SCP-4979
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アイテム番号: SCP-4979

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: 全てのSCP-4979個体は発見当時の施設(以下、暫定サイト-4979と指定)に維持されます。脳支援システムに欠陥があるSCP-4979個体は、更なる劣化を防ぐために現地の極低温保存ユニットに収容される場合があります。現時点におけるSCP-4979予算では、支援システムに欠陥があるSCP-4979個体全てを収容するのに十分な数の極低温保存ユニットを確保できないため、医療トリアージが実施されます。

アクセスはレベル4979/3クリアランスを有する財団職員に制限されます。どの程度であれ、サイオニック・テレパシー能力を有する人物がSCP-4979と接触するのは認められません。SCP-4979割当の職員は、要請すれば配置換えに際して記憶処理を受けることができます。

説明: SCP-4979は、身体から切り離された約750,000個の人間の脳の総称です。各SCP-4979個体は10リットル容量の医療規格プラスチック袋に入れられ、共有のリサイクルユニットで絶えず循環・滅菌されている合成脳脊髄液の中に浮かんでいます。これらのリサイクルユニットは軽度の外部エントロピー特性を持ち、使用可能な液体の損失を伴わず無期限に機能することで、SCP-4979をクローズドシステムにしています。それぞれのプラスチック袋には独自の心肺ユニットがあり、酸素を生成し、各SCP-4979個体の大脳動脈と脳底動脈に血液を循環させています。

様々な損傷や機能不全により、この脳支援システムはSCP-4979個体群の約38%で既に機能していません。

それぞれの脳には未知の奇跡論伝導合金の格子と、電気-奇跡論的な中央処理ユニット(SCP-4979-Aと指定)が装着されています。SCP-4979-Aの機能は異常なものであり、殆ど判明していませんが、各脳のEVE放射から動力を引き出しているようです。

暫定サイト-4979から回収された文書によると、要注意団体7975 “フィクサー・アッパーズ” — 超常外科手術専門の闇医者たちのカルテル — はΩKシナリオの発生後間もなくSCP-4979関連の手術を開始しました。GoI-7975は、本来であれば死に至るはずの重傷を負った、回復する/ドナーの肉体を得られる見込みが無い人物らを標的にしていたと推測されています。

回収されたGoI-7975文書、SCP-4979手術の宣伝チラシ:

永遠の命が死より悲惨な運命である必要はありません。

あなたの肉体は歳を取り、病気になり、壊れます。何故そんな脆い物にしがみつくのですか?

私たちは、文字通り、あなたの精神を解放できます。

滅びる定めの皮を脱ぎ捨て、ただ一つ本当に大切な部位に注力することによって、真に人間を超越しましょう — そう、あなたの脳です。

熟練のプロである私たちのチームが、あなたの脳を最先端の脳支援システムに移植し、今までに設計された最も先進的な仮想現実へと接続します。

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楽園が待っています。

補遺: SCP-4979-Aには、専ら感覚入力をシミュレートするため、取り付けられた脳の神経活動を検出して選択的な電気-奇跡論刺激を提供する意図があるようです。SCP-4979-Aはまた、脳-脳および脳-ハードウェア通信用のWiFi機能も帯びているようです。このWiFi機能は現在全ての個体において動作不能状態です。

SCP-4979-Aは個別カスタマイズを施されていない大量生産品のようです。患者の脳の摘出とSCP-4979-A移植はしばしば粗雑かつ杜撰に行われたらしく、典型的には脳損傷・炎症・瘢痕化に繋がっています。これらの要因、そしてSCP-4979-Aの低水準な設計の結果、当初提供された感覚フィードバックの質は一般的な人間の感覚より遥かに劣悪でした。そのため、SCP-4979個体群は頻繁に様々な程度の感覚遮断に苛まれました。

SCP-4979-Aの奇跡論格子が徐々に腐食して脳内で位置ずれを起こし、信号強度の弱化による電気-奇跡論刺激の不発を引き起こすことで、この効果は経時的に悪化したと考えられます。SCP-4979-Aにはまた、脳内におけるアミロイド斑の形成促進効果も示されており、これによってほぼ全てのSCP-4979個体が何らかの神経変性認知症に罹患しています。

GoI-7975は21世紀初頭、新たに導入された1つの脳が単純ヘルペスウィルスの殺菌剤耐性株でリサイクルシステムを汚染するまで、SCP-4979個体を蓄積し続けたと思われます。このウィルス株は急速にリサイクルシステム全体へと広がり、全てのSCP-4979に感染して深刻な脳炎を引き起こし、その結果さらにSCP-4979-Aユニットを損傷させました。SCP-4979-Aが無線通信機能を失い、SCP-4979を外界とお互いの両方から孤立させたのはこの時期だと考えられます。

修理を試みる代わりに、GoI-7975は施設の放棄を選択しました。施設が2138年に財団に発見された時点で、SCP-4979は外部との接触を断たれてから30年以上経過していたと思われます。全てのSCP-4979には極度の萎縮と外傷の形跡があり、脳支援システムが故障した個体は生物学的劣化が進行していました。意思疎通が複数回試みられているものの、いずれも明快な反応を受け取っていません。

直接的な意思疎通の欠如によって病状の適切な診断は困難ですが、脳波図とスペクトラルCTスキャンは、SCP-4979個体群が一様に数多くの心理的・神経学的障害、とりわけ重度の心的外傷後ストレス障害と鬱病に相関した脳活動を見せていることを示唆します。

全てのSCP-4979-Aユニットは機能し続けていますが、最早一貫した感覚入力を提供しているとは思われません。財団の神経学者たちは、SCP-4979-Aが提供する刺激は具体的な意味を伴わない顕著な動揺・興奮に繋がるものとして解釈される可能性が高いと結論付けました。SCP-4979個体群は例外無く前述した強い苦痛を経験しているため、生成されるEVEも極めて負の方向性が強く、SCP-4979-AユニットはそれらのEVEを循環させて、有害な感覚入力を永続的に強化する正のフィードバックループを形成していると推測されています。

SCP-4979の状態評価は、どの程度であれ有意義なリハビリテーションの可能性を排除する内容です。組織再生や外科的再構築の試みは全て無益であると証明されており、SCP-4979-Aは各SCP-4979個体に深くめり込んでいるので、除去試行はさらに深刻な神経学的損傷を及ぼすと予想されます。SCP-4979-Aを不活性化させる手段は存在しないようです。

SCP-4979はまた、生物学的/ロボット/仮想のドナーの身体に再統合できないほどに深刻な損傷を受けています。仮に再統合に成功しても、SCP-4979は認知能力の劣化が進行しているので、どのような形式であれ通常の交流は完全に不可能です。

如何なる代替手段も存在しないため、倫理委員会はSCP-4979を可能な限り平静な状態で放置するべきと決定しました。

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