アイテム番号: SCP-5116
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-5116実例群はサイト-49の倉庫に収容されます。デスクと椅子を5×5のグリッドパターンで並べ、SCP-5116をデスクの上に配置します。現地時間の午前12時~6時までの間、職員がSCP-5116やSCP-5116-A個体と接触することは認められません。
SCP-5116-A個体群に対応する存命人物は、常軌を逸した行動や悪魔憑きの兆候が無いかを常時監視されます。そのような行動が見られた場合、速やかに対象者の悪魔祓いを行って収容します。
SCP-5116-Bの影響を受けている家屋は、改修工事を装って購入、維持管理されます。アバナシー・ヒートシンクが影響された地下室に設置されます。何らかの実体がSCP-5116-Bを脱出した場合、実戦訓練を積んだエクソシストの連隊 MTF-א (“ギデオンのトランペット”)が直近のサイトから即時派遣されます。
説明: SCP-5116は、1978年のゲーム“スペースインベーダー”を実行している、年代物のアタリ2600ビデオゲーム・コンソールとブラウン管テレビ25組 24組の総称です。SCP-5116は電源を切ることが不可能であり、コンソールの外層内側には六芒星などのオカルト的なシンボルが未知の理由で彫り込まれています。
財団職員はSCP-5116をプレイすることができません。SCP-5116は“コインヲ1枚投入シテ開始シテクダサイ”という文章を表示しますが、SCP-5116にコインを投入する手段は存在しません。午前12時を過ぎた後にSCP-5116やSCP-5116-Aとの相互作用を試みる職員は、タイプ-ヨッド妖魔界実体1の大群から襲撃されます。これらの実体群は職員がSCP-5116の近傍を離れると消失します。
毎晩午前12時、SCP-5116-Aと指定される25体のヒト型実体がSCP-5116実例の前に出現します。SCP-5116-A実体群の容姿は、1980年に開催されたアタリ・スペースインベーダー選手権の準決勝出場選手たちに類似します。SCP-5116-Aはほぼ完全に物理肉体を持たないものの、SCP-5116の入力を操作することは可能です。SCP-5116-A実体は周辺環境を全く認識していないらしく、意思疎通の試みに応じません。SCP-5116実例の操作中にゲームオーバー状態になると、そのSCP-5116-A個体は消失し、翌日の深夜に再び出現します。
SCP-5116の内容は、ゲームプレイと美術様式の観点において、非異常なスペースインベーダーから大きく逸脱しています。敵キャラクターのスプライトには、装飾的な角や鉤爪のように見える追加の特徴があります。画面上部から隊列を組んで整然と下降する代わりに、これらの敵スプライトはランダムな動きを示し、様々な速度やパターンで下降します。防護壁も存在しないため、敵スプライトとプレイヤーの間を隔てるものは全くありません。プレイヤーキャラクターは長さが異なる2本の垂直線が交差したスプライトに置き換えられています。レベルの概念や顕著な難易度上昇はありませんが、敵スプライトが絶え間なく生成され続けるため、SCP-5116-Aの集中力が途切れると速やかにゲームオーバーに繋がります。
SCP-5116-Bは、カリフォルニア州サンディエゴの地下に位置する深さ不明の異次元的な縦穴です。SCP-5116-Bは入口からのみアクセス可能です。最大の入口はアルカディアの元CEO、ダン・“ウルフ”・ダンの自宅の地下室に存在しており、サンディエゴにある他のアルカディア従業員の住居にもより小規模な縦穴があります2。SCP-5116-Bは常に大量の熱を発しており、明るい光が穴の底に見えます。
縦穴の深さ約100m地点に、合板と2×4木材で構築された小さな足場が存在します。足場の上には様々な物品が配置されており、その一部には異常性があります。
- アスペルソリウムとアスペルギルム3。10分ごとに補充される。
- 聖ペトロ十字が取り付けられた木製のロザリオ。手で握ると、十字架から高周波照射の短いビームが発射される。
- 欽定訳聖書。
- 1979年版“プレイボーイ”。
- 破損した折り畳み椅子。
- SCP-5116-A個体。熱による陽炎のため、正確な容姿は不鮮明になっている。
不定期に、タイプ-ダレットのファウスティアン-クラス妖魔界実体群が数十体、縦穴を登り始めます。足場に住むSCP-5116-Aは聖水とロザリオを使用してこれを撃退します。過去の試みにおいて、財団と要注意団体の間に交わされた複数の契約が異常な経緯を経て無効化される結果を招いたため、自動化されたエクソシストの運用は推奨されません。
補遺5116.1: 2003年3月15日、SCP-5116-A-23はそれまでのハイスコアを破り、その後さらに10分間プレイを継続しました。ゲームオーバーした際、SCP-5116-A-23は腕を上げて喜ぶ様子を少しの間だけ見せましたが、その後苦痛に身を屈め、身体がちらつき始め、最終的に消失しました。SCP-5116-23は特異な文章4を短時間表示した後、激しく揺れながら自己燃焼しました。
SCP-5116-Bの内部では、足場に住んでいたSCP-5116-Aがその場で硬直してから消失し、同じ位置にSCP-5116-A-23が出現しました。