SCP-5141
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アイテム番号: 5141
レベル3
収容クラス:
euclid
副次クラス:
none
撹乱クラス:
vlam
リスククラス:
notice

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SCP-5141、1937年頃。

特別収容プロトコル: 費用増大と予算上の制約のために、SCP-5141の収容は現在、緩和と協力を重視しています。

機動部隊ガンマ-1 (“サットンズ・ムーンシャイナーズ”)は現地法執行機関と協力し、SCP-5141の毎年の出現日に、その走行ルートに沿った全ての交通を停止します。財団車両がSCP-5141に随行し、先んじて道路上の障害物を除去します。財団車両は常にSCP-5141から5mの距離を維持しなければいけません。

職員はSCP-5141を減速させる、停車させる、その他の手段で妨害する試みを実行すべきでないことに留意してください。

説明: SCP-5141はカスタマイズされた黒色の1924年製スチュードベーカー・スペシャル・シックスです。

毎年3月16日の12:30 pm頃 (UTC)、SCP-5141はノースカロライナ州マギーバレーの何処かに出現します。SCP-5141はその後、走行可能な最短ルートを辿ってテネシー州コック郡に向かいます。コック郡に到着すると、SCP-5141は急加速し、現地に幾つかある道路の1つを走りながら消失します。

著しい運転技能と現地の地理に関する知識の実証を除いて、他の異常性は確認されていません。

発見: 1951年2月26日、MJ-12法1の一環として、UIU2は事件簿の一部を財団工作員に引き渡しました。この中に、アパラチア地方で活動する“運転手のいない幽霊車”の報告が含まれていました。この引継ぎに際して、ウィリアム・サマーズ(経験豊富な財団工作員)はSCP-5141の性質について、ダニエル・マーティンデール(UIUフィールドエージェント、元・酒類取締局エージェント)にインタビューを行いました。

音声転写


日付: 1951年2月26日


サマーズ: では、今から聞くことが正確かどうか教えてほしい。

マーティンデール: 聞かせてくれ。

サマーズ: こいつは… 旧式の車なんだな? フォード・モデルTとか、そういう —

マーティンデール: あの女はティン・リジーじゃないぜ、坊主。スチュードベーカーだ。

サマーズ: そうだった。ということは、最高時速は多分… 時速40マイル?

マーティンデール: 50ぐらいかな。

[沈黙。]

サマーズ: 私の妻のビートルでも80マイルは出る。

マーティンデール: へぇ、そりゃ良かった。ドイツ人は実に良い車を作るな。

サマーズ: 信じられない。お前たちは8年間もこのクズ鉄の尻を追いかけて、一度も捕まえたことが無いのか?!

マーティンデール: 坊主、自分の家の裏庭で一本足の男を追い越そうとした経験はあるか?

サマーズ: な — 何だって?

マーティンデール: あの女はもう30年以上も田舎道を通って密造酒ムーンシャインを運んでる。俺たちの前にはプロヒー3が追ってた。奴らからウチが聞かされたのと同じ話をしてやる — 放っておけ。お前らにあの女は捕まえられんし、あいつだって危害は加えてこない。お前らが邪魔をするほどの馬鹿だったら話は別だがね。

サマーズ: 我々は財団だ。我々ならきっと成し遂げられる。

徴用要請書


日付: 1952年3月3日
要請者: フィールドエージェント ウィリアム・サマーズ
目的: SCP-5141の収容。


昨年の3月16日、我々はSCP-5141が州間高速40号線を西に走行するのを観察しました。10分間の追跡の後、エージェント ブラックウェルは携行銃器でタイヤをパンクさせようと試みました。SCP-5141は即座に急カーブしてこちらに突っ込み、我々の車両を道路から押し出しました。

もう一度試してみたいと思います。今回は、セダン2台と、運転経験の豊富なエージェント1名が必要です。


推定費用: $4,000
ステータス: 承認


結果: セダンは2台とも強制的に道路外に逸らされた。財団職員は軽傷を負った。

徴用要請書


日付: 1953年3月2日
要請者: フィールドエージェント ウィリアム・サマーズ
目的: SCP-5141の収容。


過去にSCP-5141を追跡した経験がある引退した酒類取締局エージェントと話し合った結果、あれは毎回同じルートを走行していると気付きました。我々はただ道路を封鎖すればいいだけです。ショットガンを装備した職員4名、セダン3台、コンクリート防壁2枚、スパイクストリップ1本が必要です。


推定費用: $8,000
ステータス: 承認


結果: SCP-5141はギアをシフトしてパワースライド4し、遠ざかった。後ほど、エージェントはSCP-5141が代替ルートを使用したと断定した。エージェント サマーズはSCP-5141について非財団職員と議論したために懲戒処分を受けた。

徴用要請書


日付: 1954年2月22日
要請者: フィールドエージェント ウィリアム・サマーズ
目的: SCP-5141の収容。


マギーバレーはそう広くありません。出入りする道路は僅か数本です。全て封鎖しましょう。

セダン20台、ショットガンを装備した職員20名、コンクリート防壁20枚、スパイクストリップ6本が必要です。


推定費用: $35,000
ステータス: 承認


結果: SCP-5141は封鎖地点に出現しなかった。更なる調査で、SCP-5141の構造とモデルに一致するタイヤ跡が、マギーバレーから州間高速40号線の西車線に通じる、それまで知られていなかった裏道に沿って発見された。エージェント サマーズは2週間の必須休暇を申し付けられた。

徴用要請書


日付: 1955年2月10日
要請者: フィールドエージェント ウィリアム・サマーズ
目的: SCP-5141の収容。


カスタマイズされたトラック6台と徴用可能な最上級の運転手5人。


推定費用: $20,000
ステータス: 承認


結果: 6台全てのトラックが強制的に道路外に逸らされた。財団職員は軽傷を負った。エージェント サマーズは1年間の必須長期休暇を申し付けられた。

徴用要請書


日付: 1955年1月8日
要請者: フィールドエージェント リチャード・カーター
目的: SCP-5141の収容。


文書記録を見直し、同僚と話し合った結果、私はSCP-5141を収容できるという確信を得ました。

財団に加わる前の25年間、私は法執行機関に勤めていました。60回以上の高速カーチェイスに自ら関与しています。私の意見では、最良のアプローチは包括的なものとなるでしょう。この領域を一掃します。マギーバレーの外に通じる全ての道路を(裏道も含めて)封鎖します。SCP-5141を道路外に追いやるためのトラックとパトカーを待機させます — そして、チェックポイントに駐留する職員に、タイヤとエンジンを撃ち抜く準備を整えさせます。

必要物資は次の通りです。

  • コンクリート防壁20枚。
  • スパイクストリップ12本。
  • 改造警察車両20台。
  • 改造警察トラック10台。
  • ベテランの運転手30名。
  • ライフルの使用法を知っている職員30名。
  • 周辺地域から1日だけ住民を退避させる。

大袈裟に聞こえるでしょうが、信用してください。これは1回限りで完了する作戦です。必要物資を提供して頂ければ、昼飯までに奴を収容してご覧に入れます。


推定費用: $320,000
ステータス: 承認


結果: その後の混乱の中で、トラック7台とパトカー12台が完全に破壊された。1台のパトカーは未だ行方不明である。職員7名が重傷、26名が中傷、15名が軽傷を負った。現地の資産被害は100,000ドル以上に上ると推計される。

フィールドエージェント リチャード・カーターは正式に辞表を提出した。

徴用要請書


日付: 1957年1月1日
要請者: フィールドエージェント ウィリアム・サマーズ
目的: SCP-5141の収容。


M103戦車3台。


推定費用: $550,000
ステータス: 却下


注記: 失敗が繰り返されていることに鑑み、SCP-5141の緩和と協力を重視する新たな収容プロトコルが開発中である。

補遺: 1958年2月3日、フィールドエージェント ウィリアム・サマーズは、フロリダ州キャンプ・ルジューンの練習場での訓練中に、致命的な自動車事故に巻き込まれました。5週間後、SCP-5141は通常の走行ルートに現れませんでした。

3月17日、サマーズ氏の未亡人は夫の墓を訪れた際、幾つかのタイヤ跡と、墓石の隣に転がされた空のウィスキーボトルを発見しました。発掘調査の結果、サマーズ氏の遺体の胃には120プルーフのアパラチアン・ムーンシャインが数リットル入っていると確認されました。

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