アイテム番号: SCP-4966
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-4966は、イエネコが自由に移動できる適切なサイズの改装済ヒト型実体収容セルに格納されます。このセルにはクッション性のある家具数点が備え付けられ、同様にクライミングタワーやぬいぐるみ、小さなプラスチック製の物体といった娯楽物品も提供されます。SCP-4966とは現地の職員が週に3度交流してください。SCP-4966に関する実験を実施する場合は、バノック博士の認可を受ける必要があります。SCP-4966に追加の娯楽物品の提供を希望する職員は、自らの資金でその物品を購入してください。
説明: SCP-4966は灰色の布地で構成された四足生物です。この布地を穿孔したり損傷させたりする試みは全て失敗しています。X線などでの検査により、SCP-4966は内部構造を欠いていることが判明しています。身体には2つの黒い目と編まれた口を除き、模様や開口部が全く存在しません。SCP-4966の声音は子ネコと類似しています。SCP-4966は非常に社交的であり、定期的に交流しなければ不安を抱いて内気になります。SCP-4966は交流した他の実体の振る舞いを模倣する傾向があり、飲食や呼吸を必要としないように見受けられる一方で、他の実体がそのような行動を取れば同様に模倣します。
生物の死体を差し出すと、SCP-4966は口を不明な手段で拡張させて死体を丸呑みにします。これによって質量が増加し、その分SCP-4966の身体が周囲へと膨張します。この状態の抗張力を計測する試みは、皮膚がこのプロセスを通して明らかに同じ密度を保っているために全て失敗しています。SCP-4966が膨張できる上限は判明しておらず、実験では成体のシロナガスクジラ (Balaenoptera musculus) の死体を完全に包み込みました。
死体を完全に包み込むと、SCP-4966の身体は普段の大きさに緩やかに戻ります。この収縮中、SCP-4966の形態は摂取した生物の身体特徴と一致するものに変化します。最もよく見られる変化は体肢の追加や変形ですが、それ以外にもSCP-4966の身体のバランスや発声の変化なども記録されています。SCP-4966はその身体特徴のうち、顔のパーツと灰色の体色のみ変化させることができません。変化は消費してから約4時間継続し、その後で消費した生物の組成と一致する生物学的廃棄物を吐き出します。
補遺: 以下はSCP-4966の変形能力の理解を深める目的で実施されたSCP-4966実験ログからいくつか抜粋したものです。
引き合わせた死体: 成体かつオスのシンリンガラガラヘビ (Crotalus horridus)。
死体の完全性: 腐敗の初期兆候が見られる。
発現した変化: SCP-4966の胴体の長さが変形前から約150 cm延長し、発音器官を備えた尾を腹部の終端に発現させた。SCP-4966は実験中、この伸びた身体で研究員の手足に巻きついたり、登ったりしたものの、血流を阻害するほどきつく巻きつくことはなかった。変形したSCP-4966は発現した発音器官をほぼ常に用いており、研究員との交流中にしばしば揺すっていた。
吐き出した物質: 分解されたケラチンと液状化した有機物の塊。
引き合わせた死体: 成体かつメスのミノカサゴ (Pterois miles)。
死体の完全性: 重度の腐敗の兆候が見られる。死体内部はほぼ完全に腐敗している。死体には毒針があったものの、SCP-4966は問題なく死体を消費できた。
発現した変化: SCP-4966は1対の胸びれ、1枚の尾びれ、ならびに数本の長い針で構成された1枚の大きな背びれを発現した。これらのひれはSCP-4966の行動、特に垂直方向の移動を阻害しているようであった。針の化学分析により、ミノカサゴの毒の陽性反応が示された。そのため、SCP-4966が吐き出すまで交流は為されなかった。
吐き出した物質: 砕けた針と液状化した有機物。
引き合わせた死体: 枯死したセイヨウカジカエデ (Acer pseudoplatanus) の葉の山。
死体の完全性: わずかに分解されている。
発現した変化: 変化は観測されなかった。SCP-4966は葉を1枚消費した直後に吐き出した。SCP-4966は当実験の残り時間を葉の山の中で遊び、提供された家具から葉の山に向かって繰り返しジャンプして過ごした。娯楽目的でSCP-4966にさらに植物を提供する要請は現在認可待ちである。
吐き出した物質: わずかに傷んだ葉。
引き合わせた死体: 成体かつメスのダチョウ (Struthio camelus)。
死体の完全性: ひどく損傷している。死体は左脚と頭部が欠けた状態で数片に分けてSCP-4966に与えられた。
発現した変化: SCP-4966の両脚が約1.3 m延長し、ダチョウのそれと類似した2つの大きな趾を発現させた。1SCP-4966の頭部が上方向に約1.2 m延長し、湾曲した大きな首を形成した。SCP-4966の胴体の両側に羽根のない1対の翼が発現した。SCP-4966はこの翼を用いて何度か飛行を試み、最終的には提供された家具からジャンプして滑空しようとした。通常のダチョウは縄張り意識が強い動物であるにもかかわらず、変形したSCP-4966は依然として社交的であった。
吐き出した物質: 粉々になった骨数片と液状化した大量の有機物。
引き合わせた死体: 成体かつオスのトウヨウヘラジカ (Alces alces americana) の頭部。
死体の完全性: 死体は剥製にされており、良好な状態で保存されている。
発現した変化: SCP-4966は長さ約1.4 mの枝角を発現した。SCP-4966の頭部に対する枝角の大きさゆえに、バランス感覚や移動能力に支障が出た。加えて、SCP-4966は大きな耳を発現したが、必要な構造を欠いていため、耳を立てておくことはできなかった。聴覚テストにより、この耳はSCP-4966の聴力の向上に寄与しないことが判明した。
吐き出した物質: 金属のスラグ・木材パルプ・粉々になった骨の密集した大きな塊。
引き合わせた死体: 本物の████ブランドのレザーブーツ1足。
死体の完全性: 最近購入され、未着用である。
発現した変化: 変化は観測されなかった。SCP-4966はブーツに接近し、左足用のブーツのつま先を軽く噛んだ。同様に右足用のブーツを調べた後、SCP-4966は右足用のブーツを倒して中に入り、直後に眠りに就いた。
吐き出した物質: 無し。