SCP-507-JP
評価: +150+x
blank.png

SCP-507-JPの閲覧を開始します。

ユーザー名: 斎藤 正樹

システムからの自動通知

E-9012:未承認の報告書削除 に伴い、システムは該当報告書を自動復旧しました。
担当者は速やかに報告書の整合性を確認し、メッセージの報告と消去を行ってください。

記録情報セキュリティ管理室(RAISA)による通達

この文書はRAISA-9918 ("異常な報告書")に基づき、一部担当者にのみ公開されます。
文書保護期間中、この文書は研究・参照のために維持されます。
保護期間終了まで00日 00:00:00

アイテム番号: SCP-507-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 財団のWebクローラを運用し、SCP-507-JPに関連すると思われる情報を収集・検閲します。SCP-507-JPが発生した場合、近隣のエージェントはSCP-507-JP担当研究員と協力して情報を収集し、出現した物体の撤去、及び異常に暴露した一般人の記憶処理を行います。

説明: SCP-507-JPは個人が死亡した際に行われる社会通念的行動が再現される異常現象であり、物体の異常な出現および周囲の人物の異常行動を伴って発生します。これらの現象は日本全国で広域的に観測されており、発生頻度が不定期かつ一見して関連性が無かった為、それぞれの現象について報告書は作成されず、個別に超常現象記録-JPに記録・保管されていました。資料編纂を行っていた溝川研究員がこれらの異常現象の共通点に気付き、一連の現象がオブジェクトとして財団に認識されました。

以下は、過去に超常現象記録-JPに記録されており、SCP-507-JPとして認識された主な異常現象の事例です。

ディスカッション記録-507-JP-05: SCP-507-JPの異常性は前述した「個人の死亡時に行われる社会通念的行動が再現される異常現象」ではなく、「実際に死亡した人物の遺体や記憶、関連した出来事を消去する過去改変事象」の痕跡では無いかという仮説が岩内研究員より提唱され、詳細な再調査が行われました。以下は調査後の研究チーム内でのディスカッション記録の抜粋です。

上記ディスカッションの結果として、主に以下に挙げる理由から、岩内研究員の仮説が正しい可能性は低いとして保留されています。

  1. 死亡した人物が過去改変により消去された事に伴う、出生から現在に至るまでの現実シナリオに観測可能な齟齬が概ね存在しない事
  2. 1.にもかかわらず、より改変が容易と考えられる「死亡時に発生する社会通念的行動」の阻止、改変がされていない事
  3. 同規模で死者の痕跡の消去が行われた場合に観測できるであろう出生率や死亡率、行方不明者数に有意な変化が生じていない事

また現在の財団の技術では、これらの異常事例が過去改変による人物の痕跡の消去によってもたらされたのか、予想されるような死亡した個人は存在せず、死亡時に行われる社会通念的行動のみが再現されたのかを確定することは理論上不可能であり、どちらの場合であっても財団は同様の対応を行うという見解が担当研究者の総意となっています。

新着メールが1件届いています。

超常現象記録-JP

概要紹介: RAISAによる自動警告システムにより、財団が異常事態を認識しました。警告の原因は未承認の報告書の削除が行われた為と判明しました。システムは自動で該当報告書の復旧を行いましたが、これにより財団の認識していなかった、未知の報告書が復元されました。
発生日時: 2018/8/28 11:55
場所: サイト-81KA
追跡調査処置: 復元された報告書はどのサーバにもバックアップが存在せず、どのように復元されたかは不明でした。サイト周辺、サーバ周辺の有意なヒューム値変動は確認されませんでした。該当の報告書は通常の削除、追記などの処理を正常に受け付け、報告書自体に異常性は存在しないと判断されました。該当の報告書に記載された異常現象の事例について財団は認識しておらず、また事例は存在しませんでした。報告書の担当研究員として記載された関係する一連の財団職員についても人事リストに存在しませんでした。異常事態として担当研究チームを発足し、1年間の継続管理を行いましたが、当報告書に関して異常現象は存在せず、また報告書に記載されたような異常現象も発生しませんでした。これらから、報告書を異常データとして削除し、超常現象記録として記載しました。

概要紹介: 複数の財団職員が存在しない職員のサイト内葬儀に参列するためにサイト-81KAに集合しました。当日、サイト内葬儀が行われる予定は無く、関係者が会場と認識して集合したサイト-81KAの中ホールにおいてはエリアエージェント向けのオリエンテーションが実施されていました。関係者は「サイト-81KAの松井主任研究員」の葬儀に参列するために来た旨を連絡しましたが、該当の職員は人事リストに存在せず、また彼らは訃報連絡を受け取っていませんでした。
発生日時: 2019/8/29 14:00
場所: サイト-81KA 中ホール
追跡調査処置: 関係者の職員は「サイト-81KAの松井主任研究員」が死亡したという認識を持っていましたが、死亡した職員についての性別、人物像や死因はそれぞれの証言で明確に相違していました。また、どのように訃報と葬儀会場の連絡を受けたかについては全員が回答出来ませんでした。影響を受けた職員に共通点は見当たりませんでした。調査完了後、記憶の混乱を避けるために関係職員の同意の元でクラスC記憶処理を行いました。メールはアーカイブ後に削除し、当事象を超常現象記録として記載しました。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。