SCP-4925
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回収されたSCP-4925実例。

アイテム番号: SCP-4925

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-4925収容チームの費用便益分析により、アノマリーが無害であるゆえに、積極的な収容は不必要であると見なされています。指定の職員は別名のメールアドレスを使用し、重要な電話を受ける可能性がある旨の電子メールをヘザー・ハッチンズに送信し続けてください。

説明: SCP-4925はヘザー・ハッチンズの近辺にこれまで出現した、ならびにこれから出現する全ての携帯電話に対する総称です。ハッチンズ自身にはこれを除けば異常性はありません。SCP-4925実例は全て様々なメーカーやモデルのiPhoneであり、差し込まれたSIMカードが有効でないにもかかわらず、電話をかけたり、受けたりすることができます。SCP-4925実例は必ず着信した状態で出現します。SCP-4925実例からの電話に出なかった場合、別のSCP-4925実例がハッチンズの5 m圏内に出現します。SCP-4925実例はほとんどの場合、ハッチンズの5 m圏内に以下を満たす携帯電話が (SCP-4925実例であるか否かに関わらず) 存在しない場合に出現します。

  • 電源がついている
  • マナーモードではなく着信モードにセットしている
  • "おやすみモード" 設定が無効になっている
  • GPS追跡が有効になっている

電話に出た場合、SCP-4925-Aと指定された不明な実体が応答します。SCP-4925-Aはヘザー・ハッチンズに関するあらゆる事 (現在地、日課、私生活の詳細など) を知っていると見られています。

発見: AT&T携帯会社に配属されたエージェントが、同じ場所から寄せられる複数の不明かつ追跡不能な電話を報告しました。派遣されたエージェントは、これらの電話がミシガン大学の学生であるヘザー・ハッチンズの周辺に集中していることを見出しました。ルームメイトや同期といったハッチンズと親しい人物によると、ハッチンズはこれらの電話に出る時に多大なストレスや不安を露わにしていたようです。

補遺SCP-4925-1: SCP-4925が正式にアノマリーとして指定される前に、ハッチンズはスクール・カウンセラーに扮したエージェント・テニソンとの面会に赴くよう指示されました。

<転写開始>

ハッチンズが入室する。

テニソン: やあ、ヘザー! そこに座って。

ハッチンズ: うん……

ハッチンズがバックパックを席の後ろに置き、席に着く。

テニソン: 始める前に、携帯の電源を切ってもらえないかい?

ハッチンズ: 切らなきゃダメ?

テニソン: 邪魔されるのは嫌だからね。それに数分だけだよ。

ハッチンズ: 分かった…… まあすぐ終わるだろうし……

ハッチンズがポケットからゆっくりと携帯電話を取り出し、電源を切る。

テニソン: ありがとう。

ハッチンズ: それで、どうしてまたここに来る必要が? 面談の希望はしてないと思うのだけれど……

テニソン: うん、それで間違いないよ。君の友達からお願いされたんだ。友達は君を心配してるんだよ、ヘザー。手助けできるかどうかちょっと確かめてみたくてね。また来たくないというのならそれでもいい、これは君にとって役に立つかを確かめるためのただの予備面談さ。

ハッチンズ: そう。き、えっと、気遣いには感謝するけど、これが手助けになるとは思えない。

テニソン: 理由を尋ねてもいいかい? 何が起こっているのか話してくれれば、手助けできるかもしれないよ。

ハッチンズ: これはちょっと、私事みたいなもので —

バイオリンの音が聞こえる。ハッチンズが硬直し、バックパックをくまなく探る。

ハッチンズ: ご — ごめんなさい。出ないと。

テニソン: 電源は切ったって言ってなかったっけ。

ハッチンズ: よ — 予備があるのを忘れてたの。

ハッチンズが背後から携帯を取り出し、電話に出る。

ハッチンズ: ……ごめんなさい…… 予定があって — うん。すぐかけ直すから…… ごめんなさい、お母さん。

ハッチンズが立ち上がり、バックパックを背負う。ハッチンズがドアへと歩き出し、立ち止まってテニソンの方に振り向く。

ハッチンズ: 行かないと。時間を無駄にさせてごめんなさい。

ハッチンズが折り返し電話をしながら退出する。

ハッチンズ: うん。今出るところ。

<転写終了>

補遺SCP-4925-2: 以下は記録されたSCP-4925実例の着信の抜粋です。



補遺SCP-4925-3: ハッチンズの家族について調査したところ、ハッチンズの肉親がダレル・ハッチンズのみであることが判明しました。ハッチンズの母親のアグネス・エバソンは、2か月前にダレルと離婚していました。エバソンは2017/04/12に、ハッチンズの受信トレイにボイスメールを残している最中に自動車事故で死亡しました。

エバソン: もう既に、えっと、10分近く貴方に電話しようとしているのよ! どうして電話に出ないの? 貴方がとても恋しいわ。ここは寂しい。一度でいいから娘の声が聞きたいだけなの。それはとても — クソったれ。赤だったでしょうが。とにかく、今日はどんな日を過ごしたのか聞きたいわ。学校はどうなのかも聞きたい。何か宿題を手伝ってもいいかしら? そうね、私も昔はエンジニアになるつもりだったけど、貴方の父さんに会って — あー、何でもない。喋りすぎね。とにかく電話に出てちょうだ — クソッ!

甲高いノイズが聞こえ、破砕音がそれに続く。不規則な呼吸音が3分間聞こえる。

エバソン: ヘザー?

バイオリンの演奏が静かに響き、3分続いた後に止まる。約20分後にサイレンの音が聞こえ、それが63分続く。その後の3分間は無音である。

エバソンの死亡が宣告されてから1時間後、追跡不能な番号から以下のボイスメールがハッチンズの携帯に残されました。
 

SCP-4925-A: 電話を無視するな。この恩知らずのビッチが。

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