SCP-5050-EX

アイテム番号: SCP-5050-EX

オブジェクトクラス: Explained

特別収容プロトコル: 当オブジェクトは如何なる状況でも必ずExplainedに指定されます。SCP-5050-EXによって引き起こされたとされるあらゆる影響は、その真の原因を究明するために完全な調査が行われなければなりません。早急に異常な影響をSCP-5050-EX由来であるとする試みは、解雇処分までを含む懲戒の対象になります。

説明: SCP-5050-EXはジェームス・グラシアと呼称される43歳のヒスパニック系男性です。SCP-5050-EXの主な職業は舞台手品師であり、本来先天的異常性を所有していませんでした。しかし、SCP-5050-EX-1の存在により、SCP-5050-EXの典型的な舞台における演目には事後的に異常となる副産物が存在します。

SCP-5050-EX-1は現実改変と自然発生的異常生成に関する未知の能力を持つ人型実体です。SCP-5050-EX-1は現在財団の収容下ではなく、SCP-5050-EX-1と直接対話が行われたのは一度だけです。SCP-5050-EX-1はSCP-5050の異常相互作用の起源であると考えられています。

SCP-5050-EXの異常性副産物はその舞台手品の演目の1つの終了時に発生します。当初のSCP-5050-EXによって作成された演目と効果の全ては完全に非異常のものであり、通常の器具や技術を用いることで再現することが可能です。しかし、SCP-5050-EXのパフォーマンスの観賞者がどのようにその効果が行われたのか学ばないままパフォーマンスから24時間が経過した場合、SCP-5050-EX-1の影響によって以降の手品のパフォーマンスは異常性を持ちます。

SCP-5050-EXは概してSCP-5050-EX-1の存在、及びパフォーマンス以降の手品の新たな異常性に気づいていません。現在、SCP-5050-EXがSCP-5050-EX-1と協力して行動していると考えられておらず、主要研究ではSCP-5050-EX-1の影響をSCP-5050-EXから除去することに注力しています。

SCP-5050-EXパフォーマンス記録: 以下は、SCP-5050-EXのパフォーマンスの抜粋リストあり、各手品がどのようにパフォーマンスされたかについての説明です。

名称: 帽子から現れる素晴らしいウサギちゃん!

本来の演目: SCP-5050-EXがシルクハットからウサギ(Oryctolagus cuniculus)を取得する。

タネ: 発見されず。演目は財団の介入以前に実施されていた。

結果: 演目で使用された帽子は、ウサギ科(Leporidae)の家族の非異常性集団が全域に生息している不特定次元への異常性ポータルを所持する。SCP-5050-EXは帽子から不明な数の生物を引き出すことができる。そのため、安全上の配慮から実験が終了されるまでに、実験限界値は129体に達した。如何なる他の使用者もこの次元にアクセスすることはできない。

名称: 脱出する男!

本来の演目: SCP-5050-EXは手錠、鎖、及びその他の束縛する装置に拘束され、拘束後10分以内にそれらから脱出する。

タネ: 発見されず。演目は財団の介入以前に実施されていた。

結果: SCP-5050-EXはもはや手枷や手錠、縄のような通常の束縛道具で拘束することはできない。そのような装置に拘束された直後に、直接の監視下であっても観賞者の知覚無しにそれらを除去したように見える。SCP-5050-EXの収容は非物理的拘束を含むように更新された。

名称: マジカルのこぎりトリック!

本来の演目: 参加者は木箱に入り、聴衆に頭と足が見えるように横になる。SCP-5050-EXは箱の中央部をのぞき込み、参加者が両分されているという幻覚を作り、2つに分けられた半身を"再度接着"した。

タネ: 財団職員による調査の結果、箱には二等分されているかのように錯覚させる、鏡のセットと取り外し可能な部分が存在する。異常な効果は観察されなかった。

名称: 銃弾キャッチ!

本来の演目: 助手が聴衆の前で銃に弾丸を装填する。SCP-5050-EXは目隠しされた状態でガラスの後ろに立つ。次に助手はSCP-5050-EXに銃を向け、銃を発砲したように見せ、結果としてガラスが破損する。その後、SCP-5050-EXが銃弾をキャッチしたことを示唆するために、SCP-5050-EXは口から"キャッチした"銃弾を生成する。

タネ: 元々偽の銃弾と空の弾倉で行われたと考えられていたが、後日送られてきた█████ ██████████研究助手の電子メールでは、単純にSCP-5050-EXから離れた場所を狙っていた本物の銃弾で実際に実施された手品である可能性が提示された。これはSCP-5050-EXの演目の説明に疑惑を提示し、SCP-5050-EX-1の異常性を活性化させる効果があった。

結果: 現在SCP-5050-EXには銃器の射撃が通用しない。█████ ██████████研究助手は公的な懲戒を受け、2週間の無給休暇が与えられた。

SCP-5050-EX-1インタビュー記録: 類似的状況の研究を行っている研究者(特に、SCP-████やSCP-████、複数の歴史的記録)は、SCP-5050-EXの異常性副産物の供給源として、SCP-5050-EX-1の存在の可能性を提示することが可能でした。

映像の書き起こし開始。SCP-5050-EX-1は人種が不確定、年齢が20~30代である人間の男性の形をとっている。SCP-5050-EX-1は秘匿捕獲チャンバーの境界に対して明確に悪戦苦闘していることが確認されます。

マルケス博士: こんばんは。

SCP-5050-EX-1: ああ、君たちの中の1人か。そろそろ私に気づいた頃だと思っていたよ。

マルケス博士: そうです。ミューズの1柱、だと推測しているのですが。

SCP-5050-EX-1: おお、歴史学者だ!お会いできて光栄だよ。まだ我々のこと知っている人間がいるとは知らなかった。

マルケス博士: 私たちの中に、運よくあなたを知ることが責務である仕事を持つものがいます。ではすぐにお話を──

SCP-5050-EX-1: 勿論。私が忙しいのはわかっているだろう。

マルケス博士: どうしてこんなことをするのですか?何故あなたは彼の手品を変えたのですか?少し軽率な行動だとは思いませんか?

SCP-5050-EX-1: 軽率?傷つくよ、先生。これは芸術家として普通のことだ。

マルケス博士: 彼の手品が誤った注意を引いているとは思いませんか?

SCP-5050-EX-1: 手品というのは売春婦が金を稼ぐものか何かだろう、先生。これは芸術だ。君たちが言うところの悪名は無名に勝るってとこかな。

マルケス博士: 人を傷つけているとしても?チェーンソーの手品があんな事故になるとわからないのですか?

SCP-5050-EX-1: おお、芸術なんてスリルやちょっとのワクワクが付き物だろう?結局少しのスリルもない楽しみなんてどこにあるんだ?最高の芸術は人の目を引く。愛しのジェームスはそれを望んでいるんだ。

マルケス博士: どういう意味ですか?

SCP-5050-EX-1: 助けを求めたのは彼だってことさ。彼はいい手品師になりたかった。誰にも真似できない手品を作ろうとしたんだ。まあ、まさか僕が聞いているとは思っていなかったようだけどね。でも、彼はできた。

マルケス博士: だから手を差し伸べたと。

SCP-5050-EX-1: 当たり前だろう?彼は必死だったし、僕も最初は出来心だったんだ。何かに熱中してる人間を見たいだろう?でもある時……考え方が変わったんだ。

マルケス博士: 説明してください。

SCP-5050-EX-1: ジェームスは本物の芸術家だ。彼は本当に仕事熱心だった。凡人として生まれたことが彼の間違いだっていうのかい?僕は彼の作品、価値観、発想を称賛してるんだ。で、他にも称賛できるものを見つけたんだ。

SCP-5050-EX-1はSCP-5050-EXの収容チャンバーの方を向き、ため息をつく。

マルケス博士: そ、そうですか。

SCP-5050-EX-1: 彼は注目を求め、人々が彼に気づくことを望んだ。彼らはそうした。いつか……私に気づくだろうね。

当インタビュー後、秘匿捕獲チャンバーに構造的不備が発生し、視界からSCP-5050-EX-1が消滅しました。SCP-5050-EX-1を捕獲する試みは依然成功していません。

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