SCP-4958

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アイテム番号: 4958
レベル1
収容クラス:
keter
副次クラス:
none
撹乱クラス:
ekhi
リスククラス:
notice

特別収容プロトコル: 現在の収容試行は“専門カウンセラー及び精神科医”Specialized Counselors and Psychiatristsと指定される国際的なカウンセリング・プログラムの導入に重点を置いています。SCP-4958実例を発見したエージェントは、SCP-4958のメモで言及されている人物との対話を奨励されます。これらの人物はカウンセリングを受ける、または愛する者と再会するのが望ましいと見做されます。

説明: SCP-4958は、愛する者との深い確執を有する人物の近くで開花する Lycoris radiata (より一般的にはヒガンバナと呼ばれる) を指します。SCP-4958は、タイル張りの床などの無機物の上でのみ咲くという点で、一般的なLycoris radiataと区別できます。各SCP-4958実例には折り畳まれた紙片が入っています。

この紙片には、対象者に宛てた短い手書きのメッセージが、対象者の第一言語で記されています。筆跡はかつて対象者との深刻な諍いを起こした人物と一致します。SCP-4958実例が引き抜かれた後も確執が解消されていない場合、1か月後に別な実例が別なメッセージを添えて開花します。

既知のSCP-4958発生ログからの抜粋

以下は財団が回収した初期のメモの一部です。簡略化のために残りは省略されています。

対象者: 6歳 女性
背景: 対象者はいじめが原因で児童養護施設から脱走した後、公園で発見された。筆跡は対象者の元養育係と一致した。
メモ: ジュリアナ、あなたの話を聞いてあげなくてごめんね。どうか戻ってきて。あなたがいなくて寂しい。

対象者: 16歳 女性
背景: 対象者の両親は離婚している。対象者は父親と同居しているものの、どちらの親とも極力関わろうとしていない。筆跡は対象者の母親と一致した。
メモ: 私のリリアン、ジェレミーはちゃんとあなたの面倒を見てるかしら。あの人は私が逃げたのを許さないだろうけど、ママがあなたを愛していることを忘れないでね、いい?

対象者: 18歳 男性
背景: 対象者は両親と兄弟から虐待を受けていた。両親の死後、対象者は家を出ようとせず、兄弟との交流を拒絶している。筆跡は対象者の長兄と一致した。
メモ: なぁ、ダニエル。言葉を濁すつもりはない。俺たちはクソ野郎だった。分かってる。好きなだけ俺を怒鳴りつけようと、殴ろうと構わない。俺は気にしない。でも無視しないでくれ。俺と口を利いてくれ。

対象者: 87歳 女性
背景: 対象者は、自らの子供たちがLGBTQコミュニティを支持していることを巡って口論となり、それ以降子供たちと疎遠になっていた。対象者は発見される2週間以上前に死亡しており、SCP-4958実例は顕著にしおれていた。筆跡は対象者の息子と一致した。
メモ: 母さん、もうトレバーの選択に納得してくれとは言うつもりはありません。頼むから感謝祭には顔を出してくれませんか、あいつはもう何年も母さんと会っていないんです。

対象者: 64歳 男性
背景: 対象者は酔うと暴れる傾向があり、最終的に妻が去った。対象者はSCP-4958を認知し、財団に発見されるまでに約28枚のメモを収集していた。妻に宛てて複数回手紙を書いたにも拘らず、対象者は一度も返事を受け取っていなかった。両者ともに記憶処理された。
メモ: まだ愛してると言いたいけれども、またあなたが暴れ出すんじゃないかと不安です。私の我慢にも限界があるんですよ、ハーブ。

対象者: 20歳 男性
背景: 対象者は金銭面の問題で大学を中退した後、社交不安障害と診断された。筆跡は対象者の父親と一致した。
メモ: やぁ、元気か。お前が大学を中退したと聞いた時は、母さんも俺も確かにあまり嬉しくはなかったとも。しかし… もし温もりのある居場所が必要になったら、いつでも来てくれよ。父さんが暖かいメシを作ってやるからさ。

対象者: 25歳 男性
背景: 対象者はD-9588であり、無関係なSCPの実験で隔離収容室に留置されていた。反社会性パーソナリティ障害と診断されている。筆跡は対象者の死亡した姉と一致した。
メモ: 一緒に乗り越えていこうね、エリス。

対象者: 25歳 男性
背景: 対象者はD-9588。対象者は前回のSCP-4958の内容に関するインタビューを拒否したが、読んだ後に郷愁を覚えたと認めた。筆跡は対象者の死亡した姉と一致した。
メモ: 許すよ。いつか会いに来て。

対象者: 25歳 男性
背景: 対象者はD-9588。対象者は再びインタビューを拒否した。2枚目のSCP-4958実例を読んだ時、対象者は当初苦悩していたが、後ほど安堵感を覚えたと認めた。3枚目の実例を読んだ後、対象者の気分は著しく改善された。対象者は後に実験が再開された際、指示を無視して死亡した。筆跡は対象者の死亡した姉と一致した。
メモ: エリス、厳しい時期かもしれないけど、忘れないで — あなたは愛されてる。たとえこの花が放棄と死を意味していても、私たちはあなたを見放したりなんかしない。

補遺4958-1: “専門カウンセラー及び精神科医”プログラムの導入から4ヶ月後、関与した全ての財団職員は、各々のデスクの上で1輪のSCP-4958実例が成長していると報告しました。現在、これが機密漏洩にあたるか否かについて調査が進行中です。全ての実例にはゴシック体でタイプされた同一のメモが添えられていました。

私の楽しみを奪わないでくれ。

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