SCP-4936
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アイテム番号: 4936
レベル4
収容クラス:
euclid
副次クラス:
none
撹乱クラス:
ekhi
リスククラス:
caution

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かに座のSCP-4936。右下の星に注目 (マウスホバーで拡大) 。
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2014年の渡りにおけるSCP-4936 (マウスホバーで拡大) 。

特別収容プロトコル: かに座ベータ星の遠隔監視は、財団の概念物理学部門と天文現象課の職員で構成される合同機動部隊ファイ-4 (“ゾディアック・ハンターズ”) が担当します。天文学的な夏季には、SCP-4936が地球へ移動したとJRTF ファイ-4が断定するまで、SCP-4936の広範な監視が行われます。JRTF ファイ-4はその後、概念物理学部門が提供するリソースを用いて、地球上におけるSCP-4936の到着地点を誤差1km以内まで絞り込みます。

SCP-4936を保護するために、JRTF ファイ-4隊員は対象がかに座に帰るまで遠隔から護衛します。SCP-4936が地球上に滞在している間は、かに座ベータ星の消失が発見されるのを防ぐための報道管制プロトコルが有効化されます。

カニの大量絶滅が発生した場合の収容プロトコルは現在起草中であり、SCP-4936が無力化した場合に有効化される予定です。

説明: SCP-4936は黄道十二星座のかに座において最も明るい星、かに座ベータ星です。SCP-4936はあらゆる短尾下目 (口語的にカニとして知られる水棲・陸棲生物) を体現する概念物理学的な異常存在だと理論上想定されています。SCP-4936の概念物理学的特性は、対象に加えられる任意の重傷、感情的トラウマ、大規模収容試行が全世界のカニに類似の影響を及ぼす結果となります1

平時にはかに座ベータ星として存在するものの、SCP-4936は自らの物理的な形状を — 通常、平凡なカニの姿に — 変化させることができます。どのような形態であれ、SCP-4936との意思疎通の試みは一貫して失敗に終わっています。

SCP-4936は毎年、地球が夏季になると渡りの行動パターンを示し、地球との間を往来します。この際、かに座ベータ星は“瞬いて”から消失し、同時に1匹のカニが地球の下層大気中に出現して、大陸の海岸に近い海へと落下します。

記録されている全ての渡りイベントは、下に示す同様の過程に従って進行しています。

  1. SCP-4936は外見的に非異常なカニとして海から浜辺へと上陸します。ある渡りイベントに際してヤシガニ (Birgus latro) の姿を取った事案を別とすれば、この時のSCP-4936が海水浴客の注意を引くことは通常ありません。
  2. SCP-4936は周囲の砂浜で、身体を埋めるのに都合の良い営巣地を探します。SCP-4936は少しずつ砂を動かして、堆積物の中に落ち着き、爪を使って自らを埋めます。
  3. 完全に埋没すると、SCP-4936は夜まで眠ります。浜辺で大量の雨が降った場合、SCP-4936は別な環境へと移転する可能性があります。
  4. 夜になると、SCP-4936は営巣地を離れて周辺の浜辺を探索します — 通常、この間にSCP-4936は地元の砂丘を横断し、非異常なカニの集団と交流します。夜明けになると、SCP-4936は営巣地に帰還します。
  5. この昼夜サイクルは地球の夏季の終わり頃まで続きます。渡りイベントが終結し、SCP-4936が消失すると同時に、かに座ベータ星は再び観測可能になります。



補遺.4936.1

最初の接触


2012/06/19に概念物理学部門から監督評議会に提出された要請。


即時収容中止願




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問題のカニ (マウスホバーで拡大) 。

序: 2012/06/19、天文現象課はかに座ベータ星の位置を特定できませんでした。星の消失を隠蔽するため、監督評議会は直ちに選択的報道管制を発令しました。

一方、概念物理学部門は、地球とかに座ベータ星のかつての位置を結ぶストレイヤー放射線に着目しました。スペシャリストたちは2天体間の経路をギリシャのナヴァイオ海岸まで辿り、無害な量の宇宙線及びストレイヤー放射線を放つ1匹のタイセイヨウヌマチシオマネキ (Uca pugnax) を発見しました。

概念物理学部門の報告に対して、評議会は不当な武力示威を行い、1時間以内に3組の動物収容チームをナヴァイオ海岸へ派遣しました。これらのチームが撤退するまで、当部門はカニへの接触を阻止し続ける所存です。

要請: カニの収容に派遣されたチームを撤退させてください。このカニが当部門の推測通りに概念物理学アノマリーであったならば、財団は生きている全てのカニを概念的に収容してしまうリスクを背負っています — その具体的な結果は不明ですが、ほぼ確実に好ましくありません

O5-3、止めてください。 確かに星は消えましたが、あなたの今の懸念は非常に地球本位のものです。



補遺.4936.2

監督評議会の総意


監督評議会代表団


日付: 2012/07/03
先行審議: 3時間
関係者: 監督評議会員13名、倫理委員会連絡員3名、概念物理学部門代表者1名


前文
財団訓令アルファ-3 (“保護”) は、XK-クラスシナリオの発生時に、生命及び/または現実の保全を義務付けるものである。本訓令の指針となる懸念事項の階層構造は、地球上の各生物種の保全を訓令アルファ-3におけるΣ-レベル優先事項と定めている。

提言主体
現実及び/または生命全体を脅かすXK-クラスシナリオが発生した場合、財団はSCP-4936を改良型異次元収容チャンバーに収容し、危害から保護するものとする。これは以下の条件が満たされた場合にのみ実行される。

  • SCP-4936は収容可能な形態を取って地球上に出現している。
  • XK-クラスシナリオは異次元空間への脅威を及ぼさない。
  • XK-クラスシナリオは予見可能かつ回避不可能である。

これらの条件が全て満たされたならば、財団は訓令アルファ-3のΣ-レベル優先事項を遂行し、あらゆる手段を講じてSCP-4936の収容体制を保護する。これによって、他全ての高次生命体が滅ぼされても、全てのカニは保全される。


代表団審議結果

議題となった提言の発案者であるため、 O5-3 は投票に関与しなかった。

棄権
O5-1 O5-9 O5-2
O5-4 O5-6
O5-5
O5-7
O5-8
O5-10
O5-11
O5-12
O5-13

ステータス
承認



後記

仮設シナリオ部門は人類の滅亡に備えて数十年前に設立された。しかし、私たちの宇宙における生命の多様性を受けて、部門の目標も見直された。人類が — 自らの手で、或いは侵略者によって — 死に絶える時は来るかもしれないが、必ずしも他の生命体が後に続くとは限らないのだ。それ故に、人類が滅びるならば、他全ての生命体を保護するのが私たちの使命である。

私たちは間もなく、孤立した異次元空間でSCP-4936収容チャンバーの建造を開始し、SCP-4936が望む限り広い浜辺でそれを満たすことになる。仮に収容が必要になったとしても、SCP-4936は安全で、幸福で、そして何よりもまず生きていられる。そうである限り、分類学上のカニたちも概ね同じ状態だろうと考えられる。

この命取りな宇宙に残される最後の希望は、ギリシャの浜辺で休眠する1匹の小さなシオマネキなのかもしれない。そして、それを保護するのが、生命の管理者たる私たちの義務だ。

O5-3仮設シナリオ部門長



補遺.4936.3

意思疎通に関する更新


2018/09/03の04:16 PM、JRTF ファイ-4は休眠中のSCP-4936から発せられた無線メッセージを検出しました。特筆すべき事に、このメッセージは地球から深宇宙へ送られる恒星間無線メッセージに似たモールス信号で伝達されました。

最後の文字は、あるUnicode記号の略称である“U+1F980”と解読されました。

SCP-4936はメッセージの送信直後にかに座へ帰還しました。


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