アイテム番号: SCP-4949
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-4949はサイト-42の標準的な安全保管ロッカーに収容されています。実験手順の申請はプロジェクト監督者に提出し、承認を求める必要があります。
説明: SCP-4949は子供向けのお医者さんごっこキットであり、1着の白衣と、腱打反射ハンマー・手術用鉗子・聴診器などのプラスチック製器具から成ります。完全なリストは補遺-4949-CLを参照してください。SCP-4949の全ての構成要素が回収されたプラスチック製の診察カバンには、“ワンダーテインメント博士とdadoプレゼンツ: おこさんの ための おいしゃ あそびじかん きっと” (原文ママ) というブランドタグが付随しています。
白衣を着用した10歳未満の子供が、SCP-4949構成要素のいずれかに関連する医療検査・処置を生きた人間に対して実行し、望ましい結果を得たいという意思を持ちながらその器具を使用すると、その試みは成功します。成功の度合いは、被験者の生命機能に関する正確なデータの記録成功から、冠動脈バイパス手術の実行まで多岐にわたります。特筆すべき事に、これらの課題をこなすにあたってSCP-4949以外の物品は必要とされません。
以下の文書がSCP-4949のパッケージに含まれていました。
補遺 4949-CL:
補遺 4949-TL: SCP-4949実験ログ抜粋
実験#1: 基準となる異常性の実験。
患者と疾患: D-1839、左腓骨を骨折している。
担当医と外科医: ルーカス・ホワイトホール博士立会いの下、ジョシュア・ホワイトホール (7歳) が手術。
処置: 外科医は折れた骨を固定するように指示された。
実験結果: 外科医はプラスチック製骨鋸でD-1839の左脚の皮膚を切断し、骨を露出させた。この過程で、外科医はプラスチック製注射器を1本使用して、D-1839の左大腿部に注射を行った。1外科医はプラスチック製メッツェンバウム剪刀を使用して、目に見える骨折部分を取り巻く余分な肉を切除した。その後、外科医は両手で骨を固定した。外科医は骨が滑りやすく、扱いが難しいと述べたが、6分後に処置を完了させた。
担当医はD-1839の傷口を閉じるように外科医に指示した。外科医はプラスチック製縫合針で手術の傷を縫い合わせた。
注記: 手術後のX線検査の結果、脛骨と腓骨の位置が入れ替わったばかりでなく、2ヶ所の接点で融合し、単一の連続した骨に変化したことが判明した。D-1839は運動能力や平衡感覚の喪失を報告していないが、脚が以前よりも“軋む”ようになったと述べている。感想を聞かれた際、ジョシュアは医療処置を“面白かった”と語り、“ごっこ遊び”を楽しんだことを示した。特筆すべき事に、手術中にD-1839が示した苦痛はどの時点でもジョシュアから認識されなかった。
実験#4: 回復特性の範囲。
患者と疾患: D-3317、治療不可能な脳腫瘍に罹患している。
担当医と外科医: ルーカス・ホワイトホール博士立会いの下、ジョシュア・ホワイトホール (7歳) が手術。
処置: 外科医はD-3317に麻酔を掛け、腫瘍を除去するように指示された。
実験結果: 外科医はプラスチック製注射器を2本使用して、D-3317の左右の大腿部に注射を行った。2 外科医は更に聴診器でD-3317の頭部各所の音を3分間聴取した。外科医はその後、キュレット1本を患者の左鼻孔に入れ、鼻腔の15cm奥まで挿し込んでから、5cmの腫瘍細胞の塊が付着した状態で引き出した。
その後の画像診断と血液検査で、D-3317の脳に腫瘍細胞が存在しなくなったことが確認された。
注記: D-3317は植物状態でサイト-42の長期介護施設に留められている。
実験#5: 回復特性の範囲。
患者と疾患: D-8997、進行した冠動脈疾患に罹患している。
担当医と外科医: ルーカス・ホワイトホール博士立会いの下、ジョシュア・ホワイトホール (7歳) が手術。
処置: 外科医は患者を麻痺させ、冠動脈バイパス手術を行うように指示された。
実験結果: 外科医は注射器を1本使用して麻痺注射を行った。続いて、外科医は聴診器で患者の胸と首の音を1分間聞いた後、骨鋸でD-8997の首の軸椎とC3椎の間を7分かけて切断した。外科医は患者の頭部を横に置き、組織鉗子で患者の気管を締め付け、引っ張ることによって首から肺を摘出した。外科医は更に切断された食道を介して胃を除去した。臓器摘出にかかった時間は12分と記録された。
外科医はその後、D-8997の首の中に手を差し込み、心臓を摘出した。3 外科医はメスを1本使用して、患者の心臓から0.6gの組織を切除した。4
外科医は肺と胃を患者の胴体に戻した後、患者の頭部を再配置して、縫合針で当初の位置に縫い留めた。
注記: 呼吸器系と消化器系の配置が喉と繋がらなくなったにも拘らず、D-8997は食事や排泄に支障をきたしておらず、深呼吸する時に軽度の不快感があるだけだと報告している。更なる検査で冠動脈疾患からの完全な回復が確認された。
補遺 4949-17-L: SCP-4949 実験17の音声ログ書き起こし実験#17: 異常性の範囲。
患者と疾患: D-3824、既知の疾患は無し。
担当医と外科医: ルーカス・ホワイトホール博士立会いの下、ジョシュア・ホワイトホール (7歳) が手術。
処置: 外科医は患者に疾患が無いかを調べた後、筋肉量を50%増加させるように指示された。5
実験結果: 外科医は耳鏡、聴診器、腱打反射ハンマーを使用し、5分かけて基本的な患者の身体検査を行った。外科医は未診断のハンチントン病があると特定したが、それ以上の疾患を指摘しなかった。外科医は注射器を4本全て使用し、8分かけて患者の胸部と喉に一連の注射を行った。6
最後の注射に続いて、D-3824が30秒間にわたって過呼吸を起こし、大量に発汗するのが確認された。その後6分間、膨らんだ筋肉が皮膚を突き破る過程で、患者の皮膚が膨張・断裂する様子が確認された。反応後、D-3824の筋肉組織は質量で約350%、体積で800%以上増加したことが判明した。
注記: D-3824は化学物質による植物状態でサイト-42の長期介護施設に留められている。
補遺 4949-PL: SCP-4949職員転任申請
ジョシュア・ホワイトホールに記憶処理を施し、クリスティーナ・サリヴァンの養育下に戻す。 — 承認
ルーカス・ホワイトホール博士をSCP-4949プロジェクトから除外する。 — 却下
ルーカス・ホワイトホール博士に記憶処理を施し、SCP-4949プロジェクトから除外する。 — 却下
倫理委員会公式連絡通信 | |
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From: | 稲田いなだ 清きよし博士、サイト-42心理学者、倫理委員会連絡員 |
To: | ルーカス・ホワイトホール博士 |
Re: | ジョシュアの件 |
ホワイトホール博士へ、 あなたがSCP-4949の被験者リストに無許可でジョシュアを追加し、その後更に被験者リストを改竄した件についての調査は完了しました。言うまでも無いでしょうが、博士、実験中のあなたの行動も全く褒められたものではありませんでした。 しかし、ジョシュアをプロジェクトから外し、母親の下に帰したいという申請もまたあなたから来ているのを考慮して、我々も寛大に対応したいと思います。あなたを6ヶ月間の譴責処分とします。SCP-4949の実験を方向付けるうえで、あなたの専門知識には有意に価値があると判断されたので、プロジェクトから除外されることはありません。 今後の実験は適切に選ばれた被験者によって行われます。これ以上の職権濫用は許されません、博士。 敬具、 稲田清博士より |