCP-4911-Aについて言及した後に行われた。

SCP財団情報操作部門
インタビュー転写


[ログ開始]

Agt.パリッシュ: あなたが最近の面談の際に何か普通ではないものについて話したことをジュノー先生が教えてくれました。

S.クインシー: ああ、俺は ─ それが奇妙なことだったかどうかはわからないが、ただ……それが話す価値のあることだとは思ったんだ。

Agt.パリッシュ: あなたが見たことについて教えて頂けますか?

S.クインシー: あー、分かった。俺はただ─ () 俺は隊の連中から離れ離れになってさ、知ってるよな、それで俺は確か……81階くらいで止まったんだ、確かな。俺はそこに誰かがいるのか見ようとして登ったんだが、アンタですら見たことないくらい煙が酷く濃くなった。俺は息すらできなかった。つまりマスクをしてて、そいつが役に立たなかったってことだ。俺は…… () 俺は参っちまって、しかも見ることもできなかった、だから俺はこのオフィスを見つけてそっち側に向かってデスクの下に潜って、それからただ ─ ただ待機した。

Agt.パリッシュ: それから何が起こりましたか?

S.クインシー: そこではこの……わからない、この音が場所全体に鳴ってて、今ならそれがビルが俺の上で歪み始めてる音だってわかるが、俺はその音以外何も聴こえなかった。俺の声すら聞こえなかったんだ。それで気が付いたら俺は新鮮な空気を吸ってて、またもう1回吸っていた。見上げるとこの金髪の娘が見えて ─ この女だ、デスクの外で俺の前にしゃがんでたんだ。彼女はゴーグルを付けて髪を上に束ねていたのに、道具一式身も手袋も、何もかも身に着けていた。彼女は「ここは安全じゃないから、こっちに来て」と言って、俺に手を差し伸べてきた。どうやって俺が彼女の声を聞き取れたのかはわからない ─ その、音はそれでも耳が狂うくらいうるさかった、でも俺はその女が話しかけているのが聞こえたんだ。

対象は深く息をつき水を飲む。

S.クインシー: 失礼。なんにしたって俺は残されたくなかったし、煙の中にも戻りたくなかった、でも彼女は自信ありげに見えたしそれに……わからない。俺は彼女を信じた。俺はマジで死にそうなくらい怖がってたんだが、この娘は俺がこうなる必要なんてないとわかってるって俺は信じた。俺はデスクの下から出て初めて本当にしっかりと彼女のことを見た、そしてそれはどこか……わからない。それはまるで彼女が全くそこにいないようだった、なあ?俺にはわからない、多分煙か熱とか何かだったんだろう。どちらにせよ、彼女は灰と埃に塗れていて疲れ切っているように見えた。だが俺は彼女に付いて外に出て、彼女は下に降りる階段の方を指差して「下に助けの要る人たちがいる」と言って、それから次の階への階段の方に走り去った。

Agt.パリッシュ: あなたは彼女が奇妙に見えたと言いました ─ それについてはどういう意味で言ったのですか?

S.クインシー: それはまるで……まるで彼女が透けて見えるようだった、ほとんどな。彼女の縁も同じように少し変だった。彼女は縁だけがほとんどハイライトされてるように見えた。() まるで彼女が……わからない。彼女をどうやって説明したらいいものか俺にはわからない、だがそれが俺の見たことだ。

Age.パリッシュ: わかりました。それからどうなりましたか?

S.クインシー: 俺は ─ 俺は下に戻った。3階下にファイルキャビネットの下で身動きの取れない男がいて、俺は彼を助け出した。他にももっと上の火が最悪なことになってる階から降りてきた奴がいて、あの女のことを訊いてみたら彼も彼女を見たと言って、あの懐中電灯で人々を煙の外に誘導していたらしい。俺たち全員が外に出た。それから、あー……() それからタワーが崩れた、そのちょっと後に。() ああ。タワーが崩れたんだ。

Agt.パリッシュ: 再度その女性を見ることはありましたか?

S.クインシー: いや。俺は……彼女は恐らく……いや、見ていない。

Agt.パリッシュ: ありがとうございます、我々が訊きたいことはそれで全部かと思います。

[ログ終了]

補遺4911.2: SCP-4911-Aに関する証言

以下はSCP-4911-Aを直接接触したと述べた人物ら、あるいは他者が接触したことを知る人物らの証言である。

SCP財団情報操作部門
超自然的活動に関する証言


対象: 38歳の成人男性

場所: ノースタワー

要約: 彼のオフィスに火が燃え広がった後、彼は燃え盛る部屋に閉じ込められた。女性の消防士が彼の傍に現れ、彼女が助けを求めにいく間に待機しているよう指示し、その後壁をすり抜け歩いて行ったと述べた。程なくして、消防士らのチームが該当の階へ進入し男性を救助した。


対象: 27歳の成人女性

場所: サウスタワー

要約: 対象によると、濃い煙の中を懐中電灯を持った女性に誘導され、自身が次の階へ到達し安全が確保されると女性は消失した。


対象: 52歳の男性

場所: ジョンストリート付近

要約: 対象は方向が分からなくなっており、瓦礫中の逃げ道を探そうと努力していた。サウスタワーが崩壊した際に、暗いビルの中で彼の近くに座った「消防士のつなぎを着た金髪の娘」にビルへと呼び寄せられた。その後彼にタワーから逃げる方向を示し世界貿易センタープラザの方向へと走り戻った。


対象: 複数の成人

場所: 複数箇所

要約: SCP-4911-Aはグラウンド・ゼロ付近の数ヶ所、特に救助隊員らと第一対応者らが水を配給し応急処置を行っている場所に出現したと説明された。この実体は同格の救助活動の援助と狼狽した対応者らが自身らの活動を整理するのを援助したと述べられている。




以下は2001年9月11日夜のエージェント・ポーター (以前はUIUでブルックリン地区に割り当てられていた) とニューヨーク市消防局のノーラン・メイル指揮官との間で記録された音声転写の抜粋である。

SCP財団情報操作部門
インタビュー転写


[ログ開始]

不明瞭な会話。

メイル: こっちに来てくれ。() 耳鳴りがする。お前はどうだ?

Agt.ポーター: ええ、私は……(指を鳴らす) ええ。

メイル: 了解。そりゃあいい、誰もここにはこないだろう。

Agt.ポーター: そうですね。

メイル: 今日の早い時間だ、確か……わからない、2回目の崩壊の後2、3人の奴らと7番ビル (第7ワールドトレードセンタービル) から数人を外に出そうとして、俺が確認しに行った部屋の壁が ─ 壁が吹き飛んでいた。幾つか何かのでかい破片が落ちてきて壁全体を破壊したんだ。お前は ─ お前は、もしお前がその中に立っていたなら、お前は事の次第の全てを大体見れただろうな。そして俺たちは急ごうとした、わかるよな、ビルがまた崩れようとしている音を聴き続けてたんだからな。でも俺がこの部屋の中を覗いたら、そこにこの女がいたんだ。

Agt.ポーター: 彼女の風貌はどうでしたか?

メイル: () 金髪。髪はポニーテールで、こんなのを頭の周りに着けていた、こんなような……尖ったティアラみたいな、あるいは何かよくわからんような?小さいスパイクがそれにはあった。彼女は近くの地面にヘルメットを置いて消防装備を着ていたから、俺は彼女が消防士だと考えたわけだ。彼女はこの部屋の床に座っていて、あそこの壁の吹き飛んだところの近くの部屋な、彼女は体育座りをしていた。

Agt.ポーター: 彼女を知ってましたか?

メイル: いいや。

Agt.ポーター: それから何がありましたか?

メイル: 俺は彼女に所属する隊と離れ離れになったのかどうかを尋ねた。彼女は何一つ答えなかった、ただ肩をすくめるようなことをしただけだ。彼女は頭を下げた ─ 腕の中に下げたんだ、わかるな。まるで交差させるように。彼女は疲れてるようだった、それに ─ つまり、バカみてえに狂ったと思われるかもしれないが、彼女が透けて見えたと俺は誓う。まるで煙か何かで彼女はできているみたいだった。それから俺は、あー、俺は彼女に大丈夫なのかどうか訊いて、彼女は頷いた。俺は本当に何と言ったらいいかわからなかった、それに……どうしてかわからないが、俺は彼女の傍にただ座った。(笑い声) つまりな、数時間以内にビルが崩れようとしていて、俺はそのことを知らなかったが、直にそういうことが起こるだろうとはわかっていた、それでも俺は座ったんだ。() どうしてそんなことをしたのかはわからない。

Agt.ポーター: 女性は何か話しませんでしたか?

メイル: しばらくは何も。俺たちはただそこに座ってて、彼女はタワーの方を見るのに長く時間を割いていた、それと……まあ、結局俺はまた彼女に大丈夫になったのかどうか訊いて、彼女は俺を見た。それは何か……それは実に奇妙だった。

Agt.ポーター: 奇妙?

メイル: 決して ─ 決して彼女がこの世のものじゃないみたいとかそういうわけではないんだ、だが彼女の顔を見たとき、それはまるで……わからない。今までの人生でそれと似たようなことは一度も経験したことなんてなかった。それは人ではなかった、考えられない、だが不自然でもなかった。

Agt.ポーター: あなたの仰ったことを理解できたとは思えません。

メイル: 何人かを一辺に見たような感じだ、わかるか?まるで1人の人間ではなかったんだ。だが彼女はとても疲れているように見えて、彼女は俺に疲れていてそして悲しいとだけ言った。俺は本当に迷惑は掛けたくなかった、わかるよな、俺の知ったことではないし今日のクソみてえな出来事を誰しもが処理しなきゃならないってわけでもないだろうし、だが、わかるだろう。彼女がそう言った中には何か重苦しいものがあったんだ。彼女はただ「あまりにも多い」とだけ言い続けた。俺は彼女が瓦礫に閉じ込められた人々のことを言ってたんだと思っている。

Agt.ポーター: 彼女は他に何か言ってませんでしたか?

メイル: 何も。だが俺は言った、多分。俺は本当に ─ わからない、本当に何を言えばいいかわからなかった、だが俺は彼女に今日は酷い日だと言った、そして彼女が疲れているのは問題ない、何故なら俺も疲れているからだとも言った。俺はそう伝えた、わかるな、事が全部済んだら俺は寝れるし、俺は大丈夫だとも感じるだろう。だがそこには外に出るために俺の助けが要る人々、もしくはそんなチャンスすらない人々が何人かいる。理解できたか?() わからない。彼女は何も言わなかった、ただ俺に頷いて立ち上がった。彼女が俺の方に振り向いたとき、どういうわけか彼女は違って見えた。俺は彼女が……透明?みたいだと言ったよな。彼女は更にくっきりとしてたんだ。俺は同じく急に調子が良くなったように感じた。長い昼寝をしたかのように。

Agt.ポーター: 彼女に何が起こったのですか?

メイル: 彼女は俺にここを離れて上の階に行ってくれと、俺の助けが必要な奴らそこにいると言った。俺たちがそれらの階を確認し終えた後で、俺はあの部屋を通り越して戻って彼女がまだそこにいるかどうか確認しようと中を覗いたんだが、彼女はいなかった。

Agt.ポーター: それから彼女を見ましたか?

メイル: いいや、見ていない。だがわかってると思うが、そのことは俺を驚かせた。ハリスの隊が第4ビルの頂上で見た女のことは聞いたか?彼は早くにそのことをラジオで言っていた。俺はその2人が、お互いに何かしないといけないことがあったんじゃないかと考えている。多分違うだろうが。確実に何か……何か彼女に関することだ。何か重要なことだ。まるで彼女は天使のようだった。(笑い声) 今日は本当に最悪だ、そして良くなろうともしない、そうは思わないが。だがその女を見たことに関しては、俺にはわからない。俺たちがこのことを切り抜けられるんじゃないかって思わされるんだ。きっと少しか良くなるだろう。

Agt.ポーター: ええ。

メイル: なあ、ハリスのとこの奴らはサウスタワーが崩れるより前にタワーを登っていったんだ。あいつらが出られたかどうか知らないか?

[ログ終了]

補遺4911.3: SCP-4911-Bに関する証言

2001年9月11日朝にユナイテッド航空175便が世界貿易センター総合ビルのサウスタワーに突入し、避難を援助するためにタワーへの進入を待機していた消防士の一団が第4世界貿易センタータワーの北西端に立つ異常実体と推定されているものを目撃した。この目撃に関する唯一の直接的な供述はこの実体についてラジオで付近の隊と連絡していたジョン・ハリス指揮官によるものである。下記はこの連絡の完全な転写である。

[ログ開始]

ハリス指揮官: えーえー、司令部──

司令部: こちら司令部。

ハリス指揮官: ここの下に ─ あー、何か奇妙なものがいる。双眼鏡では、世界貿易センタービルの1つの隅に1人の ─ 1人の女性が立って ─ 立っているのが見える。

司令部: 確認する、タワーの上に女性が1人立っていると言ったのか?

ハリス指揮官: (雑音) ──タワーの上に、彼女はその1つの、その、あー、あのビルは何だ?おい、あのビルは何だ?() わからないが、この建物は第3ビルだと思われる。我々は彼女に降りるよう声掛けしてみたが、彼女に声が届くとは思えない。

司令部: その女性は何をしている?

ハリス指揮官: 彼女は、あー、彼女ただそこに立っていて、タワーの方向へと両腕を、あー、差し伸べている、まるで祈るか ─ 何かしているようだ。

司令部: 我々は ─ 我々はそちらへ誰かを送る予定だ。その女性を説明できるか?

ハリス指揮官: ああ、彼女は ─ 彼女は、あー ─ 黒い長髪だ。彼女はこんなような、本当に緩い見た目の服を、まるでローブか何かのようなのを着ている。() それと彼女は、あー、彼女は目の周りに包帯を巻いている、そう思う。布のようなものを。(雑音)

司令部: もう一度言ってもらえないか?

ハリス指揮官: 彼女は、見ろ、あの女は輝いている、そう思う。私はあれがただの光だと思っていた、だが我々は彼女が─ (雑音) ─煙の中で、だがそれでも彼女は ─ 我々は彼女が見えている。() ああ、神よ、落ちている ─ 落ちている奴が1人 ─ 彼が (雑音)

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SCP-4911-B(赤円内)。

司令部: もう一度言ってくれるか、指揮官?

ハリス指揮官: あの女は、彼女はタワーへと向いていて、彼女が何をしているのかわからない、だが人々が炎から ─ 飛び降りていて、彼らは落ちている、それから激突して (数秒間の間) 彼らが地面に激突する前にどうにも ─ 光っている、少しの間だけ。そして彼らがそうなっているとき、あの女はまるで─ (傍らに向かって) ああ、クソが俺だってわかってる、見ろ ─ 見ろ!(ラジオへ向かって) 彼女が光り始めた、そして点滅して、それで─ (雑音) ─彼らは地面に激突してる。わからない……無事なんだと─ (雑音) 感じるんだ、俺たちは無事なんだ、彼女は─ (雑音) ─慈悲だ、そんなふうに感じるんだ、それでそれは ─ それはとても良い、私は─ (雑音)

司令部: 聴こえないぞ、指揮官、壊れているのか。

ハリス指揮官: (雑音) ─一団が彼女を降ろしに登る、我々はあの中へ向かう必要が─ (雑音) 他の人物が─ (雑音) ─もちろん彼女は大丈夫だ。我々が向かっている。

[ログ終了]

第4世界貿易センタービルに置かれているゴミ箱内のカメラバッグに入っていたフィルムから回収された唯一の写真は、ハリス指揮官の隊と推定されている団と指揮官が述べていた実体を映しています。調査隊が後にこの主張を調査し、第4世界貿易センタービルの頂上に如何なる人物あるいは実体もいなかったことを見出しました。

ハリスの隊の全団員はサウスタワーが崩壊した際に死亡しました。この出来事の直接の目撃者は現存していないと考えられています。

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