SCP-4913
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アイテム番号: SCP-4913

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-4913が存在するホテルは財団によって買収され、一般には閉鎖されています。財団の標準的な保安部隊はホテル内部に常時留まる必要があります。

説明: SCP-4913はワシントン州スポケーンに位置する█████████ホテルの126号室です。1987年6月12日以降、いかなる個人もSCP-4913へ入室していない他、 SCP-4913内部でのあらゆる種類のテストや実験は複数回の試みにも関わらず実施された事がありません。外部からの観察では、SCP-4913の内部は進行した破損状態にあるように見える(恐らく1987年以来誰も進入していないため)ものの、異常な点は確認されませんでした。SCP-4913の外部から行われた実験ではいかなる種類の異常な性質も検出されておらず、内部のヒューム値は基底現実との一致を見せました。

SCP-4913の収容方法が策定されている間に、SCP-4913へ進入する56個の試みがなされました。しかしながら、全ての試みが様々な、時には予期せぬ原因によって失敗しています。そのため、SCP-4913は下記に示す3つの異常性のいずれか1つを保有していると推測されています。1. オブジェクトへの侵入を防ぐため、確率を操作する能力。 2. 個人がオブジェクトへの進入を計画することを防ぐ反ミーム効果。 3. オブジェクトに侵入した人物を歴史から消去する過去改変能力。

発見: SCP-4913の持つ異常性のため、当該オブジェクトが財団の注意を引く少なくとも7年前からSCP-4913はホテルの従業員に認知されていました。1987年6月12日の午前8時41分に、以前ホテルに勤務していたメイドであるエイミー █████が室内清掃を終えてSCP-4913から退出した後、部屋のドアを施錠しました1。それ以来、SCP-4913に入室した人物は確認されていません。ホテルの従業員は徐々にこの現象に気付き始めましたが、それに悩まされることはありませんでした。当初、この現象は偶然の出来事であると信じられていましたが、後に"呪われし"部屋に起因する異常現象だと考えられるようになりました。

SCP-4913は休暇中に当該ホテルに宿泊したエージェント マドックスがホテルスタッフと話をした際、偶然それを知ったことから初めて財団の注意を引きました。エージェント マドックスはそれが異常性を実際に保有しているかどうかを判断するためにSCP-4913を借り、そこに入室しようと考えましたが、未知の危険を含んでいる可能性を考慮しこの試みを取り止めています。この時点でホテルは財団によって買収され、恒久的に財団の管理下に置かれることに決定されました。SCP-4913の確保後、グルームズ研究員がSCP-4913の担当に割り当てられ、当該オブジェクトへのDクラス職員による進入実験が申請されました。D-13457が当該地点へと送られましたが、グルームズ研究員は考えを変え、動物実験を最初に行うべきだと主張しました。その後犬が用意されましたが、実験に必要な書類が失われたために実験は行われませんでした。

この事から、グルームズ研究員はSCP-4913が自身への入室を困難にする反ミーム効果を備えていると理論付けました。グルームズ研究員は記憶補強剤2を服用し、自身がSCP-4913に入室しようと試みましたが、部屋の鍵を紛失していたためにドアを開けることが出来ませんでした。ドアを強制的に開く提案がなされましたが、未知の影響によってSCP-4913を損傷させる可能性があるとして却下されています。代案として、財団の鍵師が呼び出されました。この時、グルームズ研究員はSCP-4913の異常性に関する新たな理論を考案しました。彼はSCP-4913が自身に進入した人間を歴史上から遡及的に削除する現実改変を引き起こすことが可能であると考えました。何者かが部屋への入室に成功した時間軸はその個人と共に消去され、最終的にSCP-4913に進入しようとする全ての試みが失敗した時間軸のみが残るため、アノマリーへの進入を防ぐ非常に稀な偶然の一致が発生すると推測されています。

鍵が開錠された後、グルームズ研究員はSCP-4913への入室を再度試みましたが、歴史から消去される可能性を恐れてそれを実行に移すまでには至りませんでした。その後、█████上席研究員によってSCP-4913への継続的な侵入の試みは財団の時間と資源の浪費に他ならないと判断されたため、新たな実験は実施されないことが決定されました。

補遺: 2001年4月11日に、無許可でSCP-4913への進入を試みる最後の事案が発生しました。当該インシデントはSCP-4913の異常効果の実例として以下に記録されています。

ビデオログ転写

日付: April 11, 2015

場所: █████████ホテル(SCP-4913が存在する)

エージェント アローウッドとエージェント グレーの2人は█████████ホテルに割り当てられた保安部隊の一員である。当時、SCP-4913の入り口を警備していた職員は彼らのみであった。以下の記録はエージェント グレーのボディカメラで撮影されたものである。


[記録開始]

エージェント アローウッド: ここでは奇妙な事が起こるらしいな。

エージェント グレー: 安心してくれ。財団がこいつを守って来て何年も経つが、今まで何も起こっちゃいないさ。

エージェント アローウッド: だったら、どうして俺たちはここに居るんだ?

エージェント グレー: 財団は誰もこの部屋に入れたくないらしい。皆ビビってるのさ。歴史が書き換えられた結果、予想外の事態が引き起こされちまったらたまらねえってな。

エージェント アローウッド: でもよ、誰もあの部屋に入ったことが無いのに、どうやって部屋に入った後の事が分かったんだ?

エージェント グレー: 何が起こるかは誰も知らない。これがミソだ。財団はリスクを冒したくねえんだよ。

エージェント アローウッド: まてよ。つまる所、俺たちはこいつがアノマリーかもしれないってだけの理由でここに突っ立って時間を無駄にしてるって事か?

エージェント グレー: うーん…まあ、そうかもしれんが…。おい、お前何やってんだ?

エージェント アローウッドはSCP-4913のドアまで歩み寄り、ハンドルに手を伸ばす。

エージェント グレー: 俺が自分でこいつをテストする。

エージェント アローウッド: 俺はそんなテストまっぴら御免だね。

エージェント グレー: こんなの只の部屋に決まってらあ。

エージェント アローウッドはドアノブを回転させようとするが動かない。

エージェント アローウッド: 鍵が掛かってる。

エージェント グレー: だろうな。

エージェント アローウッドはドアノブをさらに数回回そうと試みる。

エージェント アローウッド: なあ…お前はさ、こいつが中に入った奴を本当に歴史から消し去ると思うか?

エージェント グレー: 少なくとも理論上はな。お前があの中に入れば、それでお前はおしまいさ。お前は蝋燭の灯を吹き消すみたいに消えちまって、それから俺はこの廊下で誰か別の奴と話してるだろうよ。

エージェント グレーが静かに笑う。

エージェント グレー: もちろん、その事を知る術は何処にも無い。あくまでも理論上は、だ。

エージェント アローウッドはドアをガタガタと揺らしながら最後にハンドルを回そうとする。その後、彼はドアから数歩離れる。

エージェント グレー: ████████、大丈夫か?

エージェント アローウッド: ああ、うん、大丈夫だ。このドアは思ったよりも頑丈みてえだな。

エージェント グレー: 実を言うとな、俺は鍵がどこにあんのか知ってるんだ。

エージェント アローウッド: いいや、結構だ、█████。

エージェント グレー: 今すぐあの中に入れたら、お前に100ドルやるよ。

エージェント アローウッド: いらねえよ、そんな物。

エージェント グレー: 怖気づいたか?

エージェント アローウッド: 俺はあの中には行かない。

エージェント グレー: たった5秒前までは行く気満々だったじゃないか。

エージェント アローウッド: 気が変わったんだ。

エージェント グレー: だから今怖いと?

エージェント アローウッド: そこまで言うならお前が行けば良いだろ?結局のところ、鍵を開けられるのはお前だけなんだし。

エージェント グレー: え、いや…俺には出来ない。財団の規則に反してる。

エージェント アローウッド: でもさっきお前…

エージェント グレー: さっき言った事は忘れろ。

エージェント アローウッド: 話を整理させてくれ。お前、さっきまで俺をあの中に行かせようとしてた癖に…

エージェント グレー: この話はもう止め。

[記録終了]

付記: エージェント両名はこのイベントの後に懲戒処分を与えられ、他のプロジェクトに再割り当てされました。

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