SCP-4985
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マンハッタンのSCP-4985本社。

アイテム番号: SCP-4985

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-4985は一般社会における高い知名度と、現地および世界金融市場での広範な非異常性活動を維持しているため、現時点で財団の完全な管理下に置くことは不可能です。収容対策にはSCP-4985のオフィスやSCP-4985影響者への公共アクセスの管理、異常活動への言及を削除するための報道改竄、SCP-4985の影響力を制限するための企業活動(特に財団の運営と直接関わる企業への投資)の規制が含まれています。

財団はSCP-4985に職員4名体制の大使館を維持します。大使館職員らはSCP-4985との意思疎通を中継し、財団の代表者として交渉を行い、商業的・文化的な交流を促進し、条約やその他全ての協定の遵守を確実なものとします。大使館職員は外交交渉、経営管理、金融市場、中世ヨーロッパ史の知識を有することが理想的です。SCP-4985の従業員やその親族と交流する財団職員には、50以上の認識災害抵抗値(CRV)が求められます。

説明: SCP-4985はニューヨークを拠点とするアメリカの投資管理企業、ゾラー&サンズ・カンパニーです。SCP-4985は主にレバレッジド・バイアウト(LBO)、成長資本、危険負担資本で運営されている株式非公開企業であり、約400名の直接従業員と305億米ドルの資産を保有しています。

SCP-4985は従業員、株主、その近親者(法的・生物学的定義の両方)に、SCP-4985の非正統的な組織構造と企業文化を受け入れさせ、そこに参加させる認識災害効果を帯びています。加えて、影響者は顕著な異常能力を付与されない反面、SCP-4985関連活動に対する他者の反応を抑制する二次的な異常性を発揮します。この効果は他者をSCP-4985の意向に従わせるほど強くはありませんが、CRV値が平均より低い人物は、SCP-4985従業員の行動が異常であることを認識できません。

異常でない企業と比較したSCP-4985の重要な面は、その上級管理職重視の構造、遺伝的な家族の繋がりに基づく雇用慣行、内外における暴力の頻繁な行使、従業員が従う様々な儀式と礼儀作法規則にあります。この結果、SCP-4985の運営方針は中世後期のヨーロッパにおける君主政治に近似しています。

SCP-4985の取締役会長と最高経営責任者の役割は、その統治者であるSCP-4985-1が同時に果たします。現在のSCP-4985-1はピーター・ローレンス氏であり、“ピーター1世王”を自称しています。SCP-4985-1は1975年にペンシルベニア州で誕生し、コーネル大学で経営学修士の学位を取得した後の1997年にSCP-4985で働き始め、最終的にはグローバルクレジット高位卿およびペットスマート公爵の地位を獲得しました1。彼は2008年の金融危機の後、株主連合を結集させて当時の統治者だったキャボット家のアレクサンダー3世を倒し、SCP-4985の実権を握りました。王位に就いた経緯が不安定であるため、彼は慎重な社内政策を追求していますが、それに比べると対外政策は積極的であり、SCP-4985とクレイトン・デュビリエ&ライス社の間で進行中の紛争2を激化させるためにメリルリンチ銀行と結婚同盟を結んでいます。

SCP-4985従業員の子供(場合によってはその他の若年の親戚)は親の後を追う雇用が予想されますが、概して標準的な非異常教育を受けます。同等の給与レベルであるSCP-4985の部門間では一定の人員移動が発生しますが、上級管理職への昇格には相当量の自社株の所有とSCP-4985-1による爵位授与が必要なため、戦闘や際立って巧妙な投資などで武勲を上げない限り、従業員の大半は出世できません。

SCP-4985の最も劇的な影響は死刑の行使です。毎年、横領や不敬罪などの犯罪によって、5~10名の従業員が斬首刑に処せられます3。SCP-4985の部外者に対する暴力行為は滅多に発生しませんが、収容面ではこちらの方が問題視されています。特筆すべき事件には、2007年以降シーグラム・ビルディングのCD&R社オフィスに行われている散発的な攻撃、モルガン・スタンレー銀行の中位従業員数名に対する毒殺の試み(未検証)、2009年に発生した証券取引委員会調査員2名の窓外投擲などが含まれます。この事件をきっかけにして財団はSCP-4985を認知しました — SCP-4985の行動はそれまで自己隠蔽特性によって発見を免れていましたが、調査員死亡事件の奇妙な性質を受けてUIUが関与し、財団に問題を通知しました。

これらの非凡な特徴にも拘らず、SCP-4985は金融業界の他企業との競争力を維持しています。SCP-4985は2008年の金融危機で倒産寸前まで追い込まれましたが、それ以降は好調な四半期利益・資産成長を発表しており、2,000を超える個人・法人の顧客に金融サービスを提供し、アメリカの州や連邦政府の代表者(特に[データ削除済])との緊密な関係を保っています。このため、収容試行と財団-SCP-4985の外交関係には、ある程度の柔軟性と創造性が求められています。

補遺4985-1: SCP-4985と財団の初接触記録の転写

イベント転写 4985-01-01


2009/08/11、09:20
職員: ルイス・ゴンザレス博士
注記: 異常および非異常な企業との取引に利用される財団フロント組織、パブリック・コーポレート・ソサエティを介して、会談要求がSCP-4985に送られました。SCP-4985は肯定的に応答し、“朝貢と貿易のための特使1名”を派遣するように求めました。


<転写開始>

ゴンザレス博士がニューヨークのブロード街40番地にあるSCP-4985のオフィスに到着する。ロビーは様々な企業ロゴを内包する紋章で装飾されている。ゴンザレス博士は受付デスクに近付く。

受付係: 名と要件を述べよ、異邦人。

ゴンザレス: どうも、9時30分の会議のために参りました - パブリック・コーポレート・ソサエティ上席副社長のルイス・ゴンザレスと申します -

受付係: [コンピュータを確認する] 大変申し訳ございませんでした、高潔なるゴンザレス卿。我々の領土に新たに参られました故、あなた様の肖像がデータベースに掲示されておりませんでした。ご不便を何卒ご容赦くださいませ。あなた様の到着を伯爵にお知らせ致します。 [電話に] 閣下? ソサエティより異邦の領主様が参られました。無論です、閣下。 [電話を切る] 間もなくいらっしゃいます、卿。どうかお掛けになってお待ちください。

間もなく、ビジネススーツを着用した中年の白人男性がエレベーターから降りる。受付スタッフとロビーにいるその他の従業員たちが直立不動の姿勢を取る。

受付係: 傾注! 広報卿閣下のお成りである!

ウエスト: [深くお辞儀する] ウエスト家のマイケル、広報卿、グラブハブ伯爵、どうぞ何なりと。尊敬すべき高潔なる特使ゴンザレス殿、よくぞ我が社に参られた。

ゴンザレス: [お辞儀する] 光栄に存じます… ウエスト伯爵。私どもの財 - 組織が、あなた方との関係を無事確立できるよう願っております。

ウエスト: ゾラー&サンズには逞しく名誉ある企業との提携を結ぶ意志が常にあるとも、卿よ。そなたは社王陛下とお会いする特権を既に与えられている - 吾輩の後に続きたまえ。

両名はエレベーターに乗り込み、ウエストはアクセスカードを通して24階を指定する。

ウエスト: Eメールやウェブサイトで其方らの事業について読んだが、吾輩はウォール街やブルームバーグの年代記でそなたらのソサエティの話を目にしたことがない。吾輩ほどの士官ともなれば無論、ああいった資料も定期的に読まねばならぬのでな。

ゴンザレス: PCSが企業サービスを提供しておりますのは… あなた方のように、深遠なビジネスモデルや、非主流派の利益を追求している顧客の方々でございます。

ウエスト: それはどういう意味かね? 我が社は偉大にして傑出した企業ではあるが、事業面ではウォーバーガーの民やカーライルの民と些かの違いも無い。

ゴンザレス: いえ、あなた方の - この色々な - 王侯貴族の制度は、あなた方の事業を特異なものとしてはおりませんか?

ウエスト: (笑う) 他に企業を経営する術があろうか? 其方が欧州の奇怪な発想に言及したのでないのを願おう - 我が社には非常に優れた従業員がいるが、彼らが自己管理に適しておらぬことはどんな愚か者でも見て取れる。其方もまた市場に清められし自社君主の権利を信じておるであろう?

ゴンザレス: えー、その、我々は非営利でして。

ウエスト: あぁ、非営利の民であったか。実に - 失礼、着いたようだ。

エレベータードアが開き、両名は廊下を進んで両開きドアのある会議室の外で立ち止まる。制服を着た警備員2名が、ホルスターに銃器を収め、タッセルで装飾された警棒を装備してドアの傍らに立っている。彼らは2人が近付くと直立不動の姿勢を取る。

ウエスト: 陛下は間もなくお会いになるだろう。其方も宮廷の作法は心得ているものと信じる。

ゴンザレス: 陛下に対して如何なる礼も失することは望みません。知っておくべき重要な事項などございますか? 異なる王国には異なる習俗があるものです。

ウエスト: (溜息) やれ、古き血統無き者に期待しても詮無き事か… 無論、陛下には折り目正しく話しかけねばならぬぞ。促された時だけ口を開き、其方らの四半期の数字への言及は避け、優位を仄めかすことなく其方自身の君主に敬意を払うように。貢物は確かに持参したであろうな?

ゴンザレス博士はブリーフケースを開いて赤ワイン1瓶を見せる。

ウエスト: これは何処で入手した? 何処の産かね?

ゴンザレス: ボルドーの赤でございます。最高級品でないのは認めますが、妥当な -

ウエスト: ダウに感謝を。ナパ・ヴァレー産ではと怖れていた - 今年の2月、あの地の生産工場の1つを巡って下劣なクレイトンの民と小競り合いを起こしたのだよ - それは重大な侮辱と捉えられたやもしれぬ。お互いに首は繋がったようだ、友よ。来たまえ。

ウエストがドアを開くと広い会議室があり、約20名のビジネススーツを着た人物たちがいる。SCP-4985-1は会議テーブルの遠端に座っている。

ウエスト: おお、最も輝かしく高潔なるゾラーの王よ、ダウの恩寵により株主に愛されし者よ。パブリック・コーポレート・ソサエティの上席副社長である、尊敬すべきゴンザレス卿をご紹介申し上げます。彼は高貴なるあなた様と我らが王社への敬意を払うべくして参りました。

ゴンザレス: ご挨拶申し上げます、社王陛下。私の、えー、君主はあなた様の組織との関係を確立するために、私を派遣致しました。

SCP-4985-1: 本来ならば、余は其方らのような狭き領域の問題は、ここにいる伯爵に処理させておる。しかし、謁見を求めるその豪胆ぶりに興味をそそるものがあった。我らはウォール街南方において最も強大な投資企業であり、百の合併と買収に勝利を収めてきた。では訊こう、卿よ。余が即刻、NASDAQに上場すらしておらぬ其方の小さな企業の資産剥奪を行うのを何が止められようか?

ゴンザレス: 陛下、我が社は小規模なれど、あなた様の想像以上の存在です - 我々には合衆国政府との密接な付き合いがございまして -

廷臣たちの間に動揺が広がる。

廷臣: 委員会の密偵め!

“連邦の狗”と“規制人”に対する侮辱の叫び声。

SCP-4985-1: 静まれい! 密偵はこうも堂々と正門から入場して名乗りを上げはせぬわ。卿よ、危うい橋を渡ったな。我らは決して異端ではない - ワシントンの霊妙なる権威を認め、十分の一税を支払っておる - しかし今は世俗の繋がりも、精神的な繋がりも退潮期だ。ドッドとフランクの悪意ある言葉は分離の噂すら引き起こしておる。最後に訪れた委員会の者どもは実に法外な要求を突きつけ、自らの首を絞めることになった。

ゴンザレス: どうやら誤解があるようですな、陛下。我々は政府との繋がりがありますが、全く異なる使命を帯びております。我々は御社が政府から、大衆から、その他の者どもから苛烈に監視されるのを防ぎたいのです。我々はFBIが御社の業務に関心を抱いたことを把握しております -

廷臣たちの怒りの叫びが再開する。SCP-4985-1が片手を挙げて彼らを沈黙させる。

ゴンザレス: - そしてお望みならば、あー、その注意を少しばかり逸らすことが可能です。

SCP-4985-1: 面白い提案である。この件をもう少し深く其方と話し合いたい。ヤンキーキャンドル公爵とグラブハブ伯爵を除き、全員退出せよ。

<転写終了>

補遺4985-2: 翌月に行われた数回の交渉を通じ、部分的な協力と引き換えにSCP-4985の異常な活動を財団が隠蔽するという点について、SCP-4985と財団の間に合意が成立しました。ハンプトンズ条約4'5には次の規定が含まれます。

  • 恒久的な財団大使館の設立
  • SCP-4985は財団の下請け企業に干渉しない
  • CD&R社から財団資産を売却する
  • SCP-4985と財団の間では侵略行為を行わない
  • SCP-4985の軍事行動や主要な財政的決定の事前通達

アメリカ合衆国の金融業界に属する他企業への暴力行為の停止は、財団にとって交渉の核となる目標だったものの、SCP-4985側からはその独立性と威信に対する脅威と見做されたため、成功しませんでした。これは引き続き収容面での懸念事項であり、合衆国議会の連絡先からSCP-4985に有利な譲歩を引き出すという条件で再び交渉を行う提言が為されています。この提言は現在、倫理委員会の審査待ちです。

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