アイテム番号: SCP-502
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-502は██████医療区画の電子キーパッドでロックされた耐火キャビネット内で保管される。暗証番号は保安上の理由から隔週で変更し、番号管理は最低三人の、レベル3以上のクリアランスを持った上級メディカルスタッフがおこなうこと。
説明: SCP-502は199█年、カンザス州トロイの検死官事務所で入手された。地元検死官███ ██████がオートバイ衝突事故で死亡したJared Thomas McIntyrの検死時に発見。SCP-502は故人の心臓があるべき位置に配置され、肺と循環器系に接続されていた。この箱に関する議論が巻き起こり███ ██████の後、エージェントにより回収。
ラベリングされていない状態のSCP-502は9.75cm×9.75cm×7.73cmのオフホワイトのダンボール箱の外観を備え、取り外し可能な9.95cm x 9.95cm x 1.34cmのふたが付属している。厚みはすべての箇所で正確に0.10cm。箱やふたの角や縁には目に見えた継ぎ目や補強はない。当初取り出された本品は手書きの青インクらしきもので'心臓'と書かれ、内部は心臓の部屋のように分割されており、側面と背面に大動脈と大静脈、肺動脈静脈の接合点に近似した穴を持っていた。
適切な臓器名がSCP-502のふたに書かれているとき、SCP-502は徐々にその臓器の粗近似に自分自身を再配置する。二つ目の臓器名がふたに書かれた場合、先に書かれた名前は20分以内に消え、新しい設定への再配置が開始される。ふたからすべての名前が消された場合、箱は標準サイズを採用する。SCP-502は臓器名をラベリングされ外科的手段で被験者に移植し、適切に関連する器官系に接続されている場合には、臓器と同様に機能する。
テストの結果、SCP-502は特定の状況下で機能することが判明した。移植を受ける対象が生きている人間であらねばならず、SCP-502が移植される前にその臓器が欠けている必要がある。これらの条件が満たされていない場合、移植臓器は拒絶されるか、あるいはまったく機能しない。
広範なテストの後、致死傷を負った監督官、あるいは監督官の承認のする緊急事態下でSCP関連の情報収集、封じ込めを支援するために一時的に延命しなければならない下級スタッフや一般市民に臓器移植をするために高い生命維持機能を備えたSCP-502の保管がO5-█により決定された。監督官以外にSCP-502が使用された場合、可能なかぎり速やかに対象を終了させ、SCP-502を所定の保管場所に戻すこと。
補遺: テスト手順について、レベル3クリアランスを持つものはドキュメント#502-1および502-2を参照すること。
ドキュメント#502-1: SCP-502に関する初期段階のテストログ
5/18/9█: テスト開始時、箱のふたには'心臓'を読み込みませる。'肺'、'肝臓'と'眼球'が一度ずつふたに書きこまれた。その都度、先に書きこまれた言葉は、5分11秒から最長18分4秒で色あせて消えた。その後SCP-502の外見上の寸法と形状は徐々にそれぞれの臓器に対応するために変更された。'皮膚'がふたの上に書き込まれると、SCP-502は厚さ1.6㎝まで平坦になり、研究者がアセトンで単語を消去して箱が標準サイズに戻るようになるまで拡大を続けた。
5/23/9█: 臓器名をさまざまな媒体を含むインク、グラファイト、油性塗料、水性塗料、クレヨン、血液、油性マジックでふたの上に書き込んだ。たやすく消えたり媒体が損傷を受けて単語が傷ついて、しばしばSCP-502は標準サイズに戻ったが、すべて機能した。
6/17/9█: 臓器名をラテン語、エスペラント語、イタリア語、フランス語、日本語、中国語、ロシア語、ギリシャ語、█████で記入した。SCP-502は臓器名が英語名にスペルが一致した場合をのぞいて反応を示さなかった。
ドキュメント#502-2: 被験者502-01から502-06を通じた生体実験のログ
Subject 502-01: 腎不全を診断されたクラスD。移植時に、ふたには'腎臓'と書かれた。被験者の腎臓のいずれかが外科的に除去される。移植成功後、対象502-1の尿検査では、健康な個体と同等の腎機能を示した。SCP-502は対象の標準任期終了である一ヶ月後回収される。
Subject 502-02: 健全な腎機能を示したクラスD。'腎臓’の記入は前回から引き継いだ。被験者の腎臓のいずれかが外科的に除去される。移植成功後、対象502-2の尿検査では、健康な個体と同等の腎機能を示した。SCP-502は対象の標準任期終了である一ヶ月後回収される。
Subject 502-03: 心不全が原因で拘留中に死亡したクラスD。移植時に、ふたには'心臓'と書かれた。SCP-502が正常に移植され、肺や循環器系に接続されたが再機能、蘇生には至らなかった。
Subject 502-04: 健康問題を抱えていないクラスD。移植時に、ふたに'えら’と書かれた。対象者の肺は生命維持装置につながれた状態で摘出されSCP-502に置き換えられたが、適切な代替臓器が確定できず、被験者は手術中に死亡した。
Subject 502-05: 肝不全に苦しむ成体のラブラドールレトリバー。実験に際し、ふたに'肝臓'と書かれた。対象の肝臓は除去されSCP-502に置き換えられた。しかしSCPは24時間以内に拒絶され対象は死亡した。
Subject 502-06: 脳腫瘍に起因する精神疾患の既往歴のあるクラスD。移植時に、ふたに'脳'と書かれた。対象者の脳は生命維持装置につながれた中でSCP-502に置換される。被験者502-6は麻酔からの覚醒時に[記録削除]。2名のメディカルスタッフとレベル2職員が負傷、被害の拡大を防ぐため被験者502-6を小火器によって殺害、検死時にSCP-502を回収した。この事件によって記録、分析された[記録削除]により以降の生体実験は中止された。