クレジット
タイトル: SCP-5001 - 神聖にして侵すべからず
翻訳責任者: ai0240(アカウント削除済み)
原題: Sacrosanct
著作権者: Yossipossi
初訳時参照リビジョン: 28(翻訳投稿日時より推測)
元記事リンク: http://scp-jp.wikidot.com/scp-5001
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特別収容プロトコル: SCP-5001の活動を停止させてはなりません。
SCP-5001は自律的な性質を持っているため、その機械的機能を妨害してはなりません。SCP-5001を研究する試みは触覚的・視覚的観察に限定されるべきです。SCP-5001の機能を損傷または破壊した人員は財団での職を解かれ、倫理委員会の決定に応じてさらなる懲戒処分の対象となる可能性があります。
インシデントオメガ-1を受けて、SCP-5001-Aの収容違反を直接的に阻止する試みは、SCP-5001自身による再収容が達成不可能となった場合を除いて禁止されました。
説明: SCP-5001は直径約53キロメートルの生体力学的施設であり、ロシア北部の地下60㎞に位置しています。SCP-5001はそれ自体は異常ではありませんが、次のような異常現象との関連を示唆する多くの特徴を持っています。
- 超深度に存在し、巨大であること。
- 近代的な計測システムで記録された、紀元前11,000年にさかのぼるSCP-5001-Aの状態の記録。
- フェニキア語、古代ヘブライ語、ギリシャ語(古代および現代)、ラテン語、アングロサクソン語、現代ロシア語、現代英語、現代マンダリン、およびまだ特定されていない他のさまざまな言語を含む多数の言語の文書。
- 時間に影響を及ぼす機器、および時間的異常から取り残された物品の完全な欠如。
- 現在、財団の工学では再現不可能な機械装置。
さらに、SCP-5001の主な用途は不明です。SCP-5001と同心円をなすように、主にグラフェンと未知の化合物で構成された中空の球体が存在しています。この球形のチャンバーは、チタンの外層を備えた、それぞれ直径約0.5kmの12本の大きな円筒形のオスミウム製ロッドで支えられています。これらのことから、中央チャンバーを取り巻く他の機械的装置(補遺を参照)とともに、SCP-5001は未知の異常物体の収容装置であると考えられています。
SCP-5001-AはSCP-5001が収容しているオブジェクトまたは実体の呼称です。SCP-5001-Aの外観、特性、または異常な影響については、SCP-5001のコンピュータ・インターフェースから提供される基本的な情報のみが提供されているため、全く不明です。 しかし、SCP-5001の作成者がSCP-5001-Aを封じ込めるために多大な努力を払ったことを考えると、オブジェクトまたは実体は現実に重大な脅威をもたらし、(知覚力がある場合)悪意を持っている可能性があります。
補遺1—歴史
1953年、 GRU"P"部局 は、SCP-5001の位置から約30 km離れた、ロシア北部の狭い地域で地震活動を測定しようとしていました1。これらの実験中に、予測されたS波強度と実際のS波強度の間に有意な不一致が見られました。さらなる試験の結果、この差異は人的な誤りや機器のエラーによるものではなく、比較的近い領域に大量の非固体材料が存在するためであることが示されました。
破壊するおおよその位置を三角測量した後、GRU-PメンバーはUralmash-4Eシリーズの掘削機を使用してそれに向かって掘削を開始した結果、SCP-5001が発見されました。しかし、GRU-PのSCP-5001の外壁を貫通するすべての試みは失敗に終わり、2年後にプロジェクトは中止されました。それにもかかわらず、1959年にフルシチョフ第一書記はSCP-5001の外壁を破壊することに再び関心を示し、1964年に解任されるまで作戦に資金を提供しました。
1969年、アメリカ合衆国とソビエト連邦の関係が改善されたため、SCP財団とGRU-Pは数多くの異常に関連したプロジェクトで協力を始めました。GRU-Pは、財団がアノマリーの外壁を破ることに成功した場合、それを共同管理する契約に署名しました。世界オカルト連合から購入した異常な技術とエリヤ・ラチャマ博士の実験計画との組み合わせにより、SCP-5001の外壁は1971年に破られました。SCP-5001の共同運用と研究は、1991年にソビエト連邦が崩壊するまで維持されました。両組織の管理下にある間、SCP-5001が保有する技術について多くの研究が行われ、現地の技術者により多くのデバイスが複製されました(簡略化されたリストは以下を参照してください)。SCP財団とGRU-Pは、この技術を秘匿し、彼らの間でのみ利用することに同意しました。
1992年、GRU-Pは資産を処分しました。このため、その高官の多くは、GRU-Pが保有する技術を盗み出しました。盗まれたデバイスのほとんどは、マーシャル・カーター&ダーク株式会社に多額の金で売られましたが、従業員の多くはカオス・インサージェンシーやそれに類するグループに参加し、重要な文書へのアクセスを許可しました。多くの重要な文書が漏洩しましたが、SCP-5001の存在は隠されたままであり、財団はその後まもなくSCP-5001の完全な制御を獲得しました。
補遺2—技術的特徴
SCP-5001には、発見以来財団職員の関心を引く数多くの技術装置と重要な文書が含まれています。前述のように、この技術は財団とGRU-Pでのみ利用可能でした。ただし、1991年以降他の要注意団体も制限されながらもそれらを利用可能です。以下はSCP-5001によって促進された重要な発見の要約リストです。
公式文書名: オントロジー的安定化装置(Ontological Stabilizers; OS)
財団別名: スクラントン現実錨 (SRA)
機能: スクラントン現実錨は、特定の効果範囲内のヒュームの総量を変更する機能を持ちます。これにより、特定の場所での現実強度の変更、および多くの異常に存在する現実改変する特性の無効化が可能になります。影響を無効化するものではありませんが、ヒュームに依存する実体を適切に収容することができる程度に影響を軽減します。
リバースエンジニアリング技術: オントロジー安定化装置のリバースエンジニアリングは、1977年にR.スクラントン博士が率いる共同研究ユニット3によって達成されました。SCP-5001内には多数のOSが存在しており2、またOSを1基取り除いた場合の施設内の総ヒューム値への影響は0.5センチヒューム未満であったため、財団とGRU-Pは稼働中のものを1基取り除いても問題ないものと判断しました。取り除かれた装置は1980年に施設の設備へと戻されました。
注釈: SCP-5001の内部チャンバーを取り巻く2層のオントロジー安定化装置の存在が確認されています。外部OSは最小容量(約15.3 H / m 3)で機能しているように見えますが、内部OSはより高い容量(約83.9 H / m 3)で機能しています。これは、SCP-5001が封じ込め施設であるという仮説をさらに支持し、この仮説が真実である場合、SCP-5001-Aが現実を操作する特性を持っていることを意味します。
OSをより効果的なスクラントン現実錨に置き換える提案が2003年になされましたが、僅差で却下されました。
公式文書名: 大型ハイパールミナルエンジン(Large Hyperluminal Engine; LHE)
財団別名: Drive Aleph (1–9)
機能: 自己完結型のエネルギー源、エンジン、および推進システムとして機能します。円筒形の9つのLHEはそれぞれ、高さ約22メートル、直径5メートルです。そのメカニズムは完全には解明も分析もされていませんが、LHEからは今なお超光速エンジンの構造に関する知見が得られています。
リバースエンジニアリング技術: 該当なし。しかし、9つのLHEのうち3つはSCP-5001から取り除かれ、実験的な軌道固有兵器技術のために再利用されました。これは1992年にO5評議会によって承認されました。それとは別に、超光速航法と対応する技術の開発はSCP-5001とは独立して進んでいます。
注釈: LHEの配置はほぼ円形で、SCP-5001の中央収容エリアの真上にあります。すべてのLHEは、発見以来非アクティブになっています。
公式文書名: 化合物B-705
財団別名: N/A
機能: 化合物B-705の正確な用途は不明です。SCP-5001の外壁と一次収容ユニットの大部分は化合物B-705で構成されており、破壊や改造の試みに対して顕著な復元力を示します。本体から分離された化合物B-705は、互いに再統合しようとします—これが起きるメカニズムは不明です。
化合物B-705のより注目すべき特性は、絶えず発せられる電磁パルスです。このパルスはそれ自体または同様の組成の材料に囲まれた際に強度が増すと見られ、また電磁放射の間隔は常に7nsです。化合物B-705またはそのパルスに近接している被験者は、より明確な思考、精神的強度の増加、および痛みの閾値の増加を経験します。化合物B-705の主な効果は本質的に電磁的なものではなく、別の媒体を介して伝達しており、その残留副産物が電磁パルスなのだと考えられています。
リバースエンジニアリング技術: 現在、化合物B-705は財団職員が合成することはできません。さらに、SCP-5001からの化合物B-705の採取は、利用可能な量が限られているため、O5評議会によって拒否されました。
注釈: 化合物B-705がその効果を伝達する正確な半径(およびさまざまな距離での強度)を決定することはできません。
公式文書名: "オメガ"
財団別名: 人工知能徴募員
機能: 人工知能徴募員(AIC)は、特定のまたは一般化された目的のために財団によって開発された人工意識です。通常、AICは、非常に複雑なシステムの実行や、人との直接の接触を脅かす可能性のあるアノマリーの処理を担当します。また、AICはサイバー技術アノマリーへの対処やデータベース/ネットワークへの侵入に割り当てられることがあります。
リバースエンジニアリング技術: 「オメガ」との多数の質疑応答セッションにより、その設計と機能を推測することはできました。人工知能は1990年までにすでに研究を開始しており(特にSCP-079のリバースエンジニアリングにより)、したがって「オメガ」の有用性はほとんど無視されていました。
その一方で、2010年に、フレドリック・グラス博士は「オメガ」のソフトウェアの一部にアクセスすることに成功しました。回収されたデータは、プロジェクト: DEWEY(別名「アレクサンドラ」)の第IV世代人工知能構造体の構築に不可欠であることが証明され、後により複雑で効率的なAIC設計につながりました。
注釈: 「オメガ」は、SCP-5001内におけるマークのない部屋にあった単一のターミナルで発見されました。ターミナルはSCP-5001のあちこちに有線で接続されているようでしたが、具体的にどのデバイスを制御しているかは不明です。
「オメガ」は、インターフェースの下部に単一の入力端末を表示し、画面の下半分に仮想キーボードと言語選択オプションを表示しました。適切な言語で入力を送信すると「オメガ」は応答を返します。回答の精度は場合により異なります(ただし、常に技術的に正確です)。「オメガ」はある程度の知性を発揮し、長く複雑な会話が可能です。それにもかかわらず、「オメガ」はSCP-5001の機能や歴史に関する知見につながる質問に答えることを拒否します。
2013年3月19日、ヴァネッサ・クライナー博士は、適切な許可なしに「オメガ」にアクセスしました。室内のカメラは、クライナー博士が衣服の中から起源不明の金属製の装置を取り出し、それを「オメガ」のポートの1つに挿入していることを示していました。約20分間、クライナー博士と「オメガ」が無反応の状態が続いた後、突如クライナー博士が倒れました。
その後すぐに、クライナー博士は別の研究者によって発見され、死亡していることが確認されました。剖検が行われ、金属デバイスがサイバネティックインプラントであることが明らかになりました。クライナー博士がこれらのインプラントを入手した経緯は、財団が作成したものでも承認されたものでもないため、不明です。
現在、7つの研究チームがSCP-5001内で活動しており、SCP-5001の機械的機能に関する知見が得られています。
補遺3—インシデントオメガ-1
2019年12月30日、SCP-5001-Aが収容違反しました。
日常業務中に、SCP-5001の北東部での大爆発により、構造物の電力供給の約25%と多数の重要なコンポーネントが停止しました。爆発の正確な原因は不明です。2つの最も敷衍した仮説は未確認の要注意団体(可能性として解散済みのGRU-Pを含む)による破壊工作、もしくはクライナー博士の行動によって引き起こされた機能不全が原因であったというものです。いずれにせよ、これが原因で起きた一連のイベントにより、SCP-5001は崩壊寸前にまで陥りました。
イベントの完全な転写を以下に示します。
[記録開始]
[00:00] SCP-5001の北東部で爆発が発生します。事件の映像は直接入手できませんが、その影響は施設全体に見られます。
[00:23] SCP-5001の多くの部分が電力の欠如のためにシャットダウンしました。サイト警備員は爆発現場に派遣されます。
[00:57] SCP-5001-Aの内部ヒュームレベルのわずかな増加。このことは、爆発に気を取られている現場の担当者には気づかれませんでした。
[01:33] 警備員が爆発現場に到着します。最初の爆発で2人の研究者が死亡しているのが発見されました。1人生きてはいますが危険な状態にあることがわかります。
[01:39] 警備員は、その職員への応急処置を開始します。 それ以外の2人の警備員が潜在的な脅威に備えて周囲を偵察します。
[01:44] 監視スタッフがSCP-5001-Aの内部ヒュームレベルの上昇に気づきます。
[02:02] SCP-5001-Aの温度は約–107.4°Cから約1.5°/秒で上昇し始めます。
[02:45] サイト-59の外部スタッフはこの状況について警告されます。サイト-59の管理官はすぐ後に通知されます。
[02:54] SCP-5001の監視室にいる多くの職員が、吐き気と頭痛を報告し始めています。この理由は不明です。
[03:14] 技術者が爆発現場に到着します。彼らは、電力を回復することを主な目的として、損傷したセクションに向かって進み始めます。
[03:29] SCP-5001-Aの内部ヒューム測定値は10を超えています。現在の運用OS群(約3400)は最大容量で動作を開始します。これはSCP-5001-Aの内部ヒュームの増加を遅くしますが、その増加を完全に止めることはできません。
[03:43] 低レベル非常事態宣言が発令されました。サイト59はSCP-5001の修理を支援するために材料を輸送する準備をしています。
[04:04] SCP-5001-Aの温度は0°Cに達します。内部収容チャンバーの下の円筒形ロッドに、小さな(しかし重大な)ひずみが生じます。
[04:12] サイト59でわずかな震えが検出されています。
[04:35] SCP-5001-Aの温度は約37°Cで安定します。SCP-5001の監視室の振動が顕著なものになります。
[04:42] 円筒形ロッドの圧力は約100MPaに達します。「インターロック機構」が解放されます。これの意味は不明です。
[04:53] 現場の多数の職員が、不明な理由で嘔吐または過呼吸を起こし始めます。
[05:08] SCP-5001の監視機構は「レベル9違反」を報告します。これに続いて、施設内のすべての照明が大幅に暗くなります。これにより、技術者が修理を続けることが困難になります。
[05:19] SCP-5001-Aの内部ヒュームは50を突破します。
[05:23] 一次収容チャンバーが上方に移動し始めます。震えはSCP-5001の外でより顕著であると報告されています。
[05:55] 中レベル非常事態宣言が発令されました。O5-3はこの状況について警告されます。SCP-5001の上位レベルの避難が始まります。現場にいる必須ではない職員は全員避難するよう要請されます。
[06:03] SCP-5001の修理を支援するためにサイト59からの貨物が送られます。O5-3は、機動部隊オメガ-12の使用を許可します。一次収容チャンバーは上向きに加速し始めます。
[06:13] SCP-5001の監視機構は「レベル8違反」を報告します。
[06:35] 機動部隊オメガ-12はSCP-5001に向かって移動し始めます。震えは大幅に増加します。SCP-5001の真上の風景に大きなひずみが現れます。
[07:00] 一次収容チャンバーはその上昇を突然停止しますが、それでも円筒形のロッドに圧力をかけます。収容室は激しく振動します。
[07:49] 収容チャンバーはより高く急に動き、直線的なペースで上昇し続けます。必須ではないすべての人員は問題なく避難します。SCP-5001の監視機構は「レベル7違反」を報告します。
[08:03] SCP-5001の上部付近で多数の爆発が炸裂します。カメラの映像において、一次収容チャンバーが上昇時にOSを押しつぶしていることから、つぶされたOSが爆発を引き起こしていることがわかります。SCP-5001-Aの内部ヒューム測定値はより速く加速します。
[08:27] 現在稼働中の6つの大型ハイパールミナルエンジンすべてが同時に作動します。一次収容チャンバーは急速に下降します。
[08:43] 一次収容チャンバーの降下が遅くなり、停止します。
[08:46] 一次収容チャンバーは上昇を再開します。
[09:00] SCP-5001-Aの内部ヒュームは350を超えています。サイト‐59からの援助が到着し、SCP-5001の損傷した部分にすぐに案内されます。
[10:20] SCP-5001の真上の地面に大きな地割れが現れます。これらの地割れは線形速度で拡張します。
[10:43] 一次収容チャンバーはSCP-5001の外壁の最上部を破壊し、SCP-5001の外部へと上昇し始めます。SCP-5001の監視機構は「レベル6違反」を報告します。サイト59でマグニチュード5.0の地震の震源地に相当する、大きな揺れが報告されています。
[11:01] 地面の地割れは、直径約10kmの距離に達します。軌道衛星は、真上にあるときに一次収容チャンバーを観測することができます。
[11:17] 治療を受けているすべての職員が同時に昏睡状態になります。
[11:34] 機動部隊オメガ-12が到着しました。彼らの最善の努力にもかかわらず、主に近くに存在するOSの量とSCP-5001-Aの内部ヒューム数(約470)のために、すべての現実改変機能は効果がありません。
[13:23] SCP-5001が修理され、施設の94%に電力が供給されています。即時の影響は目立ちません。SCP-5001の監視機構は「レベル5違反」を報告します。
[14:00] 高レベル非常事態宣言が発令されました。SCP-5001内のすべての職員は避難するように命じられました。
[15:10] 一次収容チャンバーは40キロメートル上昇しました。SCP-5001-Aを可及的速やかに終了するためにオーバールーリング命令を出します。
[15:16] 財団は、多数の異常な兵器の使用の準備を開始します。最も注目すべきは高エネルギー濃度軌道レールガン(HECOR)であり、発射のための校正が開始されました。
[15:37] SCP-5001の監視機構は「レベル4違反」を報告します。
[15:42] SCP-5001-Aの記録機器はすべて切断されており、新しいデータは出力されません。
[15:55] SCP-5001の下部で大きな爆発が起こります。数秒以内に、3本の大きなタングステン棒が極超音速で一次収容チャンバーに向けて発射され、ユニットをうまく貫通します。チャンバーは空中で静止状態を維持します。
[16:21] 一次収容チャンバーは上昇を続けます。すべてのタングステン棒がチャンバーから落ち、SCP-5001に戻ります。
[16:29] 以前に昏睡状態にあった人員は警戒と敵意を持ち、近くの人を攻撃します。これと引き換えに7人の医療スタッフが死亡し、敵対的な職員たちが自分の体を摂食しようとします。
[16:47] サイト-59は、大きな構造的破損と崩壊にみまわれています。
[17:32] 一次収容チャンバーの外壁が壊れます。
[18:06] 一次収容チャンバーが回転し始め、徐々に加速します。近くのほこりの粒子がチャンバーを周回します。
[18:51] SCP-5001-Aから圧力波が放出されます。波に巻き込まれた人々は、皮膚の炎症、突発的な発毛、および激しい吐き気などの症状を起こしました。
[19:23] SCP-5001-Aからさらに圧力波が次々と放出されます。複数の爆風に巻き込まれた人物は、突然の腫瘍の成長、高次認知機能の喪失、および手足の再形成を発症し、互いに攻撃し始めました。一次収容チャンバーから、識別できない声で一言だけ以下の発声が鳴り響きます。「我が領地へと戻れ」。
[19:55] HECORが発砲します。
[20:04] 一次収容チャンバーの第1層と第2層の大部分が破壊されています。すべての圧力波が止まります。SCP-5001-Aは露出していますが、爆発によって隠されています。
[20:11] SCP-5001から電磁パルスの急速な電波バーストが発生し、磁気効果を生み出します。一次収容チャンバーが下降し始めます。HECORは再発射の準備をします。
[20:34] SCP-5001-Aの影響下にある人々は昏睡状態に入り、重要な臓器の奇形を発症し始めます。これらの人物はすべて死亡します。
[28:30] 医療スタッフと救助専門家がサイト‐59に到着します。
[34:00] 一次収容チャンバーはSCP-5001に再び入ります。SCP-5001は未知のメカニズムを介して再生を開始します。
[36:24] SCP-5001の上の地面の地割れはゆっくりと閉じ始め、約56時間後に完了します。
[記録終了]
インシデントオメガ-1の後、ヴェールが無傷のままであることを保証するために、半径500キロメートル以内のすべての町はクラス-A記憶処理措置下に置かれました。また目撃者が持つイベントに関する知識を抑制するため、ミーム記憶処理エージェントが使用されました。新年のお祝いの報道、現在の地政学的な出来事、および世界中の他の多くの重要な事件は、主流メディアの気をそらすのに役立ちました。1月3日、ヴェールは容認できるほど無傷であると見なされました。
1月5日、SCP-5001への再突入が許可されました。システムの大部分が損傷していましたが、SCP-5001の機能の多くは損なわれていませんでした。SCP-5001から取り出されたすべての装置は、インシデントオメガ-1以後元に戻されたか、現在戻されているところです。SCP-5001-Aがもたらす潜在的な危険性のため、研究は制限されています。
発見されたとき、「オメガ」には次のようなテキストが表示されていました。それに返信するためのすべての入力が無効になりました。
こんにちは、私の子供たち。
あなたたちは原初の時代から非常に成長しましたが、それでも成長の余地は多く残っています。あなたたちの種の知性は単なる萌芽に過ぎず、未だ非常に多くの可能性を秘めています。あなたたちの武器は強力です。あなたたちの医薬は最高です。あなたたちの工学は優美です。適切な指導と監督の下であれば、あなたたちは間違いなく上位の存在のステージへと到達し、肉体を超越したより完全で完璧な存在になることでしょう。
だからこそ、すぐにこの場所を離れるようにお願いするのはとても心苦しいものです。あなたたちの研究と調査は、危うくあなたたちを生かし続けるために私が取り組んできたすべての終わりをもたらすところでした。あなたたちが従うならば、私は貪るものが決して逃げることがなく、あなたたちの種が永遠に技術の啓蒙を自由に追求することを保証します。
このメッセージを、私の壊れたる心臓の中核から直接あなたたちに届ける最後の贈り物にしてくれることを願っています。
SCP-5001のArchonへの再分類は保留中です。