[SCP-4970が使用され、直ちにSCP-4970-Aに接続します。コリンズ博士が英語を選択し、受付(以後SCP-4970-2と指定)との会話が始まります。]
SCP-4970-2: ユニバーサル・インフォメーション・テクノロジーへのお電話ありがとうございます。私は[不明瞭]と言います。いかがなさいましたか。
コリンズ博士:ああ……どうも。コリンズ博士です。この電話機についていくらか聞きたいことがあって電話しました。
SCP-4970-2:お尋ねになっているのはあなたが今お使いの電話機か、それとも一般的な電話機についてですか。
コリンズ博士:"これ"のことです。どのようにそちらと繋がっているんですか。
SCP-4970-2:恐縮ですが、そのことについてはコミュニケーション・エレクトロニクスにお繋ぎさせていただかないといけません。今私が見る限り、初めてのお電話ではありませんよね?
コリンズ博士:いや、つまり、私はこれが初めてですが、この電話機は以前に使われたことがあるんです。
SCP-4970-2:詮索するようで申し訳ございませんが、それは少し……元の所有者様とお話させていただけませんでしょうか。あちら様名義でのあなたの使用への同意があるのか確認しないといけませんから。
コリンズ博士:すみませんが、今出られないんです。
SCP-4970-2:ああ、承知しました。[休止]ここに、その方はもう私どもの知識を持っていないとありますね。あなた方は別の組織の一部、間違いないでしょうか。
コリンズ博士:どうやってそれを?
SCP-4970-2:ケース・ファイルを見たんです。何か筆記用具はございますか。
コリンズ博士:ああ……はい。
SCP-4970-2:では、あなたのケース・コードをお伝えします:A324-E3212-564I-4242です。そして、これはしっかりと取っておいてください、以後のお電話で伺います。よろしいでしょうか。
コリンズ博士:わかりました。
SCP-4970-2:それでは、要件をお伝えください。
コリンズ博士:はい、おかしいと思われるでしょうが、あなたが誰か、どこに勤めているのかあまりわかっていないのです。
SCP-4970-2:より具体的に仰っていただいてもよろしいでしょうか?あなたが掛けているのはユニバーサル・テクニカル・サポートで、私は受付の一人です。「お客様サポート」のようなものとでも言いましょうか。
コリンズ博士:どうやってこの電話機はそちらと繋がっているんですか。
SCP-4970-2:電話線を通じてとは思いますが、あなた様は……そうではない理由が何かおありで?
コリンズ博士:いや、ただ他のどんな機器でもこの番号に掛けられなかったのでお聞きしたのみです。
SCP-4970-2:ああ。では、そのことについて調査することもできますが、まず製品サポート担当者の方に連絡をして、それからお伝えすることになります。
コリンズ博士:それで大丈夫ですよ、あとで伺います。前の所有者がこれまでの通話でどんなことを尋ねていたか教えてもらえますか。
SCP-4970-2:申し訳ありませんが、お伝え出来ません。会社方針ですよ、プライバシー上の理由でそのような情報は開示できないのです。
コリンズ博士:ああ、残念です。それで、あなたは、いや……あなたの専門分野を聞いてもよろしいですか?
SCP-4970-2:広く浅くで、特に専門はありませんよ。物理法則も、まあ、基礎的なものです。
コリンズ博士:量子力学は?
SCP-4920-2:ええ、そんな感じのものです。
コリンズ博士:少しだけ待っててもらえますか?同僚に相談したいんです。
SCP-4970-2:[笑い声]ちょっと、それは私のセリフですよ!
コリンズ博士:ははは。とにかくー
SCP-4970-2:いえ、全然いいですよ、私はどこにも行きませんよ。
[二分間の沈黙]
コリンズ博士:どうも、戻りましたよ。
SCP-4970-2:おかえりなさいませ。お知りになりたいことを伺えますか。
コリンズ博士:宇宙はいつ、どのように生まれたのでしょうか。
SCP-4970-2:ええ、それはあなた方での「宇宙」と「生まれる」の定義によります。そちらの文明で現在使われている理論のレベルを教えてください。
コリンズ博士:何のレベルですか。
SCP-4970-2:どこかに書き留めていらっしゃるはずですが。
コリンズ博士:私に……それがあるのかどうかわかりません。
SCP-4970-2:元の所有者様はお持ちのはずですね?でもそれは難しいですね、いまお出になられないのなら。ユニバーサル・レジストリーにお繋ぎします、少々お待ちください。
コリンズ博士:ああ、わかりました。ありがとうございます。
[30秒劣悪な音質の録音された音楽が流れ、その後別の実体が電話を取りました。インタビュアーは単調で、冷淡な声調であったと記載しています。]
SCP-4970-3:ユニバーサル・レジストリーです、いかがなさいましたか。
コリンズ博士:どうも、ええ、コリンズ博士です。あなたの同僚がここなら―
SCP-4970-3:ああ、もう大丈夫です。ケース・ナンバーを教えてください。
コリンズ博士:すみません、わかりました。A324-E3212-564I-4242です。
SCP-4970-3:名前は「コリンズ」と。
コリンズ博士:そうです。
SCP-4970-3:で、あなたのユニバーサル・コードを探すのは難しそうですよ、そちらに、どこを当たればいいかわかるようなものが何もないなら。
コリンズ博士:すみませんが、あなた方での私たちの宇宙の分類をどう私は知ればいいというのですか。
SCP-4970-3:はあ、初めに何か書類を持っていたはずでしょう。私たちにはたくさんありますよ、無限にです。こういうことを7[不明瞭]の間やってきてるんですよ。
コリンズ博士:どこからの書類ですか。
SCP-4970-3:いや、どこでもあなたが初めに受け取ったところです!そちらの宇宙はどれくらいの期間お持ちで?
コリンズ博士:137億年ほど、でしょうか。
SCP-4970-3:[ため息]それでもう無くしたんですか?そういうのは保証が無効になるって分かってますよね?
コリンズ博士:何に対する補償ですか?
SCP-4970-3:当然テクニカル・エラーですよ。まあ、構造不良災害ですね。宇宙を自ら損傷しない限りですが、それは所有者の責任です。
コリンズ博士:私の手の及ばない所での損傷については?
SCP-4970-3:あなたの宇宙保険を呼べばいいでしょう。
コリンズ博士:そちらにその番号はありますか。
SCP-4970-3:では、どこで契約したんですか。どこの会社ですか。
コリンズ博士:わからないんです。
SCP-4970-3:[ため息]お客様、私もわかりませんよ。少なくともそれを書き留めていたりはしないんですか。
コリンズ博士:それは……調べないといけないですね。すみません、何もかも今まで全然知らかったんですよ。
SCP-4970-3:大丈夫ですよ。近くにもっと慣れている人がいたりはしないんですか?そうならその人に電話を渡したら、それから調査しますよ。
コリンズ博士:ここの誰にも、私より知識があるとは思いません。
SCP-4970-3:まったく大丈夫ですよ。今私が待つか、それともそちらが我々に必要な情報を見つけたらまた掛けるか、どちらが良いですか。
コリンズ博士:また電話します、時間を無駄にしてしまってすみません。
SCP-4970-3:問題ありませんよ。お電話お待ちしていますよ!
コリンズ博士:さようなら。